(韮崎大村美術館 「大村智 先生の像」 日本芸術院会員 雨宮敬子作)
こんにちは。
アートギャルリー日本ぶっくあーと mayumiです。
ノーベル賞の話題で大盛り上がりですね。
テレビでご覧になられてご存知のことと思いますが、医学・生理学賞を受賞された
北里大学特別栄誉教授・大村智先生は「女子美術大学名誉理事長」という肩書もおもちです。
「理系の研究者なのになぜ女子美?」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
大村先生は美術業界でもとても有名な先生。
近年は「月刊・美術の窓」で「アートと私」という連載をされていました。
(この連載は書籍化されています。大村智著『人生に美を添えて』生活の友社、2015年)


とにかくすごい絵画コレクタ−さんなのです。
そのコレクションは、ご自身で建てられた「韮崎大村美術館」で見られます。
以下は『人生に美を添えて』より引用。
私は30代はじめの頃から絵を集め始めました。北里大学薬学部の助教授になった頃でした。私の恩師で、抗生物質研究で名高い秦藤樹教授が大変な美術好きで、秦先生のもとにはよく画商が出入りしていました。
ある時、画商が野田九浦(のだきゅうほ)の芭蕉を描いた掛け軸を持ってきました。私は一目で気に入ってしまい、月賦で購入したのです。
当時、侃々諤々の議論をしたり論文を書いたりすると、家に帰っても緊張感が続いてなかなか寝付けないものでした。そんな時、この九浦の絵を見ていると、心に安らぎを覚えました。この絵にどんなに助けられたことでしょうか。これが私のコレクションの始まりです。以来、いい絵があると何でも欲しくなりました。
(中略)
絵というものは自分が集めたものは、たしかに自分のものですが、なんとなくこれは世の中のもの、という感じがその頃から芽生え始めていました。優れた美術品は、公にして、より多くの人が楽しむべきだと。だんだん私もいずれは、という気持ちになっていきました。そうはいっても、美術館なんてまだ夢だと思いながら、一番気に入って集めたのが鈴木信太郎でした。そうこうしているうちに、請われて1997年、女子美大の理事長に就任しました。そして迎える2000年の女子美術大学創立100周年記念事業にかかわり、運命の出会いが待っていたのです。(後略)
(大村智著『人生に美を添えて』生活の友社、2015年、p.115〜117 韮崎大村美術館誕生 前編)
「韮崎大村美術館」は、先生のふるさと山梨県韮崎市の小高い場所にある、のどかな美術館です。
1階は特別展と女流画家を主とする常設展。
2階は鈴木信太郎コレクションと島岡達三ほか陶芸展示になっています。


受賞の一報から一夜明けた10月6日、お昼ごろに行きましたら、
さすがに大勢のお客さんでにぎわっていました。
小さな町の小さな美術館があり得ない状況に。


駐車場は満車。
館内は、一般客とTVクルーさんらが入り混じり、
外に出れば、マイクを持ったイケメンのスーツ男子に
「テレビ東京ですがお話をお聞かせいただけますか」と声をかけられ...
いつもは館内貸切、いえ、とても静か。
これを機に来場者数が通年増加すればいいなと部外者のくせに思いました。
そうそう、コレクションが見られるのは美術館だけでなく、
おとなりの日帰り入浴施設「武田乃郷 白山温泉」とお食事処でも。
私が初めて「武田乃郷 白山温泉」に行ったときの衝撃は忘れられません。
それは開館してまだ日も浅い頃、美術館ができるずっと前のことです。
大村先生が建てたとは全然知らず、通りすがりに目にした小ぎれいな看板に
吸い寄せられて入ったのですが、あ〜らビックリ。
何でこんなところに小泉淳作先生の作品が?
○○先生も、××先生も、※※先生も!!
韮崎の山(失礼でスミマセン)にある小さな日帰り温泉には、
とうてい不釣り合いな絵(失礼でスミマセン)の数々。
廊下やロビーにあまりにも無防備に飾られている作品群に、
「セキュリティは大丈夫なのだろうか」
「価値を知らないのだろうか(失礼でスミマセン)」と
ドキドキしてしまい、せっかくの貸切状態だった女湯でも全然リラックスできず...
帰り際に、施設のおじさんに聞いたら
「そうそう、なんか有名な人のだってね。見る人が見れば分かるんだね〜。わたしらは全然知らんけんど。」
平和な田舎、万歳!
あれから10年。ノーベル賞、万歳!
アートギャルリー日本ぶっくあーと、見習い16年目
mayumi
2015.10.06.
韮崎大村美術館
〒407-0043 山梨県韮崎市上山町鍋山1830-1
【Google地図はこちらをクリック】
電話 0551-23-7775
開館時間 10月までは午前10時〜午後6時、11月からは午前10時〜午後5時
休館日 毎週水曜日(祝日の場合は開館、翌日休館)
観覧料 一般510円、小・中・高校生210円(韮崎市内在住・在学の小中学生は無料)
※2015年10月6日(火)〜13日(火)は「ノーベル賞受賞記念」として観覧料無料、7日(水)も開館
2016年1月11日(月・祝)までの展示概要
■企画展 「実りの季節(とき)-生活の中の果物-」
梅原龍三郎、遠藤彰子、小倉遊亀、小野月世、金山桂子、小杉小二郎、他(全34作品)
■常設展
1階展示室: 上村松園、秋野不矩、小倉遊亀、他(全47作品)
2階鈴木信太郎 記念室・第2展示室: 鈴木信太郎(全17作品)、小杉小二郎、入江観、他
3階第3展示室: 河井寛次郎、バーナード・リーチ、浜田庄司、島岡達三、原田十六、他
--------------------------------------------------------------------------------
〜世界の巨匠と日本画の原画・版画〜
アートギャルリー日本ぶっくあーと
画廊のオヤジの日記もあります
http://nihonbookart.com/hpgen/HPB/categories/1937.html
WEBショップもよろしくおねがいします。
http://nihonbookart.com/