現代的な「宇宙論」は、アインシュタインが1916年に一般相対性理論を発表し、1922年にアレクサンドル・フリードマンが一般相対性理論の帰結として宇宙の膨張を予言したことに始まっています。
宇宙は定常的で変化しないと思われていた当時、この予言は驚きを持って迎えられたと云います。
この宇宙の膨張は1929年にエドウィン・ハッブルによって発見され、広く受け入れられるようになって、 いわゆる、これが「ハッブルの法則」と呼ばれるものです。
このことが意味することは、宇宙は一点に集まったとても高温のプラズマ状態から始まったということになるということ。
これがビッグバンであって、宇宙が膨張するにつれて温度が下がっていき、現在の私たちの宇宙になったとするのが「ビッグバン宇宙論」です。
ビッグバン宇宙論ではビッグバン元素合成によって現在の私たちの身の回りにある物質のうち水素やヘリウムといった軽い元素が作られ、さらに、「宇宙の晴れ上がり」、すなわちプラズマ状態から原子核に電子が捕捉されたときの光が、電波として宇宙のいたるところから地球にやってくることが予言され、この電波が「宇宙背景放射」と呼ばれるものです。
ビッグバン宇宙論は当初受け入れられなかったようだけど、1964年にペンジアスとウィルソンによって宇宙背景放射が観測されたことで机上の空論ではなく、確かな理論として信じられるようになりました。
とは言うものの、宇宙背景放射が観測されたことによって宇宙の歴史はすべて解明された訳ではありません。 宇宙背景放射の観測それ自体に、「宇宙背景放射があまりに一様すぎて、単純に宇宙が膨張したとするには宇宙が大きすぎる」という問題が含まれていたからです。
これを解決するのが1981年に佐藤勝彦氏とアラン・グースによって提唱された「インフレーション理論」だと云われています。
これによって、宇宙が大きすぎることを説明するのと同時に、ビッグバン宇宙の始まりや現在の宇宙の構造の種も説明できるそうです。
このインフレーション理論は、1989年から96年のCOBE、2001年から現在も続くWMAPといった衛星による宇宙背景放射の観測によって、ほぼ確かめられました。
さらに、WMAPは、現在の宇宙を占めるエネルギーのうち、私たちの良く知っている物質は4%に過ぎず、残りの23%が「ダークマター」、73%が「ダークエネルギー」と呼ばれる正体不明のものであることを明らかにしました。
いまだにわかっていないインフレーションの詳細なメカニズム、ダークマターやダークエネルギーの正体解明、そして「物質反物質非対称」の起源解明などが現在の宇宙論に課せられた課題となっています。
インフレーション理論については、後日にもう一度解説したいと思います。 |