第三の相違点は、対外、対敵姿勢である。蜂はふしぎな本能をもっている。蜂はだいたいにおいて湿度に弱い。蜜蜂でも、輸送途上、巣箱をつみ重ねたりして上から他の蜂の排泄物がかかって全滅してしまうことがある。夏など不快指数がある極点に達すると、巣の奥に養われている幼虫は全部むれで死んでしまう。 だが、蜂はふしぎにも、むれ死にするほどに不快指数が高まったときには、蜜を集めに行っていた働き蜂も、巣の奥で幼虫の世話をしていた蜂も全部いっしょに入口に集まってきて、いっせいに羽を震わせて外界の新鮮な空気を巣の奥まで送る。エア ? コンディショナーの役割を果たすのだ。これによって巣の奥の幼虫はむれ死にすることから救われる。 こういうふしぎな本能は、西欧蜜蜂も日本蜜蜂も同じくもっている。ところが、その風を送りこむ姿勢がちがうのだ。西欧蜜蜂は頭部を外の方に出して警戒しつつ尻を巣の中に突っ込んであおぐ。日本蜜蜂はさかさまで、頭を巣の中へ突っ込んで、針が出ているから無防備状態といえないが、対外動作がとれないまま尻を外へ出してあおぐ、つまり、日本人と同じで、蜂まで対外姿勢がさかさまなのである。背中を防御体にするというか、背を向けてしまう特色をもっている。 |