絵画のことなら全国からコレクター様が足を運んでくださる画廊アートギャルリー日本ぶっくあーとへ。
世界の巨匠と日本画の原画・版画を販売しています。
油彩・水彩・パステル・エッチング・リトグラフ・日本画など豊富なコレクション。
47都道府県の一流ホテル、百貨店での販売実績が信頼の証です!

WEBショップはこちら→ https://nihonbookart.com/
 
2014/06/07 14:51:00|美術館・展覧会のはなし
ミレーの思い出 (1)



こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目のmayumiです。

前回は、7月から始まる山梨県立美術館の「ミレー展」のお話をしました。
今回は、ミレーに関する私の昔ばなしです。



その画家の名を初めて聞いたのは1970年代後半、私は幼稚園児でした。
78年に山梨県立美術館がオープン。
あの頃、大人たちの話には「みれー たねまくひと」という言葉がひんぱんに出ていました。

「みれーは、ゆうめいな、えかきさん」
「たねまくひとは、そのひとが、かいたの。これだよ。」
家族に教わって以降、ぼうしを目深にかぶって足をクロスさせ、右手でシャーっと種まきするふりをして「みれ―」と言ってみたり、家庭菜園でトウモロコシの種を豪快にまきちらして「たねまくひとごっこ」をしたり。
まだ原画を見る前でしたが、私のような小さな県民にも身近な存在となりました。


小学校1年生のときには、『種をまく人』にインスピレーションを受けた絵を描いたこともあります。先生が読み聞かせる『こぶとりじいさん』のストーリーをもとに、好きな場面を「おえかき」する授業でした。

当時7歳。
チラシ裏や自由帳への制作は思う存分にやっていたものの、「何も見ないで、おはなしの場面を想像して描く」のは難題。とりあえず私は、となりに座る友人「うーさん」と意見をかわし、おじいさんが陽気に踊るシーンを選びました。

しかし、ここで問題が...。
人物画が苦手だったのです。
顔の絵なら「母の日」「父の日」で何度か経験していました。
とはいえ、ここで『こぶとりじいさん』の肖像画は求められていない。

指導者がいないまま、フリースタイルで積み上げた約5年のキャリアでは、躍動感ゼロの、棒立ちした女の子たちを小さく描いてきただけ。
「おどる、じいさん」は未知の領域です。

激しく頭を悩ませた結果、『たねまくひと』を思い出しました。
もちろん『種まく人』は、踊ってるわけでも、じいさんでもありません。
でも、「動きのある男の人」というポイントだけで十分。
画用紙は横に使いましたが、画面いっぱいに主役を配置。
手足に大胆な動きをつけて、踊っている様子も表現。
それまでの、ちまちまとした画風からの脱却です。
まさか「たねまくひとごっご」が、こんな形で実を結ぶとは!
後から知りましたが、この授業は「校内図画大会」。
そしてなんと、40人クラスの中、2名に与えられる金賞を受賞したのです。
ミレー、万歳。



さて、そんな私が山梨県立美術館で初めて本物を目にしたのは8歳のときのこと。
人生初の「名画の原画」。

最初に対面した『種をまく人』は衝撃的でした。
本と全然違う、暗い、暗い、暗い!
そしてもうひとつ、『夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い』。
こちらは少し好印象で、「羊と犬が可愛い」。
でも、「羊飼いがコワイ」。
残念ながら、8歳の時点ではミレーの良さは分かりませんでした。


父(弊社スチャラカ社長)の仕事柄、家には多くの画集がありました。
それらを「絵本」だと勘違いして、もの心ついたころから見ていた私。
年の割には美術に親しんでいたはずでした。
しかし、こどもが好きなのは、明るい色・楽しい雰囲気・かわいい絵。
「すごい」と評価するのは「写真みたい」に描かれた作品。
小学校低学年で、ミレーを理解するのはむずかしいです。


『こぶとりじいさん』の絵で世話になった恩も忘れ、私の興味は別の作品へ。
それは美術館の玄関にあるヘンリー・ムーアの彫刻。
上野の西郷さん(西郷隆盛像)ぐらいしか間近で見たことのなかった私は、初めての「抽象彫刻」に強くひかれ、「これが学校にあったら良かったのに。ドラえもんがいたら頼めるのに。」と叶わぬ夢を描きました。
『四つに分かれた横たわる人体』という邦題の響きも気に入って、後日しばらくのあいだ、白黒資料をコッソリと眺めては、「よっつに、わかれた、よこたわる、じんたい。よっつに、わかれた、よこたわる、じんたい。」とブツブツ言って、タイトルのリズム感にウットリするという異様ぶり。

結局、ミレーへの意識が変わり始めたのは約10年後、高校2年生のときです。
山梨県立美術館のミレー作品、4回目の鑑賞。
フランスの画家アンドレ・バルリエ先生とご一緒したときでした。



この続きはまた次回に。



アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目 
mayumi

2014.06.07.

 

 

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〜世界の巨匠と日本画の原画・版画〜
アートギャルリー日本ぶっくあーと

WEBショップもよろしくおねがいします。
http://nihonbookart.com/

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【 生誕200年 ミレー展 −愛しきものたちへのまなざし− 】

山梨県立美術館: 住所: 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1丁目4−27
 電話:055-228-3322

会 期: 2014年7月19日(土)〜8月31日(日)

開館時間:午前9:00〜午後5:00(入館は午後4:30まで)

休館日: 7月22日、28日、8月4日、25日

観覧料: 一般1,000円 大学生500円
      20名以上の団体、 一般840円 大学生420円
     山梨県内ホテル・旅館宿泊者割引料金 一般840円 大学生420円

 ※以下の方は無料です
 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒
  山梨県内在住65歳以上(健康保険証等持参、県外の65歳以上の方は常設展のみ無料)
  障害者手帳をご持参の方はご本人と付き添いの方1名

前売券: 一 般 840円、大学生 420円
 
前売り券の取り扱い
 ・山日YBS本社受付(甲府市北口2丁目)
 ・山日YBS富士吉田総支社(富士吉田市下吉田)
 ・山梨県立美術館

 ・ローソンチケットLoppi(Lコード:34223)
 ・セブン-イレブン チケット(セブンコード:030−526)
 

 


■記念講演会

◇7月19日(土)午後2時〜、総合実習室、聴講無料

講師
井出洋一郎さん(府中市美術館館長)、ルイーズ・ル・ギャルさん(トマ=アンリ美術館館長)

ミレーを取り巻く環境や風土とのかかわりについての講演とトークセッション

 

◇8月2日(土)午後2時〜、総合実習室、聴講無料

講師
馬渕明子さん(国立西洋美術館館長)

社会的な背景を踏まえた、絵画における農民像や家族像の需要についての講演

 


■キッズプログラム
 
◇7月30日(土) @10:00〜12:00 小学生対象 A13:30〜15:30  中学生対象

講師 西岡優子さん(アナンダ)

展示作品の説明と羊毛を使った実技
 
定 員 各回30名程度

申し込み期間 7月8日〜7月29日

 

 

 








2014/05/25 11:40:00|美術館・展覧会のはなし
ミレー展 (山梨県立美術館)


こんにちは。
スチャラカ社長にブログ記事を書くようお願いしたらトンズラされました。
というわけで、本日の担当もアートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目のmayumiです。
 

4日前に名古屋へ行きました。ただいま名古屋ボストン美術館では 「開館15周年記念
ボストン美術館 ミレー展バルビゾン村とフォンテーヌブローの森から」開催中。
(8/31まで。10/17〜東京・三菱一号館美術館へ巡回)

「種をまく人」などジャン=フランソワ・ミレーの代表作を中心に、19世紀フランス絵画史に大きな足跡を残した20作家による64作品が展示されています。
 

今日はその「ボストン美術館...」の、ではなく別の「ミレー展」の話。
もうひとつの「種をまく人」を所蔵する山梨県立美術館で開催される特別展
『生誕200年 ミレー展 −愛しきものたちへのまなざし−』(7/19〜8/31)のお話です。
 

名古屋からムリヤリ話をつなげた感がありますが、それは私が山梨に住んでいるからというわけではなく、お世話になっている山梨県立美術館さんをエコひいきしているからです。


さてさて、県内ではテレビ、新聞、ポスター等で、ひんぱんに告知を見かけるようになりました。
宣伝に使われているのは『子どもたちに食事を与える女(ついばみ)』(La Becquée, 1860年作 キャンバスに油彩)。
上の写真の作品です。所蔵するフランス・リール美術館で今年2月に私が撮影しました。
これが山梨に来るなんて! 感涙にむせびますよ。

横並びに座る3人のこどもたち、母親と思われる女性がボウルを抱え、真ん中の子に柄の長いスプーンで「はい、あ〜ん」と粥らしきものを食べさせています。
タイトルを知らずとも、親ドリがヒナに餌をあたえる「ついばみ」を連想できますよね。
母の慈愛はもちろんですが、こどもたちが身に着けている素朴な帽子も防寒着も靴も、「こっこっこっ」と聞こえてきそうなニワトリたちも、画面奥の隠れキャラ的な父親とおぼしき人物も、この作品の温かさを生み出す要素でしょうね。
『絵は良く分からない』『ミレーには興味ない』という人々すらもトリコにしてしまうような、恐るべき魔性の癒し系? 完全無欠の素朴感?
ずっと見ていたいと思わせる穏やかな絵です。


この作品は2011年にも来日していて、巡回展『印象派の誕生 ミレー、モネ、ルノワール、ゴッホ』(6/5〜7/18 愛媛県立美術館 、7/28〜9/11 沖縄県立博物館・美術館、9/23〜11/6 熊本県立美術館)で展示されました。
実物をご覧になられた方はご周知のことですが、「種をまく人」よりもずっと小さいです。

 

 

 

広告で大きく扱われていると実物も大きいと勘違いしてしまう可能性が高いのでお知らせしておきましょう、
資料によると、画面サイズ(額を含まない)が山梨の「種をまく人」99.7×80cm(40号)、「ついばみ」74.×60p(20号)ですから「ポーリーヌ・V・オノの肖像」73×63pに近いサイズですね。
 

『生誕200年 ミレー展 −愛しきものたちへのまなざし−』では国内外のミレー作品約80点が紹介されます。素晴らしい!
関連イベントとして7/19、8/2は記念講演会が開催されるとのこと。
そして7/30はキッズ・プログラムもあるようです(要申込)。
展示作品の説明と羊毛を使った実技だそうですが、とっても楽しそう。夏休みの自由研究になるかもしれませんね。

私が初めてミレーの原画を見たのも小学校低学年の時。
今から30年ほど前、もちろん山梨県立美術館の「種をまく人」と「夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い」でした。
その時の印象は...と、私の話はどっちでもいいのですが、『生誕200年 ミレー展 −愛しきものたちへのまなざし−』開催まで時間がありますから、ミレー関連のネタで強引につなげます。

この続きはまた次回に。



アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目 
mayumi

2014.05.25.

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【 生誕200年 ミレー展 −愛しきものたちへのまなざし− 】

山梨県立美術館: 住所: 〒400-0065 山梨県甲府市貢川1丁目4−27
 電話:055-228-3322

会 期: 2014年7月19日(土)〜8月31日(日)

開館時間:午前9:00〜午後5:00(入館は午後4:30まで)

休館日: 7月22日、28日、8月4日、25日

観覧料: 一般1,000円 大学生500円
      20名以上の団体、 一般840円 大学生420円
     山梨県内ホテル・旅館宿泊者割引料金 一般840円 大学生420円

 ※以下の方は無料です
 小学校、中学校、高等学校、特別支援学校の児童・生徒
  山梨県内在住65歳以上(健康保険証等持参、県外の65歳以上の方は常設展のみ無料)
  障害者手帳をご持参の方はご本人と付き添いの方1名

前売券: 一 般 840円、大学生 420円
 
前売り券の取り扱い
 ・山日YBS本社受付(甲府市北口2丁目)
 ・山日YBS富士吉田総支社(富士吉田市下吉田)
 ・山梨県立美術館

 ・ローソンチケットLoppi(Lコード:34223)
 ・セブン-イレブン チケット(セブンコード:030−526)
 

 


■記念講演会

◇7月19日(土)午後2時〜、総合実習室、聴講無料

講師
井出洋一郎さん(府中市美術館館長)、ルイーズ・ル・ギャルさん(トマ=アンリ美術館館長)

ミレーを取り巻く環境や風土とのかかわりについての講演とトークセッション

 

◇8月2日(土)午後2時〜、総合実習室、聴講無料

講師
馬渕明子さん(国立西洋美術館館長)

社会的な背景を踏まえた、絵画における農民像や家族像の需要についての講演

 


■キッズプログラム
 
◇7月30日(土) @10:00〜12:00 小学生対象 A13:30〜15:30  中学生対象

講師 西岡優子さん(アナンダ)

展示作品の説明と羊毛を使った実技
 
定 員 各回30名程度

申し込み期間 7月8日〜7月29日

 

 

 

 

 








2014/05/14 16:49:00|色々なアート
手塚治虫×石ノ森章太郎  マンガのちから




こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目のmayumiです。
本日は当ギャラリーのスチャラカ社長が不在のため、実に仕事がはかどりまして
ブログを書く時間ができました。

さて今回は、山梨県立博物館で開催されている
「特別展 手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」のお話。
いよいよ会期も終盤(5月19日(月)まで)です。
この展覧会は東京現代美術館、広島県立歴史博物館、大阪歴史博物館、
そして山梨県立博物館と巡ってきた巡回展。
すでにご覧になられた方もたくさんいらっしゃることでしょう。

マンガの神様・手塚治虫先生、そしてマンガの王様・石ノ森章太郎先生。
生原稿や貴重な資料ほか、両先生が下宿されていた「トキワ荘」の再現展示、
著名な先生方によるファン垂涎のオマージュ作品など見ごたえある展示内容です。

お二人の作品で育った世代のみなさまはもちろんですが、
「美術館や博物館に行ったことがない」という方々も楽しめると思います。
まだご覧になられていない方は足を運ばれて「展覧会っておもしろいな」と発見されると良いですね。


ちなみに最も私の琴線に触れたものの一つは石ノ森先生の直筆イラスト。
手塚作品「ジャングル大帝」の模写です。
石ノ森先生が創刊した同人誌「墨汁一滴」掲載作品とのことですが、
色遣いの美しさはもちろんのこと、
ショウペンハウエル(ショウペンハウアー、ドイツの哲学者)の言葉とともに絵の周りにビッシリと書かれた文章も印象的でした。


再現された石ノ森先生の部屋には、たくさんのレコードがありました。
床にはハードカバーの本が積み上げられ、一番上に「ルノアール」の画集。
「ヘレニズム」というタイトルも見えました。
漫画同人誌に正岡子規の随筆「墨汁一滴」というタイトルをつけてしまう“マンガの王様”、
その“マンガの王様のちから”となっていたのは文学、音楽、哲学、美術、だったのでしょうね。


そして、最も衝撃的だったのはトキワ荘住人の集合写真。
若かりし頃の赤塚不二夫先生が、まさかの男前で驚きました。はは。




アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目
mayumi

2014.05.14.


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当ギャラリーにて石ノ森章太郎(エステート) サイボーグ009 の版画を展示中。
販売もしています。
お問い合わせは info@nihonbookart.com

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アートギャルリー日本ぶっくあーと
 
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画廊のオヤジの日記もあります(5/12更新)
http://nihonbookart.com/hpgen/HPB/categories/1937.html







2014/04/15 11:32:00|色々なアート
ルーブル・ランス、感想と作品 [アート色々:海外編]

ルーブル美術館のランス分館に興味を持たれた当ギャラリーの上得意様方に、
ゴールデンウィークの旅行計画に加えるかもしれないとのことで、
色々ご質問をいただきました。


前回はルーブル・ランスへのアクセス方法や概要をお話ししました。
今回は感想や展示作品についてなど7つの質問にお答えします。
引き続き担当はアートギャルリー日本ぶっくあーと 見習い14年目のmayumiです。

 

Q1. ルーブル・ランスの特徴、「時のギャラリー Galerie du Temps」の感想は?
A1. 「時のギャラリー」は、美術史年表に自分が入り込んだような面白さ。
両壁の年号やフロア上の線と作品を照らし合わせるのもテンションが上がります。
柱も仕切りもない広々フロアのおかげで、手前から奥まで展示作品を見渡せることができるのは
爽快です。
巨大美術館と違って館内移動が短いため、お目当ての作品にたどり着く前に
ヘトヘトになるようなこともありません。
コンパクトにまとめられているので、いつもは時間的制約などで足を運ばないセクションの作品に
出逢えるのも嬉しいです。


Q2.「時のギャラリー」の展示作品は分かりますか?
A2.205点の全てではありませんが、ルーブル・ランス公式ホームページ
 (http://www.louvrelens.fr/)で確認することができます。
トップページの「OEUVRES」(英語では「WORKS OF ART」)をクリックしてください。
(175点/2014年4月現在)
特別展の情報も同ホームページで見ることができます。
 

Q3.公式ホームページはフランス語でした。英語サイトはどうすれば見られますか?
A3.ページ右上に小さな文字で FR | EN | NL とあります。 
 EN をクリックすると英語に切り替わります。



Q4.パリのルーブル美術館で見た絵だから、わざわざ行かなくてもいいかな?
A4.残念ながらその判断は私にはできません。
しかし展示空間が違うと作品の印象がガラッと変わるのは確かです。
すでに見たことがある作品でも新たな発見ができるのも「おたのしみ」ポイントだと思います。
例えば、今期展示されていた
ラ・トゥール「マグダラのマリア」(注1)、レノルズ「マスター・ヘア」(注2)、アングル「スフィンクスの謎を解くオイディプス」(注3)。
私はルーブル・パリと日本の特別展、そしてランスでお目にかかって、印象の違いに驚きました。

注1: ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「灯火の前のマグダラのマリア」
    Georges de La Tour 「LaMadeleine à la veilleuse」(1640-1645 )
    ※日本で見た特別展 「ジョルジュ・ド・ラ・トゥール」 2005年 上野・国立西洋美術館

注2: ジョシュア・レノルズ 「マスター・ヘア」
    Sir Joshua Reynolds  「Francis George Hare enfant,dit Master Hare」(1788-1789)

    ※日本で見た特別展 「ルーブル美術館展-美の宮殿の子どもたち」
      2009年 六本木・国立新美術館)

注3: ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル 「スフィンクスの謎を解くオイディプス」
    Jean-Auguste-Dominique Ingres 「Oedipeexplique l'énigme du sphinx 」(1808) 
    ※日本で見た特別展 「ルーブル美術館展 19世紀フランス絵画-新古典主義からロマン主義へ 」
      2005年 横浜美術館


Q5.パリのルーブルとは全然違うんですよね?
A5.あのイメージで行ってしまうと、対局とも言えるギャップにとまどったり、
もの足りなさを感じられたりする方もいらっしゃるかもしれません。
しかし役割もコンセプトも華麗な宮殿美術館とは違うことにお気づきになるでしょう。
諸事情あって公開されていなかった作品を見られるのはもちろんですが、
軽やかで開放的な空間の中、厳選されたルーブルの神髄を時系列に
気軽に楽しめるのは実に魅力的です。
また、ガラス窓越しに修復作品を見学できるのも他の美術館ではできない経験。
鑑賞の合間に外へ目を向ければスケール感あふれた気持ちの良い公園が広がっていますし、
テラスにでて、外壁に映り込む北フランスの空の流れをボンヤリと見るのもまた一興。
日帰りのピクニック感覚で訪れることができます。

建物はサナアSANAA、公園と庭をイムレー・カルバート・アーキテクト Imrey Culbert Architect と
キャサリン・モースバッハCatherine Mosbachが手がけたとか、
「斜陽の炭鉱町をアートで再生」とか、そんなこんなは知らないと思われる
ちびっ子たちが、自宅でテレビを見るように本物の「人類の至宝」に親しみ、
公園できゃっきゃとはしゃいでいた姿が印象でした。


 

 

Q6.駅から美術館まで歩いたそうですが、遠くありませんでしたか?
A6.シャトルバスで行くと5分ほどの距離。公式HPによるとランス駅から美術館までは1.5q。
私は散歩が大好きなので、最初から徒歩のスケジュールを立てました。
駅を出た瞬間から、なんとなくルーブル・ランスは始まっています。
正面で案内役を務めていたのはレノルズの「マスター・ヘア」。
2歳のフランシス・ジョージ・ヘアが指さす方向に素直に従い左へ。
(駅前の道路は横断しなくてよし)
すると沿道には「炭鉱アート」。
ただし作品と歩道の色に導かれつつ歩みを進めるも、小さな町にふさわしく案内は控えめです。
公園入口の大きな看板を目にするまでは、この道でいいのか?という一抹の不安もありました。
でも、歩道に刻まれた「LOUVRE LENS」を発見して「お!」と小さく喜んでみたり、
「双子のボタ山」を見て「おぉ」と感嘆してみたり、遊歩道として生まれ変わったかつての
炭鉱列車路線に「ふぉぉ」とつぶやいてみたり、往路22分の道中は割と忙しかったです。
帰りはシャトルバスの誘惑に負けそうになりましたが、頭の中でエンドレスに流れる
「ちい散歩」のテーマ曲とともに、やっぱり歩いてしまいました。
冬の木立と激しく移ろう雲をながめ、写真を撮り、炭鉱アートを堪能して、復路43分の有意義な
時間を過ごしました。道は整備されていて歩きやすかったです。
私は地図も持たず事前に道順を確認することもせず案内板頼りに行きましたが、
不安な方は携帯端末や、プリントアウトしたGoogleマップなどを活用されると良いでしょう。

 

 

Q7.行くとしたらパリからですが、電車の運賃はいくらぐらいですか?
A7.パリ北Paris Nord からランスLensへは高速列車TGVで約1時間20分。全席指定で予約が必要です。
私がTGVの切符を買う時に利用するのはフランス国鉄SNCFのサイト 
http://www.voyages-sncf.com/billet-train
ここからクレジットカードで購入すると、1等は片道19〜64ユーロぐらい。
2等は15〜48ユーロぐらい(2014年4月15日調べ)。
飛行機のチケット同様、セール、早割り、ピーク時、変更や払い戻しの可否などで
運賃が変わります。
目安としてお考えください。(特に、安いチケットは座席数が限られています)
往復で買うと少しだけ割引があるかもしれません。

日本語では レイルヨーロッパ http://www.raileurope-japan.com/ 等のサイトがありますが、手数料が加わるようです。
現地では窓口と券売機から購入できます。
 

 


当ギャラリーでお買い上げいただいているお客様でしたら、
実店舗(湯村SCの画廊)にご来店くだされば、
可能な範囲で私がお手伝いさせていただきますのでお申し付けください。

 


アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目 
mayumi

2014.04.15.

 

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2014/03/24 16:40:00|色々なアート
ルーブル・ランス、概要と行き方 [アート色々:海外編]


こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと 見習い14年目のmayumiです。
ルーブル・ランスでフランソワ・ブーシェ「巣」1740年頃作(François Boucher, Le Nid)を熱心に見ている少女があまりにもかわいくて思わず撮ってしまったのが上の画像です。
 

日本テレビ開局60年特別番組「ビートたけしの超訳ルーブル」(2014年3月18日放送)をご覧になられた当ギャラリーの上得意様からご質問がありました。

「ルーブル・ランスってどこにあるの?パリのルーブル美術館と何が違うの?」

公式HPでは良く分からず、情報が載っているガイドブックも見当たらないとのこと。
ブログ等でご紹介されている方もいらっしゃいますが、たまたま私も先月行ってきたばかりですので記憶が確かなうちに書いてみようと思います。

 

ルーブル・ランス Louvre-Lens
 

場所
ベルギー国境にほど近いフランス北部の街ランスLensにあります。
1960年に閉山された炭鉱の街でした。

 

特徴
2012年12月4日にオープンしたルーブル美術館の分館。
所蔵品はなく、パリのルーブル美術館の厳選作品が5年間貸し出されて展示。
メインとなるグランドギャラリー La Grande Galerie、補足展示場 Le Pavillon de Verre、
そして特別企画展示室La Galerie des Espositions Temporairesから成りますが、
もっとも特徴的なのがグランドギャラリーの「時のギャラリー Galerie du Temps」。
これまで一般公開されていなかった所蔵品を主に、パリのルーブルで展示されていた「教科書で見たことある」作品も加え、ルーヴル・パリの全部門(デッサンを除く)から選ばれた紀元前3500年頃〜19世紀までの200点以上が時系列にコンパクトにまとめられて展示されています。
約20%が毎年12月4日に入れ替えられるとのこと。

金沢21世紀美術館を手がけた日本人建築家ユニットSANAA(サナア/妹島和世さんと西沢立衛さん)設計による建物はもちろん、
ミシュラン2つ星獲得シェフのマルク・ムラン氏 Marc Meurin 監修レストラン L'atelier de Marc Meurin、炭鉱跡地を巧みに利用した広大な公園、など魅力いっぱいです。 

石炭採掘でできた「ボタ山」が遠くに見えます。
パリのルーブル美術館のシンボル、ガラスのピラミッドとイメージを重ねたところは実に巧妙!

なお、日曜日はランス市街のお店は閉店。
かろうじて駅前のカフェやレストランが数軒オープンしているくらいですので、お茶やお食事等は美術館で済まされるとよろしいかと思います。



電車でのアクセス方法
最寄駅はランス「Lens」。
(1)パリから: 北駅〜ダンケルクDunkerque線のTGVで約1時間20分。ランス駅で下車。(Paris Nord -Arras - Lens, 約220q)。
(2)リールから: リール・フランダース駅Lille Flandres〜ランス線のTER(Ligne 13)で約40分。ランス駅で下車。(途中10駅、約39q、停車駅数は「快速」「急行」「各停」などにより変わるらしい)。

※リールに滞在していた私は(2)の方法で行きましたので、(2)の補足説明をします。
普通列車ですから座席予約はありません。
TGV乗車時にはチケットをSNCF(フランス国鉄)のサイトから直接買っていますが、
今回は普通列車でしたので、駅に多数設置されている黄色の券売機からクレジットカードで
当日購入しました(片道8.1ユーロ/2014年2月時点)。
月〜金の運行は30分から2時間に1本。途中停車駅なしの「通勤快速」が1日数本あるようです。
土日祝は1〜2時間に1本の運行。ローカル線の旅が楽しめます。
リールからランスへは、Libercourtを過ぎたあたりから進行方向右側の遠方に「ボタ山」が見え始めます。  Corons de Mericourt〜Pont-de-Sallaumines では左方向に「ボタ山」かなり近し。
 

駅から美術館へのアクセス方法
小さな駅舎を出てすぐ左に進むとバスターミナルがあります。
一番手前のAのりばからシャトルバスNavetteに乗って5分ほど。(1時間に3本くらい)
美術館仕様のラッピングバスなのですぐに分かります。
徒歩でも行けます。公式HPによると駅〜美術館の距離は1.5q。
身長160p・短足の私のペースでは20分以上かかりました。
帰りは炭鉱列車が走っていたというルートを利用した遊歩道や沿道の「炭鉱アート」作品を存分に堪能し、激しく変化する空模様の写真を撮りつつ呑気な散歩を大満喫したため約40分。

※美術館→ランス駅 シャトルバスの時刻表を追記します(2014年2月のものです):
≪美術館発≫
始発8時45分
9時〜17時は毎時05分、25分、45分発
18時05分、最終18時25分

知りたい方が多いと思われるランス駅→美術館のバス時刻ですが、こちらの方は写し忘れたため情報掲載できないことをお許しください。
ただ、美術館からのバスが20分間隔の運行ですので、毎時15分、35分、55分ランス駅発といったところでしょうか???(あくまでも推測です)

 

インフォメーション
(2014年3月現在の情報です。お出かけになる前には公式HP等でご確認ください)

◇入館料: 特別展のみ9ユーロ(2015年以降のグランドギャラリー料金などは未定)
◇開館時間: 午前10時〜午後6時(入館5時15分まで) ※9〜6月の第1金曜日は午後9時まで
◇定休日: 火曜日と5月1日
◇公式ホームページ(仏語 ※英語と蘭語もあり)http://www.louvrelens.fr/



今回はただの概要になってしまいました。
次回はルーブル・ランスの個人的な感想、その他を書く予定です。
 

2014.03.27.


アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い14年目 
mayumi


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