せっかく購入してた3F末席2,000円のチケットが、当日の昼ギリギリまで無駄になる確率80%やった今日、分刻みで現場を掛け持ちしながら、それでもなんとか松本行の電車に飛び乗ることができました。
目的地は、まつもと市民芸術館。 中村屋が、最後に舞台を踏んだこの劇場で、あとにも先にも一回こっきりの追悼公演が行われたのです。 生前交流のあった立川談春師が企画し、どちらか一人でも来てくれたらと、立川志の輔師匠と、 さだまさしさんに声をかけたらふたりとも来ちゃった!といぅ、なんとも贅沢な顔ぶれの会となりました。
オープニングはVTR。 復帰公演をこのホールで催した時、壁一面にびっしりと埋め尽くされた寄せ書きに、おもわず号泣した中村屋。
ひとしきりVTRが紹介されると、会は、談春師から始まりました。 噺の長い志の輔師匠と、コンサートの長いさだまさしさんで、「皆さん、終電はあきらめてください。そのかわり、近場のホテルの門限には間に合わせますからっ!」って、17時からの会で、 まさかあとで、ほんまに焦るとは思わなんだ(爆)。
ネタは『宮戸川』。 マクラからちょっとおとなしめかな?っと思ってたら、なんと半ばで噺を終えた!?
じつは、とんでもないサプライズゲストが居ったんですねっ! 談春師が高座を降りた後、まさかの「笑福亭鶴瓶」師匠登場!! 「いいとも!」が終わった後、速攻であずさに飛び乗ってこられたとか。 勘三郎さんとは三十年来の友人で、この面々の中ではいちばん濃いぃ繋がりの師匠。 さんざんトークで会場を湧かせるだけ湧かして、さらにたっぷり『青木先生』かけてくださいました、メェェェ〜〜〜ッ。
その後、演出家兼俳優で、当館の館長もつとめておられる串田和美さんを交えて、座談会。 勘三郎さんの様々なエピソードで盛り上がった後、一回目のお仲入り。 ここまでで一時間半経過。
くいつきは、さらにトークから。 談春師とさださんのトークに、帰り支度を済ませた鶴瓶師匠が引っ張り出されて、リュック背負ったまま登場。 明日は早朝から『家族に乾杯!』のロケがあるそうで、最終のあずさで東京に戻らないかんのに、ぎりぎりまでなんとサービス精神の旺盛な、喋る喋るっ。 あげくに勘三郎さんの、マル秘『う〇こ』事件まで暴露して、 「言われたなかったら、先に死ぬなっ!」 鶴瓶師ならではの、たむけの言葉を残して、駆け出していかれました。
あとに残されたさださんの、鶴瓶いじりトークが続いた後、いよいよコンサート。
大好きな「落語」と、大好きな「さだまさし」を、いっぺんに堪能できるこの幸せ・・・
『家族に乾杯のテーマ?ソング』 『道化師のソネット』 来春公開される自身の原作による映画のテーマソングで、なんとこの日が初演となる、『残春』 そして、『精霊流し』。 「いまさら5分、10分縮めたからって、どうしよぉもないでしょっ!」 もぉたっぷり、さだまさしの世界に、浸らせていただきました。
そして、二回目のお仲入り。 「ここで、20分の休憩をとります」 アナウンスに時計を見たら、19時50分!
ここでなんと、先日、南三陸でもご一緒させていただいた、狐々亭さえの助さんが、同じ会場に いらっしゃることが判明!! しかも、廉価版のワタシと違って、めっちゃプラチナ席っ! 某所で仰ってたご旅行って、このことやったんですねっ!!
そしていよいよ、立川志の輔師匠登場。
「もぉ最初っから袖で楽しませていただいて、今の気分はお客さまと一緒です。もう、さださんで終わりでえぇやんっ!」
そんな言葉とうらはらに、『中村仲蔵』たっぷり一時間20分。 ほんとうに、時のたつのを忘れました。激、感動。 えっ?一時間20分て、こんなに短かったっけ!?
エンディング。 談春師、さださん、志の輔師匠。 大きな大きな中村屋の、笑顔の写真を背景に、 最後は、三本締めで、幕が下りました。
なんと贅沢な四時間半やったことでしょう・・・。
小淵沢行きの最終電車の時間がぎりぎりで、終演後、駅までダッシュしたために、せっかく同じ会場にいらっしゃったさえの助さんとも、感動を分かち合うことができず、それはめっちゃ残念でしたが、これだけの会を堪能することができて、それ以上はもう、望むときっとバチが当たると思うくらい、素晴らしい会に巡りあうことができました。
俗世では、まだまだ“死のロード”の真っただ中。 ほんのひととき、心に栄養を補てんすることができた夜でした。 ありがとう・・・
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