毎月8日に本佛殿で開いている「むすびの会」で、「死者の人権」について勉強をしています。
まず「人権」とは、人が生まれながらに持っている、自由に考え、行動し、幸福に暮らすための権利で、誰もが平等に、侵されることなく保障されるべき権利のことを言います。しかし、この世に身体の無い死者には「人権」という言葉が当てはまるかどうか疑問です。
こんな例を紹介します。独り暮らしの高齢女性で熱心な信仰の持ち主であったBさんは、県外の菩提寺に自分が亡くなったら入るお墓を作り、生前に戒名をつけてもらい、葬儀の依頼も住職にしていました。しかし亡くなったら、Bさんの妹さんはお金がないので葬儀はせず、お骨も公営霊園に合祀してしまいました。
Bさんは生前に妹さんへ死後の意思を伝えていたにもかかわらず、一つもBさんの意思は実行されることがなかったのです。 生きている人なら、頼んでいたのに実行されなかったらクレームになるでしょう。しかし死者は口をきけないし行動も起こせません。死後のことは生きている人に任せるしかないのですから。
皆様はこの例をどう思われますか。自分の死後をどうしてもらいたいですか? 宗教、信仰の根本に関わる重大な問題です。
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