歴史・文化的な背景や甲府(山梨)らしさを感じる好ましい景観要素として、武田信玄公像が圧倒的な共感を得ており、甲府(山梨)を象徴する英雄であります。
武田信玄公の魅力は、国内外にも知れ渡っており、その魅力は絶えずその時代のアーティスト、芸術家たちを刺激続け、そして、新たな物語が生まれ増殖され続けています。 過去にも無量の物語が生み出されました。それは、謡曲、演劇、流行歌、詩画、映画なと幅広く表現され、人々の感動と憧憬の母胎となり続け、近年では、世界の黒沢明監督による「影武者」が、1980年カンヌ国際映画祭でグランプリ賞を受賞しました。壮大な戦国絵巻の中に描かれる人間の美しさ哀しさは、世界の人々に共感と感動をもたらしています。
この映画で描かれているのが信玄公という巨大な人物に従う家臣の肉親以上の敬愛をもって支えた家臣たちである。武田の軍旗「風林火山」のとおり、「風よ」「林よ」「火よ」「山よ」と互いに呼び合う最後の決戦に挑むラストシーンは、映画の演出と知りつつも深い感動を呼ぶ。この家臣たちがあってのその戦国一の武田軍団であったのた。
いまの時代は、家族や地域の絆が段々と希薄になり危機的な状況にあるのは誰しも感じるところだが、これを東日本大震災により改めて思い起こさせた。今こそ家族の地域の「絆」の再生が求められている。 群像のタイトルは「伝・信玄公陣二十四将の像」と付した。
この二十四将の銅像は、伝聞・伝説にも基づいた創作であるが、誰しも共感し納得できる物語性えお表現している。 信玄公を中心に座して論じ、また警護する家臣たちの有様は、時空を超えて成立するシーンであり、既に山梨の民謡として県民に愛称されている「武田節」の歌詞の描き出す世界をも彷彿するものである。
これは強い信頼と愛情で生み出される高い倫理観をも含む情景なのです。「武田の一糸乱れず」は、現代に失われておる地域の一体感につながる。一時的なそれとは異なり、過去・現在・未来を一貫するものであり、これこそが他所にない、そして、決して朽らずに陳腐化しない「山梨のアイデンティティ」に他ならないのである。>