世界中を見渡しても、 日本ほど、多種多様な魚を釣る国はありません。
島国であり、豊かな水と、 多様な生物相があってこそですが、 それにしても、魚一種に対しても、 何通りもの釣り方や、仕掛けがあって、 これこそが日本が誇る、世界に類を見ない、 釣り大国である所以ではないでしょうか。
外国では、おおよそ大きな魚を釣る事―。 が、フィッシャーマンの誇りであり、 腕自慢の証しなのでしょうが、
季節を愛で、魚と戯れ、 道具に凝り、粋を味わう―。 こんな価値観こそ、日本の釣り文化の神髄です。
その中で、より小さい魚を釣る事を目的にしたのが、 現在、世界一小さな釣りの対象魚とされる、 「タナゴ釣り」では、ないでしょうか。
タナゴは、日本の田園風景が広がる所では、 昔は、あちこちで見られました。 短い竿と浮木には漆を塗り、薪絵まで施すと云った、 いわゆる「旦那衆」の、贅を尽くした遊びでありました。
時代が進むと大衆も楽しむ様になりましたが、 その釣りには風情が感じられ、 ゆっくりとした時間の流れも感じます。
対象が小さいですから、 当然、道具も、仕掛けも、小さくて繊細です。 小さな小さな針に、 玉虫(イラガの幼虫)の腸を、 針に巻き付ける様にして付けます。
浮木には、カヤの茎を短く切って色付けし、 それを幾つか道糸にくくって、その回転などで、 魚信(アタリ)を捉えて釣るのです。
自分がこのタナゴ釣りに興味を持ったのは、 釣りのバイブルにしていたあの漫画に出ていた、 とっても素敵な物語を読んだからでした。
そのタイトルは、「小さなビッグゲーム」 前記した通り、外国の人は、 大きな魚を釣るのが好きです。
この漫画の主人公は、ひとりの釣りの天才少年です。 ある時、一人の外国人が、「日本の天才釣りBOY」に、 会うために、はるばるカナダからやって来ます。 彼の名前はジャック。 背が高くて、胸板も肩幅も広いタフガイです。 でも、40代くらいのオジサンです。
噂を聴き付けたジャックは主人公に、
「早くBIGFISHを釣りに行こう」 と、しきりに誘うのですが、 主人公は、日本には「小さなビッグゲームがあるんだ」と、 逆にジャックを誘うのです。
ジャックは、「小さなビッグゲーム」が、 気になって仕方ありません。 一体、どんな大きい魚が釣れるのか!? と、ワクワクして主人公の誘いを受けるのです。
主人公は、そのビッグゲームの場に、 ジャックと一緒に参戦しますが、 その釣りが、「タナゴ釣り」です。 勝手が分からないジャックは困惑し、 なかなか釣れないし、主人公が釣りあげるのは、 小さな小さな、何の変哲もない魚―。
ホワイ、ジャパニーズ、ピーポー!!
参加の大人も適わぬテクニックで、 数をどんどん伸ばしていきます。 そして、100匹を釣ると、主人公はこんな事を始めます。
大きな大きなジャックの手のひらの上に、 一尾づつ、その小さなタナゴを並べていきました。
そして100匹のタナゴが、 見事にジャックの手のひらの上に乗ったのです。
「ジャック、オラ、外国人のあんたに、 これを教えてやりたかったんダニ」と、笑うのです。 そして、万丈一致で「たなごころ賞」は、 主人公とジャックが受ける事になり、ジャック大感激!! 日本の釣りの奥深さに触れ、小さなビッグゲームの、 本当の意味を察するのです。
素敵過ぎます。カッコ良すぎます。 この後、すっかり仲良くなった二人は、 今度はジャックが主人公を、 本当のビッグゲームに後で誘う事になるのです。
このビッグゲームこそ、 カナダの「サーモンダービー」です。
世界を繋いだ、日本の小さなビッグゲーム。 是非、このGWの期間に触れてみてはいかがですか?
そう。この主人公の名前は、「サンペイBOY」 もう。分かったでしょ(^u^)/
ちなみに、左の写真は「タイリクバラタナゴ」 外来種です。一方、左の写真が「タナゴ」固有種で、 手のひらのうえに乗せて、その小ささを愛でるのが、 「たなごころ」です。
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