先月、神奈川県のご住職との話の中で、最近は葬儀式のあり方が大きく変わり、お通夜をしない「一日葬」といわれるものが大半になってきたのことでした。その原因として、葬儀式の施主や参列者の高齢化、猛暑など自然環境の変化が大きく影響しているそうです。
それでも火葬場でお経を唱えるだけの「直葬」とは大違いで、「引導」を渡せるだけまだ良いと話していました。
時代の移ろいとともに葬儀式のあり方も変化することは理解できますが、「なぜ葬儀を行うのか」その根本を考える必要があると思います。 仏教の葬儀とは、死者に対して生者が敬意をもってねんごろにもてなす供養と、死後の肉体と魂の分離をすることが目的です。前者は読経や焼香、後者は引導を渡すという行為です。
私は、人間の魂(心)というものは、肉体と結ばれていて、肉体が機能停止しても意識は活動を続けるものと考えています。死によって肉体が動かなくなると、魂は混乱をきたします。そこで供養を行い肉体の死を自覚してもらい、引導を渡して肉体との分離を行います。それをしないと、魂の混乱は永遠に続くと考えています。
葬儀の根本を理解し、丁寧に行ってほしいと思います。
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