18世紀末、彗星探査を行っていたフランスの天文学者メシエは、彗星に似た姿の、紛らわしい天体をリストアップしました。
それがメシエ・カタログであって、リストの最初に登場するのが、M1かに星雲です。
名前の由来は、この天体を見たイギリスの天文学者ロス卿が「蟹の脚のように見える」と記述したことに寄ります。
かに星雲の正体は「超新星残骸」であることはご存知のことでしょう。約7200光年の彼方で、とある星が超新星爆発を起こして、それが西暦1054年に地球から確認されました。
この時の爆発の様子は中国や日本に記録が残っていて、それによれば、超新星は数週間もの間、昼間でも見ることができ、約2年間にわたって夜空に輝いていたと云います。
爆発した元の星は、太陽質量の8〜9倍の重さがあったと推測。こういう重い星は一生の終わりに大爆発を起こし、華々しく砕け散ります(超新星爆発)。
星の大部分は吹き飛び、超新星残骸を形成、だけど星の中心核は爆発とともに逆にものすごい勢いで収縮し、中性子だけでできた「中性子星」となります。
中性子星は、直径20km程度でありながら質量は太陽よりも大きいという、おそろしく高密度の星で、この星の物質は角砂糖1個程度の大きさで、約5億トンもの重さがあります。