| おはようございます。 突然ですが、皆さんに質問です。 「いさな」って、何の事かご存じですか  これを漢字で書くと 「勇魚」って、書くんだけれど、 実は、 クジラの事です。 ですから、お魚紹介ではないのでしょうが、 敢えて今日は、お魚として扱います。 日本における捕鯨の歴史は本当に古くって、 既に 縄文時代の遺跡から、 鯨類の骨などが見つかっています。 ですから、その時から捕鯨自体は始まっていた― と、考えられます。 一方、 奈良時代には、捕鯨を意味する 「いさなとり」が、枕詞で使われています。 ではクジラの事を、 どうして 「いさな」って、呼ぶのでしょうか  当然ですが奈良時代の日本で、 クジラが哺乳類だなんて、 もちろん、 誰も考えても居ませんでした。 バカデカい魚― と、云う認識です。 魚でありながら、 銛で突いても、大勢で掛かっても、 なかなか仕留められない、 勇ましい魚― が、仕留めることができれば、 人々を飢えから救い、全てを余すところなく、 利用できる 神の魚― そんな思いで、 「勇魚」と、名付けたのではないでしょうか・・・ 江戸時代になると、 「くじら組」と、呼ばれた捕鯨軍団が結成され、 各地で競い合って、クジラを獲った様です。 和歌山県の 「太地」山口県の 「仙崎」有名なクジラの街は、 今も漁と文化を継承し続けています。 その土地土地には、 必ず仕留めたクジラ達を弔うための、 クジラ塚や、 クジラ墓が設けられました。 商業捕鯨が禁止された際には、 度重なる妨害に遭った事は、 皆さんも、良くご存じの事でしょう。 現在、 日本は再び商業捕鯨が再開されています。 哺乳類であり、 稀少な海洋生物でもある クジラを漁り続ける事は、 国際的には批判を受けても然るべし― だとは思います。 一方で、我が国にとって、この 捕鯨の文化と、 「勇魚」としての、 信仰に近い関わり方、 日本の今後、とるべき態度や方向性など、 単に 「文化」と、 ひとくくりにしてしまうのではなく、 エビデンスも示して、 きちんと国際社会へ訴えるべきだと思います。 写真は2019年に訪れた、 山口県長門市仙崎にある、 クジラのモニュメントです。 |
|