くじらの首の付け根に位置するオミクロン星は別名「ミラ」と呼ばれます。
この星は天文学者ファブリチウスによって見出された変光星で、ミラは「不思議なもの」を意味してるとか。
この星の最初の記録は、ギリシャの天文学者ヒッパルコスによって、紀元前134年に記されたもの。
1603年にはバイエルが4等級の星オミクロン星として星表ウラノメトリアに記録。だけど、変光星であることに初めて気づいたのは、アマチュア天文家のファブリチウスで、これは1609年のことです。
1662年、天文学者ヘベリウスはこの星を詳しく観測して、その記録を「不思議な星の小史」と題して発表。以後、この星は「不思議なもの=ミラ」と呼ばれるようになりました。
ミラは約330日の周期で膨らんだり縮んだりしながら明るさを変える「脈動変光星」。
現在の太陽のような星は中心部で安定してエネルギーが生み出され、星が膨張しようとする力と、星自身の重みでつぶれようとする力が釣り合っているというもの。
だけど、脈動変光星は年老いた星で、熱の発生・伝搬が不安定となって星が膨張・収縮を起こしているらしい。 ミラの質量は太陽の1.2倍。数十億年前までは私たちの太陽と同じように輝いていたようです。
だけど、今や中心部で水素をすべて燃焼し尽くして、水素から生成されたヘリウムによる核融合が起こっているうえ、その外側の水素の層でも核融合が始まっていると云います。
内部の温度は2000万度から2億度へと上昇し、星は大きく膨らんで、太陽の直径の700倍にもなっています。
こういった巨大に膨らんで表面温度の低い星を「赤色巨星」と呼び、最近、ミラは透明な水、一酸化炭素やその他の分子ガスからなる層に覆われていて、実際の半径はこれまで考えられてきた大きさの半分程度とする説も浮上しています。
可視光によるこれまでの観測で見えていたのは、分子ガスの表面だけらしい。
こんな不思議な星ミラは恒星風として周囲にガスと物質を吹き出していて、その量は10年間で地球1個分の重さになると云います。 |