おはようございます。
終わってしまった朝ドラの、
キーとなった曲がありました。
サッチモこと、
ルイアームストロングが歌った、
ジャズの名曲
On the Sunny Side of the Street
です。
只今、熱烈に練習中
いつか、歌ってみたいなあ・・・
な〜んてね
この曲が産まれたのは、
1930年 世界恐慌が始まった時で、
世界は不況で真っ暗な状況だったそうです。
そんな時代にサッチモが、
コートも帽子も脱ぎ捨てて、
日の当たる道を歩こうぜ!!日の当たる道を歩けば、
きっと人生は輝くんだから!!って、歌ってヒットした曲だそうです。
前回、ブラックバスの移入の背景を話しました。
1925年にブラックバスが移入されたはいいものの、
世界はどんどん不景気になっていきました。
少なからず日本もその影響を受け、
その後の太平洋戦争へと、
突き進んで行く事になるんですね。
さて、
ブラックバスが日本全国で爆発的に増え出したのは、
昭和40年代になってからです。
琵琶湖で最初に発見されたのが、
確か1974年だったと記憶しています。
自分が小学生の頃、
初めて、この魚の名前を聞きました。
が、
「バス」ではなく、
「マス」って、聞いた覚えがあります。
ブラックマスって云う名前で、最初は覚えました。
へ〜、そんな魚がいるんだ・・・
って、思って居た矢先、
ルアーフィッシングや、
スポーツフィッシングって云う言葉―
釣っては逃がす、
キャッチ&リリースって云う、
言葉が、一気に釣り業界に広がります。
そんな、どことなくオシャレな釣りは、
若者達中心に受容れられていきました。
そして、
バスを釣ってお金を得る―
バスプロと云う存在も認知されるに至ります。
戦後、高度経済成長を遂げた日本。
昭和39年に、平和の祭典
『東京オリンピック』が、
開催されます。
自分が産まれた年です。
経済の成長に比例するように、
全国各地で問題になったのが、
「公害」です。
海も、川も、湖も・・・
全ての
日本の水辺が痛みました。
ですから当時の水辺で釣れる魚の多くが、
汚染されている魚―
って云うレッテルが貼られてしまった事で、
食の対象から外れてしまったのです。
食べられない魚であり、
食べてはいけない魚が増えてしまえば、
当然、魚を釣ると云う行為は先細ります。
が、そんな厳しい状況の中でも、
旺盛な食欲と、環境への順応力の高さで、
生き抜いて来れたのが
ブラックバスでした。
釣り業界は、
こぞってルアーフィッシングの普及に走ります。
ですから、拡散の背景に当時の釣りメーカーや、
釣り人、広告塔であるバスプロ達が、
各地で放流をした事は、逃れようもない事実だし、
決して業界でも否定している訳ではありません。
そんな状況が第一次バスブームです。
むしろバスが他魚を食い尽くしたのではなく、
水辺環境が著しく悪化した事で、
在来生物たちの、
脆弱性が露呈したと云うのが本当でしょう。
水辺を殺したのは、
バスでも、釣り人でもありません。
産業振興や、「開発」という
経済活動です。
一方で、
現在の外来種問題がクローズアップされたのは、
自分が釣り業界に飛び込んだ、
バブル期でした。
有名芸能人が趣味で楽しんでいる―
日本のバスプロが海外のトーナメントで勝った―
そんなニュースが溢れ、
女性も釣りに参加するようになり、
一部メーカーのルアーにはプレミアも付き、
ブラックバス釣りの用品は、
異様な売れ方をしていました。
そんな折りに、
ブラックバスの異常な繁殖によって、
在来種のシンボル的な存在であった
メダカが、
バスにことごとく食われている。だから、
駆除をしなきゃダメだ!!ブラックバスは悪者だ!!と、云うイメージの固定に至った、
書籍がセンセーショナルに出版されます。
ここから一気にバス叩きが始まりました。
キャッチ&キルと云う物騒な言葉が飛び交います。
そんな馬鹿げた状況の中で、
このメダカの本に反論する形で出版されたのが、
上の写真の本です。
著者の名前に見覚え、聞き覚えがある人が多い筈―
あの有名コメディアンが司会を務める、
バラエティー番組に出演されている、あの先生です。
先生は、昆虫が専門の生物学者ですが、
この異様なバス叩きに一石を投じます。
先生ご自身は、釣りをされないそうです。
この本の冒頭で、
釣りもしないし、
ましてや釣り業界とは一切の関わりもない―
と、断言されているところから始まります。
そして、その本の帯にあるのが、
殺せと言われる自然保護はNOだ―
と、云う言葉です。
その他にも、この問題の本質を突く、
ショッキングな言葉が踊っています。
残念ながら、この本も既に絶盤になっていますが、
興味がある方は、図書館などで探してみて下さい。
きっと
目からウロコの本当が分かってきます。
そして再び今、
あの侵略的な番組が幅を利かせています。
池の水を抜いて外来種を駆除しては、
得意がるあの番組です。
確かに生きものを捕獲するのは単純に楽しいし、
ましてや自分のした事で、
日本の生態系が保たれたって云う優越感は、
本当に大事な「命」の事を、ないがしろにしています。
ちゃんと
本質を見抜く眼力を持って、
声を挙げて下さい。
一時の俄な知識だけで批判するのは、
フェアではありません。
こんな影を背負わされてしまったブラックバスに、
本当にまぶしいお日様を見せてあげられるのは、
あなたかもしれません。