第二、?史敍述には選擇が必要である。如何なる?史敍述も過去の無數の出來事をそのまま模寫することが出來ず、よし出來たとしてもそれは無意味であろう。それは無數の傳へられたものの中から傳へるに足り、傳へるを要するものを選擇して繰り返すのである。ところがこのような選擇は何に基礎をもつのであろうか。「ここでもまた唯現代のみが答を與へ得る。」とマイヤーは云ふ。「選擇は、現代が或る影響、發展の結果に就いてもつ?史的關心を基礎とし、この關心のために現代はそれを招致した諸機因を探究するといふ要求を感ずるのである。如何なる領域にこの關心が高い度合に於て向けられるかといふことは、現代の構成に依存してゐる、前景に現はれるのは、或る時は此の、或る時は彼の方面、?ち、或は政治史、或は宗教史、或は經濟史、或は文學、或は美術、等々である。」かの?史に於て繰り返すといふことは、選擇的に繰り返すといふことであることによつて、?に單に繰り返すといふことではあり得ず、それは手繰り寄せるといふことである故にかかる選擇の原理は現代のうちに含まれてゐるのである。?史敍述に於てこのやうにして選ぶ出されるのは、もちろん、そのものが特に?史的なものと考えられるためでなければならぬ。 |