文化庁委託伝統文化親子教室事業「甲斐市親子剣道教室」の令和7年度成果発表会(兼第13回教室)を12月21日(日)午前、竜王小学校体育館で開きました。
参加者は幼児、小学生、中学生の子ども30人あまり、保護者、指導者らを合わせ約50人で、地域の90代の高齢者も招きました。12回の教室でただ一人皆勤だった小学生が、体調不良のため成果発表会に参加できなかったのが何とも残念でした。例年は1月中〜下旬に成果発表会を行っていましたが、寒さのピークと感染症まん延の時期を見越して、本年度は年内に修了する計画で進めてきました。 成果発表会の次第を参加者が確認して、小6志澤さんの号令で正座をしました。準備体操の後、掌(てのひら)を握る運動、開く運動は、子どもたちだけの号令で120回ずつ行いました。この教室を通じて大きな声が出せるようになった子どももいます。 山梨県剣道連盟の審査要領にある7級審査、6級審査の内容を保護者を含め全員で披露しました。それぞれによくできていました。 日本剣道形(にほんけんどうかた)を打太刀鷹野裕之教士七段、仕太刀橘田洋輝錬士六段で演武しました。子どもたちも正座して見学しました。 4組に分かれ、打ち込み竹刀に対して面打ち、小手面打ち、小手面胴打ちを行いました。それぞれが何度か打ち込み稽古をした後、みんなが見守る中、一人ずつこの三本を披露し、大きな拍手をもらいました。 この後は発表会の真ん中ほどで、初めてお楽しみリレーゲームを取り入れました。木刀を使ったバレーボールの送り足打ちドリブルリレーです。剣道の手の内や正しい打ち方ができないと、ボールが思った方向に進みません。比較的、剣道経験のある子どもが時間がかかってあまり前に進めない一方で、この教室だけで剣道を習っている小学校低学年がほぼノーミスで円滑に往復できるなど、それぞれの特徴が見えてなかなか盛り上がった展開となりました。1回の練習後、予選と決勝を行った結果、優勝、準優勝は変わらず、3位、4位で逆転がありました。 この後は新聞紙斬り。竹刀を使って、一人2枚ずつ新聞紙を切りました。だいぶコツがつかめてきて、あまり力を入れずに切れる子どもが増えました。竹刀の振りに冴えが出てきます。 面着け後は切り返し、面打ち、小手面打ち、小手面胴打ちを稽古しました。 試合に入り、親子対戦3組を含む14試合を行い、とても白熱した試合の連続となり、紅組が5(8)−4(5)で白組に勝利しました。 保護者同士の試合では互いに足を止めず強い攻め合いの見応えのある試合がありました。また中学1年生同士の試合では、この4月から剣道を始めたばかりの生徒が一本取られた後、驚くような見事な面で一本返して引き分けに持ち込みました。この日の全試合の中で最上の一本だったかもしれません。また、中学2年生と一般の試合も約30歳の年齢差を感じさせない合気の素晴らしい試合でした。
閉講式では全員に修了証と、鷹野からノートを一冊ずつ半年間の頑張りのご褒美として贈りました。例年より回数が少ない本年度の教室でしたが、幼児から高校生までの子どもは45人が参加し、中には数回しか参加できなかった子どももいましたが、全体の出席率はとても高まり、例年以上に充実した教室になったと感じています。 中には静岡から甲府に里帰りして、この教室に参加してくれた幼児もいらっしゃいました。いつか静岡で剣道を始めてくれたらうれしいです。
本年度の伝統文化親子教室は成果発表会をもって修了しましたが、来年度も行う予定で申請をしています。甲斐市やその周辺だけに限らず、より一層の幅広い参加を期待しています。