おはようございます。
まだまだ寒いですよね。
でも、確実に春は近付いています。
もう少し、ポカポカを待ちましょう

さて、もう太公望の皆さんは、
渓流釣りの解禁に向けて、
ソワソワされているのでははないでしょうか。
水温の上昇とともに、
徐々に魚たちも動き出します。
押杜川に放流された魚たちもまた、
春の訪れを、水の中で待ち望んでいます。
さて、そんな押杜川に放流された魚たちの、
紹介を続けますね。
前回は、『タモロコ』に、ついてお話ししました。
その際、日本の里川に棲息する多くの魚たちは、
コイ科の魚が多いんだとお伝えしました。
が、もちろん、コイ科以外の魚種もいます。
その代表として、今回紹介するのは、
ハゼ科の『ヨシノボリ』です。
先ず和名の由来から、お話ししましょう。
漢字で記せば、きっと皆さんも、
「はは~ん、そういう事かあ!?」
って、気が付かれると思うので、
漢字で記しますよ。
『葦登』です。『葦』は、川原に自生している、
あの『葦』で、それを使って移動する魚なので、
『ヨシノボリ』なのです。
「かやぶき屋根」に使われている、あの植物です。
が、現在、日本の各地でこの葦原が激減し、
日本家屋でも、かやぶき屋根は貴重となりました。
その裏で呼応するように、
『ヨシノボリ』も、激減しているのが現状です。
日本各地で川原の護岸が進み、
葦原が姿を消しました。
それに拠って、ヨシノボリも住処を追われました。
さて、ここでひとつ皆さんも、
ある疑問が浮かぶ事でしょう。
あんねんちっくい魚が、あんなに背の高い葦に、
登れるわけないじゃんけ―。と・・・
その通りで、さすがに木に登る様に葦を登る?
そんな事はないんです

冒頭、自分は
葦を使って移動する―。
と、書きました。
葦は、地下茎で広がっていく植物です。
川から水と養分を吸い上げて居り、
非常に奥が深い―。と、云う環境ができます。
拠って葦原がある事で、
ヨシノボリを始め多くの小型淡水魚や、
サワガニや、ヌマエビなどの甲殻類も、
住処や、産卵場所として使っている、
水辺の生態系を維持するための貴重な環境―。
と、云う事になります

ハゼ科であるヨシノボリは、
ご存じだと思いますが、胸びれが吸盤状になっていて、
川底の石や流木等に貼付いて、
かなりな急流でも、広範囲で移動ができる魚です。
高級食材とされる
ゴリ(鮴)も同じ仲間ですが、
その吸盤を使って、
1日に「五里(約20㎞)」も移動できる魚―
と、云う事で魚名になったとされています。
この川を移動する様が、
まるで葦を登る様だ―。と、云う事で、
『葦登』とされました。
また、ヨシノボリは、
地域や地方により生態や体型も異なる種が居り、
総称として使われています。
ちっちゃいけれど、結構なハンターですので、
縄張りに入って来る他魚を果敢に追い立てたり、
甲殻類、他魚の仔魚、水生昆虫やミミズなど、
貪欲な食欲の持ち主でもあります。
押杜川のヨシノボリをまだ見ていないので、
あくまでも想像でしかありませんが、
おそらく、シマヨシノボリか、カワヨシノボリ―
ではないかと考えています。
カワヨシノボリは、一生を淡水域で暮らすことや、
小型であると云う特徴があるので、
その可能性が高いと思われます。
が、子ども達に知って欲しいのは、
詳しい魚名なんかじゃなく(それも大事だけど)、
ちっちゃいけれど、こんな貴重な魚が、
自分達の住んでる地域にいるんだ―
と、云う事実です。
そして、そんな環境を守るために、
何か出来ることはないかと考える機会を、
創出してあげる事だと考えています。
以前、押杜川の土手に沿って、
葦が立ち上がり、プチ葦原があったんだそうです。
で、日当たりを遮ってしまったんだそう。
その為、根は枯らさない除草剤を使って、
刈り取ったと伺いました。
根が枯れていなければ、土手の奥には、
きっと、彼らが住処にできる環境が残っています。
と、云う事は、同じくここを住処とする、
ヌマエビ、サワガニ、ヨコエビなども居るのではないか。
田んぼが広がっていたかつての、
昭和町一帯の光景を思い起こせば、
きっとカブトエビや、ホウネンエビも、
見つかるかもしれません。
想像の羽根をいっぱいに広げて、
押杜川の自然に触れて、いっぱい感じて欲しい。
そんなチャンスを戴ける事を、
大事にしたいと考えています。
長くなってしまって、ゴメンナサイ

さて、次回は、コイ科の魚に戻って、
モツゴを紹介したいと思います。
口をすぼめて、お待ち下さい

わっかるかなあ・・・