恒星を作っている物質はほとんどが水素ですが、この水素が四個集まって一個のヘリウムになるプロセスを”核融合”と云います。 この時に物質がわずかに失われてエネルギーに転化し、このエネルギーが星の輝きの元になっています。
核融合によって星の中心部には燃えかすのヘリウムが溜り、芯が出来ます。やがて芯が大きくなると中心部が温められて温度が上がる…。そうなると星は、とてつもなく膨張し超巨星となって、ひときわ明るく輝き老年期から終末期に進むことになります。
太陽の10倍以上というような巨大な星が死滅する前にはとても眩しく輝く時があって、この事情を知らない昔の人々はこの輝きを星の誕生と思い、死滅する星のことを「超新星」と呼ぶようになりました。
さて、星は膨大の物質が集まって出来ているので、その分巨大な重力でどんどん縮もうとしますが核融合による内部の圧力のためにある程度の大きさを保っています。
だから一生が終わって核融合反応が止まってしまうと後には重力だけが残されてどんどん縮んでいくことになるのです。
死滅する星がある程度以上の大きさであった場合、その星の重力は非常に大きなものになって残された物質はギューギュー詰めとなり電子、陽子などの素粒子に分解されてしまい、ついには中性子だけの星になってしまう。この中性子だけで出来ている星を中性子星と呼びます。この中性子星の重さは角砂糖一個分で、なんと数十億トンにもなるくらい重くなります。
中性子星より多くの物質を含む星では、その重力を中性子では支え切れず、さらに縮んで行きます。どんどん縮んで点までいってしまうと、アインシュタイン理論によってその周りに光さえ脱出出来ないバリアーが出来ることが分かっていて、これがブラックホールと云われるものです。
ブラックホールは空間にあいた穴。そこにバリアーを越えて入ってしまうと二度と出てくることは出来ない・・・光さえ出て来られないと云います。宇宙の情報は光や電波によって伝えられるのですから、光が出て来られないと云うことは、そこからは何の情報もやって来ないと云うこと。ブラックホールの内部は情報を遮断された世界ですから、私たちの世界とは異なる別世界がそこにあるのかも知れません。