少々の不安はあったものの、それをすべて消し去るほどの大きな期待を背負い我がエース候補フェンネルが中京競馬場にて出走しましたが、不安のほうが的中となる惜しい2着敗戦となりました。
そして、最初から最後までなかなか出来ない貴重な体験をさせてもらいました。
戦前の師のコメントからも、6ヶ月半ぶりとなる長期休養明けでも勝利が十分期待できるとあり、クラブに口取りの有無を再度確認し「新馬デビューの週ですので実施します!」との返事から私も正装にて中京競馬場へ赴きました。
この中京競馬場へ足を運ぶのは昨春の高松宮記念以来2回目となり、カナロア同様今回もきっと勝利を味わえるだろうと足取り軽やかに向かいました。
パドックで初めて会うフェンネルを待ちわびていると、9番の後ろにいるはずの10番フェンネルの姿が見えず。
これはテンションが高く最後に出てくるかな?。そう思いながら最後の18番が入ってきたものの後ろにいるはずのフェンネルがいない???
あれ?どこかで知らぬ間に入ってきたかな?と全馬確認するもののフェンネルの姿はなし。
まさか!出走取り消し・・・
掲示板には「出走取消」の文字はなく混乱する中、数メートル先にクラブの社員Sさんを発見!
私「出てこないですけど大丈夫ですよね?」
Sさん「かなりテンションが高いようですが出てきます・・・よ」
圧倒的1番人気の馬が姿を現さぬまま他馬の周回は3〜4周したでしょうか。
不安がピークに迫る頃、ようやくフェンネルが姿を現し初対面が叶いました。
レース後のレクチャーでは、装鞍所でテンションが上がり鞍を付けさせてくれず、診療所に向かい5人掛かりでようやく鞍を付けたとのこと。そりゃあれだけ入場も遅れるわけです。
入場1週目ですでに発汗が多く、一勝負済ませてきた感じでしたが、引いている人のほうは「何とか間に合った。危なかった」的苦笑いを浮かべていました。
しかし、周回を重ねるごとに発汗は酷くなりテンションは上がるばかり・・・
今日は負けるかも・・・
不安ばかりを背負って口取りの点呼へと向かいました。
これだけ人気での出走なら結構来ているだろうな?そう考えつつ集合場所に向かうと・・・2人でした・・・もうお一方はツアー懇親会で同席だった大先輩の方で「フェンネルの時は必ず行く!」と仰っていたので3人はいると思っていたのに・・・
「では後ほどここで」と御挨拶しレースを迎えました。
もっさりとしたスタートも好位の内に付けまずまずのレース運び。なんとか進路さえ開けば力が違うはず!カメラで追いながら直線を迎えグイっと馬場の真ん中を伸びてきました!
直線半ばから18番の馬と馬体をピッタリ併せたままゴール!
直後のスローではフェンネルがちょっと出ているように見えましたし、かなりの接戦ですのでひとまず口取りへ!
「微妙ですがひとまず行きましょう!」と初めて手にする通行証を手に関係者入り口から検量室へと降りていきました。たどり着くまでの通路では「出てるよね」と二人で確認し「馬の隣に立っていいよ!」とうれしいお言葉も戴きました。
が、検量室にいたTVカメラマンの方が社員Sさんに首を振りながら
「祐一が負けたって言ってたよ」
と厳しい宣告を・・・1着馬のところにも18番の馬が残っていてフェンネルの姿はなし。1分少々待ったところでカメラマンから小声で「2着」との聞きたくない言葉が・・・
即刻まわれ右で来た通路を引き返し、非関係者へと引き戻されてしまいました・・・
本当にわずかな差で、水泳のゴール版にタッチするタイミングが合わなかった感じの敗戦には「せめて同着だったら・・・」と通常の数倍ショックを受けました。
レクチャーでは次回から厩舎装鞍にすることと、精神的なものがまだまだ課題だが能力はあるとのことで、心配される脚元さえ落ち着いていれば今度こそ検量室の先へと導いてくれるでしょう。
今回もイレ込みがキツく大敗すらありえる状況の中、最後まで良く頑張ってくれました!とにかく、無事に次のレースを迎えられるよう願っています。次は落ち着いて走っておくれよフェンネル!まだまだ今秋の淀の大舞台はあきらめていないぞ!
応援してくださった皆様ありがとうございました。