こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い12年目のmayumiです。
もしも画商(見習い)がヤフオクで絵を買うならどのように選ぶかという勝手な企画 (もしY)で
7日間ヤフオクの絵画セクションをリサーチしました。
今日は、画商見習い12年目の私が、
どんな出品者さんなら入札しても良いと思ったかをご報告します。
7日間で拝見した出品者さんは合計100人。
油彩、リトグラフ、銅版画の3部門で、
自分が好き又は得意とする画家名で任意検索して、
ヒットした結果リストの上から順番にチェックしていきました。
私が拝見した100の出品者さんのうち、
98人が業者または利ざや稼ぎ目的の人、
2人が個人(自分で買った絵を一定期間所有後に出品)でした。
業者と個人の区別は、
現在と過去の出品物と商品説明欄などの情報で判断しただけですので
誤りがあるかもしれません。
また業者といっても多様です。
絵画販売業者さんほか絵画ばかり扱っていた出品者さんは2割程度で、
8割が、何でも骨董屋さん、道具屋さん、古物買取屋さん、代行屋さんなど、
取り扱いが絵画専門ではない出品者さんでした。
私が選んだ1点は自分が好きな作家のリトグラフです。
実際に入札はしていませんが、
入札しても良いと思ったのは、出品物に対しての責任と、
もしニセモノであった場合も返金に応じてくれる誠意が感じられる出品者さんでした。
『ノークレーム・ノーリターン』という言葉が当たり前のように使われているヤフオクの中でも、
「写真・説明と実物で大きな相違がある場合返品可」
「贋作の場合全額返金」
とされている方もいらっしゃいました。
絵画の販売では信頼関係が何よりも大事だと思っています。
それは対面販売であろうとインターネット上であろうと同じです。
ネットオークションでは気軽に絵を買えることが利点ですが、
”顔が見えなければ何を売っても構わない”と言っているとも判断できるような
乱暴な但し書きをされる方とは“気軽に”お取引できそうにありません。
『贋作の場合でも私には責任がありません』、
『代理出品なので私は知りません』、
『キャンセル・クレーム一切お断り』
このようなことを書かれている方をあえて選ぶ勇気は
小心者の私にはありません。
ちなみに、私が今回のもしYで1点選ぶために
商品画像以外にチェックしたポイントは下記のとおりです。
(1→2→3と重要度が下がっていきます。)
1. 注意事項【贋作の場合の対応など】
2. プロフィール/自己紹介(オークションストアはストア情報)
【業者と思われる出品者の場合は屋号や住所、古物許可証番号の表記があるか】
3. 商品情報
4. 開始価格
【妥当かどうか。安値スタートの場合はその理由は何か】
5. 評価 【これまでにどんな物を取引しているかをチェック。金額の安いものを大量に売って評価を大量に集めることもできることから、数そのものは重要視しない。また絶対的な基準がないので《良い出品者です》等のコメントも、参考程度。】
実は今回見た中で、???と思った作品が何点もあります。
その画家の作品にあまりなじみがなければお分かりにならないかもしれません。
私の場合は、見習いではありますが一応絵画販売業に携わっていますので、
ニセモノやニセモノでなくてもひどい状態の作品を落札してしまった時は、
それなりの方法で出品者に対処できると思います。
ネットワークを使って悪質な出品者を特定し、善処することも可能でしょう。
しかし実際はそのトラブル解決のために費やす時間もお金も労力も惜しいです。
一般の方でしたら、「泣き寝入り」するしかないかもしれません。
平成24年3月15日付けの警察庁広報資料
『平成23年中のサイバー犯罪の検挙状況等について』によると、
全国の警察の相談窓口で受理したインターネットオークションに関する相談は
5,905件(前年比-1,000件、-14.5%)で、平成17年をピークに減少傾向にあるそうです。
【P2、2 サイバー犯罪等に関する相談状況】
しかし、実情はどうなのでしょうか?
『警察に言うのはめんどうだから』と思われる方も多いと思いませんか?
被害に気づくまでに時間がかかる場合もあると思いませんか?
ヤフオクでの絵画取引にまつわるトラブルに関して言えば、
『ニセモノをつかまされた』という話ばかりではなく、
届いた作品の状態が最悪だった、
版画作品の色がかなりぬけていた、など色々あります。
●入札する画家の作品を勉強する
●疑問があれば質問して明らかにする
●万が一ダマされても悔しくない範囲で取引する
●安心して取引できないようなら入札しない
など、極めて基本的なアドバイスしかできないのが心苦しいのですが
どうかくれぐれもご注意ください。
『絵は二度と買いたくない、見たくない』
と言われるのは、
本当に悲しいです。
以上が、もしYのご報告です。
私の選択はみなさんの予想どうりでしたか?
ギャルリー日本ぶっくあーと、見習い12年目
mayumi
2012.06.01.
画廊所在地:
山梨県甲府市千塚一丁目9-14
湯村ショッピングセンター 3階
(甲府富士屋ホテル様近く)