こんにちは。
初対面の中国人に、ことごとく、「中国人だよね」と間違えられ、
「日本人です」と否定すると「そんなわけがない」とキッパリ断言されてしまう、
山形生まれ山梨育ち・両親は岩手人の、アートギャルリー日本ぶっくあーと・見習い13年目のmayumiです。
弊社ギャラリーの店長(私の母)が肋骨(ろっこつ)骨折治療中につき、引き続き多大なるご迷惑をおかけいたしております。
さて、アートとは無関係なお話の第3回目。
だいぶ間があいてしまいましたが、5月末に店長(私の母)が骨折した顛末(てんまつ)の後編です。 長いので、テキトーに読み飛ばしてくださいね。
(前編はこちら)
バラの花咲く公共温泉で、危険度マックスの石段を降りる際に「ズルッ」とスベり、
直角の石段のふちに「ドンッ」「ガンッ」と腰からド派手にブチ当たって、骨が折れたと思われる母。
そして、施設の女性の脱力するほどノンキな対応にブチ当たって、「のどかな温泉は、危機管理姿勢ものどかである」と、骨に刻んだ私。
「ありがとうございました。お手数をおかけしました...。」
対応してくれた女性にお礼を言うと、彼女はご満悦だったのか、またまた「モナ・リザ」風に口の片端に笑いを浮かべました。
おまけに、顔面蒼白で「うぅぅ、イタイ、うぅぅ」と苦しんでいる母にニヤニヤしながら近づいて、「せっかく温泉に来たのにねぇ...」と赤く腫れている患部に触ろうとする始末。
いろいろと渦巻く気持ちを抑えて『どこの病院へ連れて行こう』と考え始めていたのに、「モナ・リザ」の言動に動揺しすぎて、頭の中が晩年のゴッホの筆触(ひっしょく)のごとく、ウネウネとうねります。
とりあえず、脱衣場の隅で父親(弊社・スチャラカ社長)にヒソヒソと電話。
「転んで、かくかくしかじか。施設の人に言ったけど、かくかくしかじか。だから急いで病院に...」
「えぇっ!?」
「じゃあ、○○病院は?」 「時間外外来がないからダメ」
「○○先生のところは?」 「ここから25qぐらいある、遠いからダメ」
「○○先生は?」 「ネコのお医者さんだからダメ」
二者協議の末、母のかかりつけである甲府市内の総合病院へ行くことに。
片道12q、近くはありません。
でも、カルテがあるので既往歴(きおうれき=これまでにかかった病気など)その他の情報を説明する手間が省けます。
また、職場からは片道2qなので、万一そのまま入院となった場合でも、面会する私にとっては都合が良いと思いました。
帰宅ラッシュの中、甲府市有数の渋滞ポイントをかいくぐり、約40分後、午後7時頃に病院へ到着。
父があらかじめ連絡していたので、受付もスムーズ。丁重にご案内いただき診察を待ちます。
実はこの病院、救急救命センターです。ストレッチャーで運ばれてくる人を目にしないわけにはいきません。
緊張感が漂い、ご家族と思われる方々の表情からは深刻さが伝わってきます。
「風呂場で転んだくらいで来てしまってスミマセン、スミマセン。」そう思わずにいられない雰囲気...
しばしの後、父(弊社のスチャラカ社長)登場。
「頭を打たなくて良かった。でも、大変なことになったなぁ」と顔を曇らせましたが、
「あ、血圧計がある!」と小走りに血圧を測りに行き、「あぁ、ちょっと高めだ」と、イマイチ緊張感が足りない様子。
何度も死にかけては生還している父は、妙に病院慣れしたところがあり、こんな時にでもマイペースです。
「ホント、死ななくて良かったなぁ...お、あの絵が傾いていて気になるから直してこよう。(←職業病)」深刻さが伝わってきません。
そばにいると、私のペースが狂って胃が痛くなるので、早々に帰宅させました。
X線写真を3枚撮ってもらった母。
ルノワールの「ジャンヌ・サマリー」のようにラブリーな女医さんに
「骨折していませんでした。ヨカッタですネ。」 と宣言され、ひと安心。
母は何やら納得がいかない様子でしたが、
「痛みが続くようでしたら、開業医さんでも良いと思いますので診てもらってくださいネ。おだいじにぃ〜。」
ラブリー・ドクターに笑顔で言い渡されて、診察終了。
どちらかといえば、医者に自己主張も抵抗もしない「扱いやすい患者」の母。
心臓外科医・南淵明宏先生のご著書タイトルをお借りして表現すれば、「弱気な患者」で「命を縮める」タイプなのでしょうか。
この時も、言われるがまま。質問すらせず。
一方私は、「弱気」に見えても、必要な時には遠慮がちに自己主張も抵抗も要求もするタイプ。
「かかりつけの整形外科の先生に診ていただくかもしれませんので、可能でしたらレントゲンフィルムのコピー(もちろん有料)を頂戴できると助かります」程度のリクエストも、お安い御用。
ところが、この時はボーっとしていて言われるがまま。
安堵感のせいか、はたまたこの「ジャンヌ・サマリー」に心を奪われたのか、
コピーを要求するどころか、レントゲン写真自体を確認させてもらっていないことにすら気付かず、非常にうかつでした。
さて3日後。
「あれからずっとガマンしてたけど、痛すぎて息をするのも苦しい。」と母がカミングアウト。
お店から11q離れた整形外科医院へあたふたと駆け込みました。
仕事でも患者としても長年お世話になっている大大大ベテランの先生(現・山梨県医師会会長)に診てもらうと、X線写真1枚でアッサリと
「肋骨が折れてる。これじゃぁ痛いよ。眠れなかったでしょ。」とのこと。
あ〜、やっぱりね。
「石段に打ったんでしょ?頭じゃなくて良かったね。温泉で転んで頭打って死んじゃう人、けっこうたくさんいるんだよ。」
あ〜、やっぱりね。
そんなこんなで、転倒から2か月経った今でも母は週に数回通院していますが、
頭も打たず、内臓損傷もなく、大腿骨骨折もせず、入院もせず、寝たきりにもならず、肋骨骨折で済んでラッキーだったと思っています。
ここで、今後の私の教訓:
●雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ、危機的状況にも、マイペースな人間にも、ラブリーなドクターにも負けぬ、丈夫な心をもつ。
●「弱気な患者」には、まずは「やや弱気な患者」を目標にしてもらい、ドクターとのコミュケーション力をアップさせる。 脱「命を縮める」患者!
●「ガマンは美徳」、「痛ガリマセン、人前デハ」スピリッツの持ち主には要注意。ケガと病気は例外。いさぎよく白旗を揚げてもらうようにビシビシ教育する。
それではどうか、皆様には同じようなことが起こりませぬよう、くれぐれもお気を付けくださいね。
アートギャルリー日本ぶっくあーと
mayumi
2013.08.03.