(「ヨゲンノトリ」、『暴寫病流行日記』部分、山梨県立博物館所蔵)
図のような烏が、去年の12月に加賀国(現在の石川県)に現れて言うことには、「来年の8月・9月のころ、世の中の人が9割方死ぬという難が起こる。それについて、我らの姿を朝夕に仰ぎ、信心するものは必ずその難を逃れることができるであろう」。
これは熊野七社大権現のすぐれた武徳をあらわす烏であると言われている。今年の8月・9月に至り、多くの人が死んだ。まさしく神の力、不思議なお告げである。
(現代語訳:山梨県立博物館)
フランスでミレーが『無原罪の聖母』(山梨県立美術館所蔵)を描いたのは1858年のことです。和暦でいうと安政5年、江戸時代後期です。この年、日本ではコレラが大流行しました。感染したアメリカ軍艦の乗組員とともに、長崎に上陸したのが始まりでした。
甲府での広がりは2か月後、7月下旬からです。このとき市川村(いまの山梨市)の役人、
喜左衛門が代官所への用事で甲府に滞在していました。
喜左衛門は状況を『
暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょう りゅうこう にっき)』に記録します。増え続ける犠牲者は8月上旬には毎日30〜40人になりました。感染拡大の中、喜左衛門が耳にして『日記』に残したのが、上記「ヨゲンノトリ」のお話です。
あらためまして、こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと、社長見習い20年目のmayumiです。
今日は「
ヨゲンノトリ」についてです。
SNS・新聞・テレビなどを通じて有名になりましたね。
未確認生物ではありますが、神様の化身またはお使いとして信じられ、当時の人々の心を支えたようです。
日本の神使業界(?)の中で、頭がふたつあるトリさんの存在は興味深いですね。神使のトリ部門メンバーで私が知るのは、いずれも「頭がひとつ」です。
伊勢の「ニワトリ」、白山(はくさん)の「ライチョウ」、熊野の「ヤタガラス」、宇佐を総本宮とする八幡系の「ハト」など。
多頭で思い出せるのは、トリ部門から大きくはずれて、箱根の「九頭龍(くずりゅう)」になります。
西洋で紋章に見られる「双頭のワシ」のように、頭がふたつあるトリさんが日本でも言い伝えられていたのですね。しかも山梨に。
さて、その「ヨゲンノトリ」ですが、ゆるキャラ的な愛らしさがあります。
親しみを込めて、私はひそかに「ヨゲン兄弟」と呼んでいます。
白&黒い頭という配色の妙が、何とも言えません。
シンプルな描写なので、アート的な展開も違和感なくできるのが魅力です。
アートといえば、いま山梨県立
博物館では、みなさんが描いたヨゲンノトリの絵を募集していますよ。応募した絵は関連コーナーに掲示されるそうです。
詳しくは、同館ホームーページをご確認ください。
http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3rd_news/3rd_news_news200522_02.htmlまた、「ヨゲンノトリ ペーパークラフト」と「ぬり絵」も提供されています。ホームページからPDFでダウンロードできます。
●
ペーパークラフトhttp://www.museum.pref.yamanashi.jp/3rd_kidsmuseum=yogennnotoripapercraft.htm●
ぬり絵 http://www.museum.pref.yamanashi.jp/3rd_kidsmuseum=yogennnotorinurie.htm 私は「ぬり絵」に挑戦しました。
思い付きの勝手にコラボで、フェルメール「真珠の耳飾りの少女」風カラーにしました。(パソコンで制作)
ミッフィーちゃん風カラーでも作ってみました。
「
ヨゲンノトリ」が描かれている『
暴瀉病流行日記(ぼうしゃびょうりゅうこうにっき)』は、山梨県立
博物館で2020年
8月17日(月)まで展示されています。
撮影OKの特設コーナーがありますから、カメラやスマホなど忘れずにお出かけください。
うちの社長は、諸事情あって撮り忘れてきました。とっても悔しがっています。このときの話は社長のブログ「画廊のおやじ」に書かれています。
↓↓
PCで読む [画廊のオヤジ]スマホで読む [画廊のオヤジ]みなさまの心身のご健康を心よりお祈りしています。
2020.06.08.
日本ぶっくあーと
mayumi
山梨県立博物館山梨県笛吹市御坂町成田1501-1
TEL:
055-261-2631■開館時間
・午前9時から午後5時 (入館は午後4時30分まで)
■休館日
・火曜日 (火曜日が祝日の場合は開館し、翌日の水曜日が休館となります)
・祝日の翌日 (土曜日が祝日の場合、翌日の日曜日は開館します)
・12月29日〜1月1日(年始は1月2日から開館します)
そのほか、臨時開館・臨時休館の場合もあります。
■入館料
・一般520円
・大学生220円
●20名以上の団体、 一般840円 大学生420円
●山梨県内ホテル・旅館宿泊者割引料金、 一般840円 大学生420円
※以下の方は常設展・企画展の観覧料が無料です
・小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒、
・山梨県内在住65歳以上(免許証・健康保険証など持参)
※以下の方は常設展の観覧料が無料です
・県外在住65歳以上(免許証・健康保険証など持参)
・障害者手帳をご持参の方はご本人と介護をされる方
--------------------------------------------------------------------------------
〜世界の巨匠と日本画の原画・版画〜
アートギャルリー日本ぶっくあーと
WEBショップもよろしくおねがいします。
http://nihonbookart.com/