おはようございます。
寒いですね。
雪は、まだ融けて居りません
一昨日、
山梨の釣り具屋さんで売ってるイクラは、
超高級品だぞ―
って云うお話しをしました。
山梨に住んでいる限り、
そんなイクラを売っているって云うのは、
当たり前の事で、
何処でもそうだと思っていました。
が、転勤で幾つかのお店を廻った事で、
それがいかに特殊な例であるかを、
実感して来ました。
それくらい、
山梨の釣り人さんの渓流釣りに寄せる思いは、
特別で強いものだと云う事を、
離れてみて痛感したのです。
そこで今日の投稿も、
渓流釣りのネタにしました。
皆さん、
『ウラッポ』って、分かりますか?
実は、
ウラッポは、
釣り用語でも何でもありません。
分かり易く云うと
「方言」です。
が、何の事でしょうか
そこで、タイトルと上の写真をご覧下さい。
修理って書いてあって、
写真は、釣り竿の一部が折れちゃってますよね
これでお分かりでしょう。
ウラッポとは、釣り竿の先端の事です。
なので、
「先っぽ」の方が分かり易いと思います。
でも、何故か釣り竿で先っぽを云う時に、
山梨の人の多くが、
「ウラッポ」って、
言っちゃうんです。
調べてみると、
元々、甲州の方言ではなく、
東京の多摩地域に伝わる方言らしいのです。
と云う事は、武蔵の國と甲斐の國との、
境辺りで交わされていた言葉だと思います。
そして、
渓流釣り解禁間近となった今頃から、
解禁直後になると一気に増えるのが、
ウラッポ破損の修理案件です。
で、今日は、このウラッポの修理依頼が、
実は、
釣具店泣かせの案件なんです―
と、云う事を知って戴きたくって、
釣具屋さん救済企画として、投稿します。
ご存じの通り、
渓流竿の穂先って、細いですよね。
ですから、時に折れてしまうのは、
ある意味仕方がない事です。
普通に修理を受ける事は、
全く問題ないのです。
がっ、
解禁直後がやっぱりイチバン釣れる訳で、
その釣りのタイミングに間に合わない―
と、なった時の、
お客様の対応に苦慮してしまうのです。
それが、この時季は毎日の様に起るので、
釣具店のスタッフさんは、
日々、ストレスフルになってしまいます。
お客様のためにも、
正しい事を覚えて戴きたく、
ウラッポの修理事情を、
ここだけの話しでお伝えします。
さて、こんな例が良く起ります。
明日が解禁日―釣りに行きたいと考えて来店されたお客様が、
「ウラッポん折れちゃったから、何かハメてくりょう」と、言いました。
違う竿の物でも良いから、
穂先だけ換えて欲しい―
そんなご要望です。
確かに釣具屋さんには、
延べ竿の穂先のみが売っています。
が、
ハマりさえすれば釣りができるか―
と、言うと、これはNOです。
近年の竿は、各パーツがバランス良く繋がって、
釣り竿として機能するように出来ています。
ですから、例え予備の穂先がハマったとしても、
竿のバランスが崩れるので、
他の箇所(特に穂持ち)が破損しやすくなります。
なので、もし折れてしまったら、
解禁に間に合う様に来店戴いて、
その竿のパーツとして、
純正のウラッポを注文するか、
修理として、お店に預けて欲しいのです。
修理や、パーツ到着までかかる期間は、
およそ2週間です。
ですから、解禁1ヶ月前で、
もしも竿のウラッポが折れていたなら、
そのタイミングで持って来て戴ければ、
解禁には新しいウラッポで、
良い状態でお使い戴けます。
それを、
どうでも明日までにやれ―
と、強要しても、
お互いに嫌な思いをするだけです。
無理なものは無理なのです。
どうか、そこを分かってあげて下さい。
間違っても、
そこの新品の竿から抜け―
だなんて、理不尽な言い様は、
どうかどうか慎んで下さい。
また、解禁直後で多いトラブルに、
穂先と穂持ちの固着―
と、云う事が良く起ります。
濡れた手で扱うので、
特にウラッポ部分が固着しやすいのです。
そして、そのトラブルは、
新しい竿に換えた時ほど頻発しやすいです。
この原因は、
おおよそ竿を伸ばす時にあります。
穂先の方から順序よく伸ばして、
継ぎの部分をしっかり固定していくのが、
竿の正しい伸ばし方です。
が、ぴゅーっと順番を無視して伸ばしていくと、
継ぎの部分の締め方がみんなバラバラになります。
そういう部分に水滴が入り込むと固着します。
特に新品の竿ほど、
この継ぎの隙間がピッタリなのです。
なので、変な伸ばし方をしてしまうと、
ほぼ完璧に固着してしまいます。
それを無理くり戻そうとして、
更に別の部分まで折れる―
そんな事例をたくさん見て来ましたし、
散々、それで怒られた事もあります。
いや、竿は全く悪くないんですけど・・・
って、云う気持ちを、
グッと堪えてスタッフは、お話しを伺います。
こう云う時は、無理しないで固着したまま、
釣具店に持って行って下さい。
大概の固着は外せますので、
どうか、竿のせいにはしないであげて下さい。
それと、新品の竿を買って、
1回目の使用で折れてしまう場合も稀にあります。
現場を見ていないので分かりませんが、
原因は、タックルバランスの悪さに起因します。
その竿の強度以上の、
太めの糸を使っていませんでしたか?
必要以上に
大きいオモリを付けて、
根掛かりを煽りませんでしたか?
こんな時に最も折れやすい箇所は、
穂持ちの部分(穂先から2番目の部分)です。
そこが、最大の竿のウィークポイントで、
更に、その竿の最大のウリのポイントでもあるのです。
竿のパワーは、穂持ちが支えている―
と、云ってしまっても過言ではありません。
お客様の竿ですからスタッフは、
良い状態で使って欲しい―
そう考えています。
敢えて折れやすくなってしまうような方法を、
選択する訳にはいかないのです。
山梨のお客様がお持ちの竿の特徴として、
旧式の竿であっても、
とても大事に使われている―
これは、本当に素晴らしい事です。
他県では余り見かけない事です。
それだけ、自分が良いと思った物は、
長く使い続ける。大事にする。
これこそ、山梨の人の気質だと思います。
只、商品の方のサイクルの方が速すぎて、
修理が不可能と云うケースもあります。
そんな時は、時間を切らずに、
シーズン後に修理でお持ち下さい。
どうにか修復する手段を、
メーカーとも相談しながら検討しますので・・・
ウラッポの修理が、逆にお客様との信頼を、
崩すきっかけになってしまわないよう、
どうかスタッフを信用してあげて下さい。
今年のシーズン前に、
一度、ウラッポのチェックをお願い致します