昔、農家の親子が畑仕事に精を出していると、星占いと人相見の達人が通りがかって呟いたそうな。
「不憫(ふびん)だが、この子は20歳までは生きられまい…。」驚いた親が、どうにかして子どもの命を延ばすことが出来ないかとその達人にすがりつくと、「子どもに上等の酒と乾し肉を持たせて、麦畑のはしにある桑の木のところに行くがよい。2人の仙人が碁を打っているから、酒と肉をすすめるのじゃ」と教えられました。
子どもが言われた通りに出かけてみると、はたして2人の仙人が碁を打っているではありませんか。
そこでただ黙って酒と乾し肉をすすめてみました。…一局打ち終わって勝ったのは南側の赤ら顔の仙人。 ここでようやく子どもに気付いた北側の青白い顔の仙人は、「なぜここにいるのじゃ!」と怒って声を荒らげたんだけど、南側の仙人が、「まあまあ、子どものことじゃし、それにご馳走にもなったことだし…」となだめながら、寿命帳をパラパラとめくり、「これでお礼としよう」と、「十九歳」と書いてあったのをひっくり返して「九十歳」としてくれました。
子どもが、帰ってから人相見の達人にそのことを報告すると、「北側が北斗の仙人で死を司り、南側が南斗の仙人で生を司っているのじゃ」と言い、お礼も受けずに立ち去って行ったそうです。
さてさて、いて座の南斗六星のさらに南に低く、くるりと小さな半円形を描いているのが、みなみのかんむり座。
北の空のかんむり座に対し、こちらの方は草花で作った輪をイメージして"南のリース"と呼ばれていたこともあったといいます。 |