おはようございます。
昨日は、ゆず湯

で温まりましたでしょうか?
柚の香りって、本当にリラックスできますよね。
大好きです。
さて、
今年はまだ一度も大好きなチヌのかかり釣りに、
一度も行けて居りません。
昨日の投稿にも書いた通り、
コロナで釣りどころじゃなかったからです。
緊急事態宣言が明けて以降、
少しずつ仕事は戻って来て、
兄のお供で、1回は釣りに行けましたが、
まだ回復しては居りません。
昨年のリベンジも、未だ果たせて居らず、
やはり清水が恋しいのです。
でっ、行けないならば、この釣りを、
もっとたくさんの人にも知ってもらいたい―
と、云う事で、
今日は、自分がこの釣りにのめり込むきかっけとなった、
カセの釣り船店の船長から云われたあのひと言―
あのひと言がなかったらきっと、
ここまでこの釣りに夢中になる事はなかったでしょう。
自分の「やる気スイッチ」を、強く押して下さった、
船長からのひと言を、お話しします。
自分は、どちらかと云うと、
釣りの趣向は、「広く浅く―」が基本です。
と、云うのも、食べる事が好きなので、
特定の魚を追い続けるのじゃなく、
節操もなく色々な魚を釣りたいタイプなんです。
だから、清水のお店に異動になって、
色んな釣りに行けるのが、有り難かったのです。
異動後、最初のカセに乗ったのは、
実は、初めてこの釣りをした釣り船店とは、
違う釣り船店さんだったんです。
で、お休みの日に、
他のお店のスタッフ数名で、
F釣り船店を予約しました。
因みに初めてのお店はY釣り船店でした。
まだ異動になる前で、
本県のお店に居た時の事でした。
清水で一緒に行った同僚の一人は、
普段はへら師。なので、海の釣りをしない人でした。
その同僚が、
「ボウズは嫌だから、ちょい投げもしましょうよ」
って、提案してくれたんです。
この「ちょい投げ」の、誘惑に勝てず、
持参したタックルの中には、
パックロッドとスピニングリール。
そして、投げ釣り用の仕掛け―。
しかもお店から、ジャリメまで買って行きました。
当日、カセを回して戴いたポイントは、
底に堤防の基礎となるケーソンが入っている、
三保に近い、
ケーソンヤードと云うポイントでした。
比較的に底が平らなので、
カセ釣りビギナーにも向いていて、
尚且つ、釣果も安定している一級ポイントでした。
が、ここに入れて戴いたのも、この日が初めて。
で、あろう事か、
最初に準備したのは、かかり釣りではなく、
ちょい投げの方のタックルだったのです。
仕掛けを投げて、糸ふけを取って、
置き竿にしておいてから、かかり釣りの準備・・・。
全く何をしに行ったのか分かんないですよね。
しかも、一投目から良型キスが釣れる―
嬉しい

で、またキャスト―
カワハギが釣れる―
楽しい

で、かかりは続けていながらも、
意識は完全に、夜の天ぷらに向いちゃってました。
で、お昼の出前タイムで、
F釣り船店の、先代の船長さんが、
「どうだあ、釣れたかぁ

」
と、釣果を尋ねて下さったんです。
かかり釣りの方は、当たり前ですが、
ボラしか釣れて居らず、
「ボラばっかですよ。
でも、ちょい投げでキス釣れましたよ」
って、きっとドやって云ったんだと思います。
俄に船長さんの表情がこわばって、
「そんなの釣ってから、釣れねーんだ!!」と、
結構なお叱りを受けてしまったんです。
こっちも、内心穏やかではありません。
仮にも、今日はお客様として釣りに来ている訳で、
何を釣ろうとこっちの勝手だろ・・・
って、思いました。
でも、こちらも客商売ですから、
「ごめんなさい、午後頑張ります」と、
出前の船を見送ったのでした。
兎に角、落ち着かないとどっちも釣れない―
そう思って、
出前の天丼(今はありません)を食べながら、
頭を冷やすことにしました。
天丼を食べながら思ったのは、
自分は今日、何をしにここに来たのか―
この釣り船は何を釣るための船(カセ)なのか―
この
コマシ(ダンゴ用のおから)だって、
釣り人のために毎日用意して下さって居る―
と、自問自答していました。
で、出した答えは、
自分が間違っている―
直ぐにちょい投げの仕掛けを回収しました。
「午後は集中しますよ」
と、仲間に伝えました。
もちろん、仲間の釣りは制約しませんでしたが・・・
そして、午後はかかり釣りオンリーにして集中。
なんとか
クロダイ2枚を釣りました。
まあでもいずれも25aくらいでしたから、
カイズですよね

けれど、
集中したら釣れた―
と、云う結果が素直に嬉しかったのです。
沖揚がりの時間になって、
また大船長さんが迎えに来て下さって、
今度は、
「どうだ!?」と、ひと言。
自分は素直に、
「ありがとうございます。2枚釣れました」と、伝え、午後は集中した事も伝えました。
そしたら、たちまち船長さん破顔の笑顔
「そうか、釣ったか!? 魚はいるから集中しないと・・・」あの午前中の一喝と、
午後の破顔の笑顔。
この二つの愛あるひと言に、
やる気スイッチ入っちゃいました
釣れたかじゃなく、釣ったか!?って云って下さった事―
この釣りは、正解を自分で導き出す釣りで、
釣果も大事だけど、それ以上に大事なのは、
釣果に至るまでのプロセスこそ大事である事―
それを気付かせてくれた船長さんに、
感謝の言葉しかありません。
以降、この釣りをする時に、
他の竿を持って行ったことはありません。
一途にチヌを追いかけています。
船長も以降、優しくあたたかく見守ってくれ、
初めて魚拓サイズ(40aアップ)を釣った時には、
本当に嬉しそうに笑って下さいました。
その写真が、釣り雑誌にも載りました。
普段はぶっきらぼうで厳しい船長さんでしたが、
この清水のカセ釣りに寄せる思いは「熱」そのもの。
本当に海の男でした。
釣具屋を辞めてから数年後、
夢中で今の仕事を追い続けていて、
カセに乗れていなかった時、
清水のある方から、大船長の訃報を伺いました。
その時思ったのは、
弔問じゃなく釣りに行こう。
大船長のご恩に報いるには、
釣ってお返しするしかない。
予約の電話を入れた時、
お悔やみを申上げ、
釣りをさせて欲しいとお願いしました。
ご無沙汰してしまったのに、
奥様も、今の船長さんも喜んで下さって、
前記の話しをさせて戴きました。
釣果は、大船長に捧げたく、
船長に伝えて、清水の海に帰して戴きました。
大船長、本当にありがとうございました。
その大船長の意志を引き継ぐ、
現船長さんもまた、アツい人です。
まだまだコロナも予断できないですし、
直ぐには清水に行けないかもしれない・・・
でも、これからもずっと、
この釣りだけはやめたりしません。
自分にとっても、大切な大切な釣りなのです