とうとう迎えたカナロアの引退レースである香港スプリント
結果は我が眼前で衝撃的な圧勝で有終の美を飾ることが出来ました!
連覇はもちろん、香港スプリントでこの着差の圧勝は快挙というほかありません。
とはいえ、日本では地上波での中継もなくおまけに本日新聞休刊日とあれば認知度は低いというもの。
でも、いいんです。
初めて海を渡った香港の地では、カナロアの素晴らしさを世界で理解してくれていたことを実感してきました。
香港でのツアーガイドと送迎バスで2人っきりになった15分ほどですが、競馬好きであるガイドの方とカナロアについて話が出来ました。私がカナロアの応援に来たことは、英字表記で刺繍されているカナロアキャップをかぶっているにもかかわらず気付かなかったらしく、明日はどの日本馬の応援ですか?と尋ねてきました。すかさず何度も見ている昨年の動画で覚えた広東語での龍王の読み方「ロンウォン」と言った途端、「おお!ロンウォン!物凄い強い馬で明日は一番人気ですよ!」と返してきました。聞けば香港でも龍王は人気で、ファンもいるとのこと。その位昨年の勝ち方が衝撃的だったということでしょう。でもガイドさん的ナンバー1はグッドババとのこと。
気をよくし、ホテルで同志トールさんと合流し沙田の街の屋台へ
気持ちよくローカルフードと現地のビールで前祝いをし当日を迎えました。
香港・シャティン競馬場ではゲストバッジというエリアでの観戦となりますが、一般エリアにも自由に行き来できるのでフラリフラリと2人であちこち散策。もちろん格好はいつもの勝負服ファッションで。
先ずはビール!と一般席の外で売られているビールを買うと、泡を一切作らずカップにフタをして安藤美姫似の店員さんがニッコリ笑ってストローを手渡してくれました!「???」なんだこれ?あたりを見渡すと普通にストローを差してビールを飲んでいるので我々もトライ!おお!意外といけるぞ!ちなみにゲストエリアでは日本と同じ生ビールでした。
チュウチュウとストローでビールを吸いながら一般エリア場内に入ると、日本と雰囲気が変わらぬことにビックリ。
ゲストバッジエリアでは紳士淑女が煌びやかにオシャレして競馬を楽しんでいるものの、やはり人生の先輩方が圧倒的に多く、こちらは日本の競馬場となんら変わりがありません。あるとすれば久しぶりに見た便器のない壁に向け噴射方式の男子トイレと、コース近くの屋外にまであるデスク付のイスが並んでいることくらい。フードコートでカツカレーを探すもカツはのっておらずビーフカレーを堪能しているうちに早くも国際競走開会式がパドックで始まりました。
華やかな開会式を見て慣れぬマークシート塗りこんで馬券を買ってみたりしているうちにあっという間にカナロアとの再会の時間がやってきました。
私見ですが、入場当初から覇気があり気合が漲っているというかやる気を感じさせ、最近のおっとり感はまったく感じませんでした。
これなら・・・期待も膨らみいよいよ最後のレースを心に焼き付けるときがきました。
我々が想像している以上に強く、他を圧倒する走りで駆け抜け見事に連覇を達成。ゴール直後から嬉しさと、もうこれで最後なんだという思いで涙があふれ止まりませんでした。ほんと40過ぎると涙腺がゆるくなるものです・・・
しかし、このような思いは一番近くでカナロアを見ていた岩本助手ならなおさらなのでしょうか。
涙を拭き、同行したトールさんとレース後いつもどおり祝杯をあげようとゲストエリアのビールを求める列に並んでいると、私の勝負服&出資会員限定高松宮記念優勝キャップを見て、見知らぬ同志たちが喜びを分かち合いに来てくれました。
更には、直後に並んでいた白人紳士がキャップのロゴに気付き「Oh! lord kanaloa!」と握手を求めてきて私も適当な英語で「he is good horse」と答えると、「excellent horse!!!」と賛辞でのお返しを頂きました。おまけに我がキャップを500ドルで売ってくれと・・・・・紳士には申し訳ないですが「絶対」に売りません!でも、香港ドルじゃなく米ドルだったのかな?・・・でも譲りません!
そんな私を開国に導き、日本では認知度が低いかもしれませんが、世界の競馬ファンを魅了したエクセレントホースカナロアもこれが最後の走り、最後の表彰式となりました。
これからは「種牡馬」という新たなカナロアの仕事が待っています。
まずは年明けに「引退式」が京都であるので、世界中にファンを持つカナロアに御礼を伝えに再会に行こうと思います。
もちろん、その先だってスタリオンで会えることがあるかもしれない。
まだまだ続きがあるのです。
また会いに行くよカナロア。今度は優しい顔で迎えてくれよ。ひとまずはお疲れ様でした。
応援してくださった世界中の皆様、安田先生以下厩舎スタッフの方々、クラブ・牧場関係者の方々、岩田騎手他カナロアに関わるすべてのみなさま本当にありがとうございました。
なによりロードカナロア優勝おめでとう、そしてありがとう!
いつの日か君の子供でまたここに来よう!香港のいや世界のファンもきっと待っているぞ!