常説寺

山梨県甲斐市吉沢にあり、順徳天皇ゆかりの国重要文化財「白輿」を寺宝としています。  日蓮聖人御一泊説法の後、日蓮宗に改宗した歴史ある日蓮宗のお寺です。  御岳道上道近くには坐像8尺のお釈迦さまをおまつりした「本佛殿」、関連施設に吉沢立正保育園があります。
 
2025/03/01 17:46:03|住職からのメッセージ
死者の人権について考える
 毎月8日に本佛殿で開いている「むすびの会」で、「死者の人権」について勉強をしています。

 まず「人権」とは、人が生まれながらに持っている、自由に考え、行動し、幸福に暮らすための権利で、誰もが平等に、侵されることなく保障されるべき権利のことを言います。しかし、この世に身体の無い死者には「人権」という言葉が当てはまるかどうか疑問です。

 こんな例を紹介します。独り暮らしの高齢女性で熱心な信仰の持ち主であったBさんは、県外の菩提寺に自分が亡くなったら入るお墓を作り、生前に戒名をつけてもらい、葬儀の依頼も住職にしていました。しかし亡くなったら、Bさんの妹さんはお金がないので葬儀はせず、お骨も公営霊園に合祀してしまいました。

 Bさんは生前に妹さんへ死後の意思を伝えていたにもかかわらず、一つもBさんの意思は実行されることがなかったのです。
生きている人なら、頼んでいたのに実行されなかったらクレームになるでしょう。しかし死者は口をきけないし行動も起こせません。死後のことは生きている人に任せるしかないのですから。

 皆様はこの例をどう思われますか。自分の死後をどうしてもらいたいですか? 宗教、信仰の根本に関わる重大な問題です。





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