NGC2359は30光年ほどの大きさを持つ星雲で、その形状から「アヒル星雲」と呼ばれる星雲です。
星雲の中心には11等級の青色星HD56925が輝き、この星が星雲を形成した元の星。
これは「ウォルフ・ライエ星」と呼ばれる種類の星で、とても高音で巨大な星だと云います。
ここから強い恒星風(高音ガス)が噴き出し、これまでに太陽20個分の物質を放出したと考えられています。
この種の星は1867年にフランスのシャルル・ウォルフとジョルジュ・ライエによって発見され、太陽のような星は中心部で水素が核融合反応を起こして輝いていて、やがて水素が尽きるとヘリウムが核融合反応を起こすと云われます。
そうなると、中心核は以前より高温となって、星は膨張、熱源から遠くなった星の表面は温度が下がり赤色巨星となります。
ところが、質量が太陽の40倍を越える重い星は赤色巨星へ移行する段階で外層部の水素を吹き飛ばし、核融合を起こしているヘリウムの中心核がむき出しとなると云います。
これがウォルフ・ライエ星で、太陽の10万〜100万倍の明るさで輝きだすようですが、この状態は1〜10万年しか続かないとも云われ、近い将来、超新星爆発を起こす運命にあるようです。
また、私たちの太陽が450km/sの速度で毎秒100万トンのガスを周囲に放出しているのに対して、ウォルフ・ライエ星では太陽と比べて10億倍もの量のガスを2000km/sの速度で放出していることが分かっています。 |