T-Dome79(全天候ドーム型バッティングセンター )

創業から40年、地域唯一のバッティングセンターとして何とかやりくりしてきましたが、建物も機械設備も、もう限界。すべてを使い果たしました。 世間では「オワコン」(終わったコンテンツ)と言われていますが、野球に真面目に取り組むこどもを応援し、その笑顔を実現するため、「事業再生劇場」と銘打ち、その歩みをお伝えしていきます。
 
2022/05/06 15:56:00|バッティングセンター
vol.27「T-Dome79の特徴➓:バッセンにカフェを」の巻

野球 一つひとつていねいに造り上げてきた施設ですが、どうしても併設したかったものがありました。この施設をスポーツを通した人と人との交流の場にするために、どうしても必要なもの……

野球 旧施設のとき、お客さまはドリンクやファストフード等を持参し、飲食しながらバッティングするケースをよく見ました。それはそうです。体を動かせばのどが渇き、小腹が空くのは当たり前だからです。

野球 そういったときのサービスとして旧施設では、ほとんどのバッセンと同様に、自動販売機を設置しておりました。しかし、リニューアルに際し、私はその当たり前の仕組みを、どうしても変えたいと考えました。"飲食"と"スポーツ"は決して切り離せない……  ならばカフェを併設しよう……

野球 全国のバッセンを巡る中で、飲食を提供する施設も少数でしたが、ありました。フロアの一角にカフェを併設していたり、飲食店舗を単独で併設(入口は別々)していたり。T-Dome79では、飲食とスポーツを通じたコミュニティの場を作ろうと考え、前者を採用いたしました。

野球 カフェを起業する際、ポリシーを作りました。それは「素材と手作りにこだわる。しかし価格はリーズナブル」。飲食業界の経験はゼロです。まずはドリンク類から始め、徐々にメニューの数を多くし、リニューアルからまもなく1年を前に、今ではメニューの数も30程度となりました。
★主なメニュー
【Drink】コーヒー、ソフトドリンク、ばななジュース、クリームソーダなど
【Food】ケーキ、プリン、アイスなど

野球 コミュニティの場として、カフェだけのご利用も大歓迎です。これからもメニューを進化させ、みなさんに気軽に利用してもらえるカフェを目指していきます。








2021/12/01 15:04:00|バッティングセンター
vol.26「T-Dome79の特徴➒:女性が選ぶ施設を目指して」の巻

野球 "待合いエリア"で最も力を入れたのが"トイレ"です。ここだけは設計段階から絶体に妥協しないと決めていました。なぜなら、旧施設のそれは女性客が利用するには清潔とは言えなかったからです。男女共有の狭いトイレに、一般のお客さまも利用する共有の手洗い場が1つあるだけ。天井には裸電球が付くなど老朽化も重なり、特に女性はトイレの利用を避けていたと思われます。

野球 もうひとつ"トイレ"に力を入れた理由があります。男性客が多いバッセンに、女性客にも来店していただきたいと考えたからです。"トイレ"の良し悪しが女性の来店を左右する…。トイレメーカーのTOTOが実施した「飲食店トイレに対するお客様意識のアンケート調査」によると、約8割の人がトイレの印象でお店のイメージが良くなると回答しています。

野球 全国のバッセンを視察したときは必ずトイレを見ました。「トイレに力を入れているところはきっと繁盛店に違いない…」と考えたからです。そして見えてきたのは、多くが清潔感はあるのですが、公共的なトイレを踏襲している点でした。ならばウチは「ここに来たらトイレを利用しておかないともったいないと思わせるぐらいのトイレにしてやる…」と考えました。

野球 女性目線を徹底的に取り入れるために、私の妻や娘などに細かな点まで何度もヒアリングしたり、おしゃれなカフェ等のトイレを視察したりしながら、レイアウト、壁紙、床材、便器、手洗い場などを決めていきました。そして同時にコロナウイルス対策も心掛けました。

➊ 男女別のトイレとし男性トイレには小便器を設置
➋ 人感センサーにより室内を自動点灯
➌ 洋風便器のフタが自動開閉し、フタが閉まった後に水が流れる
➍ 手洗いスペースはトイレとは別に設け、自動水洗・自動石鹸で冬には"お湯"が出る
➎ 手洗いスペースとは別に化粧直しをするスペースを確保しアメニティグッズを配置(女性のみ)
➏ 荷物置きの設置
➐ 暖房便座・ウォシュレット・水流音の装置を設置
➑ 洗面台にはバックライト付きの大きな鏡を設置
➒ 壁は一面のみ漆喰を採用(漆喰はイやな臭いを吸収する効果が高いうえ吸湿効果も高く、カビやダニの発生も抑える)
➓ 床材・壁紙(クロス)は消臭効果と汚れ防止の効果の高い素材を採用
⓫ 天井には暗くなると光る"畜光素材"を採用し夜空の星をイメージ
⓬ トイレの外壁は自然の木々をイメージしたデザインを採用

野球 トイレは毎日きれいにしています。多くの人が利用してくれればうれしい限りです。








2021/11/11 15:40:00|バッティングセンター
vol.25「T-Dome79の特徴➑:全面パラマウントビューの視界」の巻

野球 前回(vol.24)に関連したお話です。床から2段上がったスペースにVIP観覧席を用意しましたが、そこから見えてくる景色も、野球観戦と同じにしたいと考えました。そうしなければ、躍動している打者の臨場感が"待合いエリア"で見ている人に伝わってこないからです。

野球 球場のバックネット裏の観覧席から見た視界を、そして遮(さえぎ)るものがない視界を実現したい……。

野球 視察した中に1か所だけ目を引くバッセンがありました。"バッティングエリア"との壁をガラス張りにした、まさに"全面パラマウントビュー"で、他のバッセンでは見たこともない強烈なインパクトでした。

野球 「これだ!…」しかし、ガラスだとボールやバットが当たれば割れてしまうかもしれないと考え、最大10mm厚の強化ガラスを採用し、扉もガラス張りに、さらに柱の数をできる限り少なくし、視界を邪魔するものを排除しました。

野球 "待合いエリア"のどこからでも見ることができるバッティング風景、どこからでもわが子が見えるという安心感が当施設の"売り"です。待合いエリアから見えるパラマウントビューの世界をぜひ見に来てください。

野球 ただし、デメリットがあります。ガラス拭き掃除が大変なことです。自動ガラス掃除機が欲しいなぁ…とつくづく感じます。腰が痛いよー泣き








2021/10/29 11:59:03|バッティングセンター
vol.24「T-Dome79の特徴➐:スタジアムのVIP観客席がモデル」の巻

野球 バッティングセンターは通常、2つのエリアに分かれております。「バッティングエリア」と「待合いエリア」です。今回は後者のお話です。

野球 ファミリーやカップルなど、複数でご来店いただいた場合、1人がプレイしているとき、もう1人(あるいはそれ以上)は、それを見ながら待つことになります。その待っている人たちを「いかに快適に過ごさせるか」ここを徹底的に考えました。なぜそう思ったのか? 実は苦い思い出が引き金でした。

野球 リニューアルする前の建物は老朽化が激しく、既に40年以上経過した建物でした。強い雨には雨漏りが、冬にはすきま風が、イスはパイプ椅子やベンチシートで、穴が開いてボロボロ等々、待っている人には過酷な環境でした。あるとき、親子でご来店されたお客さまが、こどもだけ車から降りて、ご自身は車から降りてきません。こどもはひとりぼっちで黙々と打っていましたが、誰も見てくれないのでとても淋しそうでした。そこで私は声を掛けました。

私:「お母さんは見ないの?」
こども:「車のほうが居心地がいいんだって」
私:「……。」

野球 全国のバッセンを約80か所視察し、「待合いエリア」の形態を見てきました。見えてきたのは、どのバッセンも「バッティングエリア」には力を入れているが、「待合いエリア」はどこも似たような風景でした。スチール製のベンチシートや、丸テーブルにパイプ椅子のセットだったりと、長時間の使用には不向きでした。

野球 ところが、視察したバッセンの中に1か所だけとても印象に残ったバッセンがありました。それは「バッティングエリア」がよく見れるように、床から1段高くしたスペースにイスと机を配置したバッセンでした。そこに座っているお客さまは、とても居心地がよさそうに飲み物を口にしていました。

野球 「これだ! これをもっとバージョンアップしよう…」それをヒントに目指したのが「スタジアムのVIP観覧席」です。
➊前列はベンチシートで、座面に芝生調の分厚いカーペットを敷き、座り心地を良くしました。
➋後列は床から2段高くし、カウンターテーブルと座り心地の良いダイニングチェアを配置し、カフェとして飲食できるようにしました。
➌2段高くしたスペースに分厚いカーペットを敷き、靴を脱いで利用するお座敷スタイルにしました。
➍2段高くした階段部分を反対サイドにも設置し、ベンチシートとして卓球の観覧等に利用できるようにしました。
➎電源およびUSBコンセントを等間隔に配置するとともに、Free Wi-fiを設置しました。

野球 ただ打つだけのバッセン(つまりバッティングエリアの充実)では生き残れない。バッセンだからこの程度という「待合いエリア」の慣習に捕らわれない。バッセンだってきっとできる。お客さまの満足度というモノサシを持つことを……。



 








2021/10/23 15:12:00|バッティングセンター
vol.23「T-Dome79の特徴➏:その存在を打ち消す防球ネット」の巻

野球 T-Dome79の最大の特徴はテント型ドーム施設(vol.20でお話し済み)です。壁・天井はテントですので、ボールが直接当たれば当然、テントは破れてしまいます。そこでテントの内側に防球ネットを張り巡らし、テントを保護しております。

野球 その防球ネットの色ですが、よくあるのが「グリーン」で、学校のグランドや球場でもおなじみの色ですね。全国のバッセンでも最も採用されている色ですが、横浜スタジアムのように「ブルー」や、他に「ブラック」、「グレー」を採用しているところも少数ですが、あります。

野球 果たしてT-Dome79は何色の防球ネットを採用していると思いますか? ヒントは、テントの色は「ホワイト」で、鉄骨の色は「こげ茶」という点です。

野球 当施設で採用した色は全国でも珍しい「こげ茶」です。テント内の限られた空間を、障害物が無く、いかに広く感じることができるか、つまり防球ネットの存在そのものを打ち消す色は何か、という観点で徹底的に比較検証した結果、たどり着いた答えです。

野球 「大きい!大きい!入ったー、ホームラン!」気持ちよく振りぬいたボールはどこまでも遠くへ飛んでいった……、そんな爽快感を味わっていただければ、うれしい限りです。