北杜市小淵沢町の元FRP防水屋です。 といぅのはおもて向き。 実態は、落語とバイクとシャンソンと やしきたかじんが 好きな道楽オヤジです。社会人落語家『酔亭化枝(よってけし)』としても活躍中。落語・講演・読み語り承ります♪ 脳梗塞を発症して防水屋を廃業後は、移動スーパー「とくし丸」を北杜市内で開業。地域の皆さんへ恩返し中。
 
2012/10/03 19:07:17|趣味まんだら
山落語てんまつ〜その3
そのあとのことはよぉ覚えてまへん・・・(大汗)

かなり声が大きかったよぉで、一部ご就寝の登山客の方には、たいへんご迷惑をおかけいたしました。全てはワタシのせいでございます。
何度もボリュームを絞られながら、しばらくするとまた元に戻ってたみたいで、申し訳ありませんでした。ほんとうにごめんなさい。

翌朝、山小屋スタッフが部屋の外から窓にトタンを打ち付ける音で目が覚め。
台風がどんどん近づいてきてたんです。
情報によれば、小淵沢から乗るはずの、特急あずさは全面運休らしい!
とにかく早く下山して、駅で確認しようと、たいへんお世話になった小屋スタッフの皆さんへのご挨拶もそこそこに、下山を開始しました。
ところが、なぜかまだ風も穏やかで、ときおり日が差し込むほどの陽気。
ほんまに、特急止まってるんやろか!?
みな半信半疑のなか、それでも天気のえぇのは良いことです、順調に下って、全員無事に観音平へたどり着きました。
誰一人怪我もなく、編笠山登頂と落語会挙行を果たし、この企画がひとまず成功したことに心から感謝。

寄席スタッフとは、ここでお別れです。
全員で再会を約束して、出演者とウチの家族は小淵沢駅へ。
やっぱり全面運休はデマでは無かった。
どぉせ電車が動いてないんやったら、温泉行こうぜっ!といぅわけで、白州・尾白の湯へ。
やっぱりここのお湯は最高です。
北杜市内いくつも温泉施設はあるけど、ワタシはここがいちばん好き。
体質にあってるんでしょね。
ゆっくり温泉に浸かって食事もいただき、完全に復調いたしました。

さて。
わざわざ遠くからお越しいただいた出演者の皆さんを、このまま鈍行なんかでお帰しするわけにはまいりません。
中途半端なとこで申し訳なかったんですが、道路状況などを鑑みながら、八王子駅まで車でお送りし、そこから皆さん、電車でお帰りいただきました。
その夜、全員無事帰宅の連絡をいただいて、『空にいちばん近い寄席〜山落語』完全終了。

多数ご参加いただいた登山客の皆さま、青年小屋管理人の竹内さんと奥さまをはじめ、
山小屋スタッフの皆さま、陰になり日向になり力を貸してくださった地元スタッフの皆さん、
そして、トンデモ企画にもかかわらず快くご出演いただいた演者の皆さん、ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。
大勢の皆さんに支えられて、『山落語』は無事、成功の裡に幕を閉じました。


べつに望んだわけでもなく、ぐうぜん落語に出会ったおよそ5年前、まさかこんなことになろうとは夢にも思いませんでした。
けど確実に、落語はワタシという人間を、いろんな意味で大きく変えようとしてくれています。
それはきっと、この先もそうでしょう。

ふとしたきっかけで、人生、何が起こるかわかりまへん。
だから人間、あきらめたらアカンのでしょうね。
一生懸命やってたら、いつかきっと道は開ける。
そして、幸せな気持ちをいただいたら、ひとりでも多くの人にその幸せをおすそ分けしていく。
また幸せな気持ちになる。
これこそ、『幸せの連鎖反応』なんでしょね。

昔よく冗談で言ぅてました、「ワシゃ止まったら死ぬんじゃっ」
まだまだ走り続けたいと思います。

ただし、ワタシひとりの力ではありません。ここまでなんて、ぜったい来れなかった。
間違いなく、カミさんのおかげです。
ワタシは日本一幸せ者です。
もっともっと大切にせないかんと、反省いたしました。
あんまり書くと嫌がるんで、あとひとことだけ。

「○○○○○」
・・・お好きな文字を入れて、お楽しみくださいませ(爆)。

( 完 )







2012/10/03 18:08:21|趣味まんだら
山落語てんまつ〜その2
いよいよ本番30分前。
宿泊客の食事がすべて終わり、急いで高座をセットします。
頑丈なテーブルの上に、さらに敷き木とコンパネを重ね、高さを確保。
背景には、なんと管理人の竹内さんと奥さまが、この日のために一生懸命作ってくださった、
素敵な金屏風!!
山小屋で、金屏風を背に落語がやれるなんて、夢にも思ってませんでした。
お二人のあたたかいお心配りに、思わず涙があふれそぉ・・・。

導線とメクリ、そして出囃子を最終確認して、山小屋なのにマイクが使える素晴らしい環境の中、
ワタシら出演者はもぉ着替えないと間に合いません。
音出しはカミさんに任せ、慌てて支度部屋へ。

そして、本番。
竹内さんのご挨拶のあと、『野崎』に押されて、開口一番をワタクシめが。
ほんとうにあたたかい、素晴らしいお客さまでした!
その数約60名。
山小屋スタッフの皆さんや寄席スタッフを合わせると90名近い満員の会場は、
いっきにヒートアップします。
マクラから、もぉガンガンついてきてくれる。
登山に来て、知らずに落語会に出くわしたお客さまも半数くらいいらっしゃったのに、
皆さんもぉ、めっちゃ聴こう、楽しもうとしてくださってるのがびんびん伝わってきて。

ぽんぽん亭遊月さんの演目は『ハナコ』。立川志の輔師匠の創作落語です。
ネタおろしとはまったく思えないほどしっかり演じられて、客席はおなかがよじれるほどの大爆笑。
袖(・・・といぅか後ろ)から聴いてたワタシは、仕草がほとんど見えなくってめちゃめちゃ悔しかった!(泣)

仲入りでは、四人着物で写真を撮ってなかったことを思い出し、お客さまがいらっしゃるにも関わらず、大喜利よろしく高座に勢揃いして記念撮影(爆)。
せっかくやから、お客さまにも、自由に撮っていただきました。

仲入り後は傳右衛門さん登場。
一見、ご隠居さんを思わせる風貌からはとんでもない。
『やじろう』といぅ噺をかけられたんですが、
しゃらくせぃ、もたもたマクラなんかやってられるかいっ!
とんとぉんとネタに入ったかと思うと、これでもかっ!てくらいどんどんテンポアップしていって
たたみかける攻撃には、お客さまも爆笑に次ぐ爆笑!
とうとう終いには、座布団の上に立ち上がって、食堂の天井を持ち上げようとする始末。
すっごいパワフル高座には、ド肝を抜かれました。
これでほんまに還暦っ!?
なんだかいちばん元気そうな傳右衛門さんには大笑いさせていただきました!

さぁ、トリはいよいよ鹿鳴家吉遊さんです。
やはりさすがです。貫録が違う。
ワタシみたいな必死のパッチの高座ではありません。
すっと肩の力が抜けて、その抜けてるところがまた面白い。
なにしろワンゲル部出身の山男ですから、マクラでも登山客をつかむつかむ!
完全にお客さまの心をわしづかみにしたあと、ネタはご存じ『ちりとてちん』。
ふんだんにクスグリも盛り込みながら、仕草も天下一品で!
腐った豆腐をしぶしぶ口に流し込むとこでは、客席むせたり、悲鳴が上がったり。
吉遊さんに盤石のトリをつとめていただいて、
『空にいちばん近い寄席〜山落語』は、大盛況のうちに終演を迎えたのでした。

その後はもちろん打ち上げへ!
管理人の竹内さんからなんと!極上の日本酒まで差し入れていただいて、もう皆喋る喋る。
竹内さんのギター演奏まで飛び出して、夜が更けるまで宴は続くのです。

(さらに、つづく)







2012/10/02 6:27:12|趣味まんだら
山落語てんまつ〜その1
台風と台風の隙間を縫って、かねてよりお伝えしておりました『空にいちばん近い寄席〜山落語』、おかげさまで盛況のうちに幕を閉じました。

全てはご協力くださった青年小屋管理人の竹内敬一さんと奥さまをはじめ、小屋スタッフの皆さん、地元小淵沢の仲間、お集まりいただいたお客さま、無茶な企画に快く付き合ってくださった出演者の皆さん、そして最愛のカミさん・・・皆さんのおかげです。
ほんとうに、ほんとうにありがとうございました。

開催日が近づくにつれ、先の台風18号が速度を上げて日本列島から離れ、ぐんぐん天気が回復してきたのもつかの間、さらに大型の17号が直撃する予報にハラハラしながら迎えた当日。
下界から見上げる編笠山は、雲こそ少し出ていたものの、くっきりとその姿を現して、ワタシたちをやさしく迎えてくれているようでした。
出演者、寄席スタッフ総勢12名。小学3年生の男の子も立派なスタッフの一員です。
柔らかい木漏れ日の中、午前11時、観音平を出発しました。
「こんなにきついとは思わなかった!」
途中、だんだん口数の少なくなる、ご出演の皆さん。
このあと、高座もあるんですよっ。
ところが、ある時は木々の合間、またある時は岩場に腰を下ろして、眺める景色のほんとうに素晴らしいこと!
遠くに富士山を臨み、下界の街並みもくっきりと見えて。
そんな景色に力が湧いてきたのか、還暦を迎えられたばかりの出演者・傳右衛門さんの足取りが軽くなる、軽くなる。頂上が近づくにつれ、どんどん元気に登っていかれました。

午後3時過ぎ、何度かの休憩を経て、無事登頂!
八ヶ岳・編笠山の頂上2524m、全員無事に到達しました。
360度、遮るもののない、見事な絶景。

主峰赤岳をはじめとする八ヶ岳連山がくっきりと、こんな眺めはワタシですら初めて。
諏訪湖の向こうには中央アルプス、北アルプスの山並み。南は富士山、正面には甲斐駒、北岳。
遊月さんが持ってきてくれた桃の缶詰を、皆で美味しくいただきながら、全員で無事登頂を称えあいました。

夕食の時間に間に合うよう下山開始。山頂から15分ほど下ったところに今回の寄席会場兼宿泊先『青年小屋』があります。
途中、ヒカリゴケの鮮やかなグリーンに癒されたり。
最後の難所、大きな岩場を伝い歩き、午後4時、全員無事に小屋へ到着。
乾杯のビールの、なんと旨かったこと!!

けど、まだ呑みすぎるわけにはいきません。
なにしろこのあと、メインイベントである、高座が待ってるんやから。
午後4時半、高座準備のある関係で、一般のお客さまより先に食事をとらせていただきました。
メニューはなんとっ!!
管理人さん自ら焼いてくださった、信州牛のステーキ\(◎o◎)/!
めちゃめちゃ柔らかくて美味しかった!!

いっきに元気を取り戻します。
食事を済ませ、部屋に戻ってからは、メクリ台をセットしたり、最後のネタの稽古をしたり。
メクリはなんと、この『山落語』のために、吉遊さんが書き下ろしてくださいました!
プロの噺家さんにも作品を提供なさってる吉遊さん。高座がぐんと深みを増すこと間違いなしです。
高座設営は、御泊り客の皆さんの、食事がすべて終わってから。
本番へ向けて、少しずつ緊張が高まってきます。

(つづく)









2012/09/28 13:36:19|変態な日常
ちいさい秋みぃつけた
明日はいよいよ『山落語』の日。
台風は、幸いにも土曜日の八ヶ岳を避けて、進んでいるようです。
とはいえ、進路にあたる地域の皆さんは、
くれぐれもお気をつけ下さいね。

庭で、小さな秋を見つけました。


写真左から、今朝の八ヶ岳・彼岸花・山椒の実







2012/09/24 22:46:18|趣味まんだら
愛知県蒲郡『福寿いなり寄席』
全国各地で落語会や落語大会が行われましたこの週末、ワタシも愛知県へ出かけてまいりました。
拙ブログにも何度もご登場いただいております『微笑亭さん太』さんからお誘いいただき、
JR蒲郡駅前・福寿稲荷商店街は『第50回福寿稲荷ごりやく市』に出演させていただいたんです。
前日の夕方、雨の予報でいったん中止の連絡をいただいたんですが、やはり50回という節目なので「落語は屋内やし、決行することになりました!」と、再度ご連絡をいただいて。
翌早朝、土砂降りのなかバイクを飛ばして行ったんですが、思ったより順調に到着。
さん太さんに迎えに来ていただきました。
そしていよいよ。
あれほど苦しんだマクラは、やっぱり・・・でしたが、ネタはがんばりましたっ。

<午前の部>
『お達者バイト』 (微笑亭さん太作) 微笑亭さん太
『ねずみ』              酔亭化枝
<午後の部>
『結婚相談所』  (微笑亭さん太作) 酔亭化枝
『井戸の茶碗』            微笑亭さん太

さん太さんは、4年連続社会人落語日本一決定戦・決勝進出を決めた『お達者バイト』と、
『井戸の茶碗』。
マクラから、ぐいぐいお客さまをつかんで離しません。
『井戸の茶碗』のような人情噺にも、いたるところにクスグリがちりばめられて、それはもぉ、
目も耳も離せない見事な高座でした。

ワタシはと申しますと、午前の『ねずみ』は精一杯やりきりました。
さん太さんがたっぷりと客席をあたためてくださったおかげで、わずか一分のマクラでネタに入ったにもかかわらず、しっかりとお客さまもついてきてくださって。
午後の『結婚相談所』は、自分では納得のいく出来ではありませんでした。
敗因は、やはりマクラでしっかりとお客さまを惹きつけるのが足りなかったことやと、さん太さんの高座を拝見してて、つくづく思いました。
それでもさん太さんからは、『ねずみ』とともに褒めていただいて、
ほんのちょっとだけ救われた思いがしました。
ただ、『ねずみ』のとき、子どもが泣くシーンで思わず涙が溢れそうになった時は困りました。
あれって、お客さまにはどう映るんでしょうね。
演者が泣いてしもたらお客さん引くやんっ!て、思うんですけど・・・。

無事、さん太さんとの夢の二人会が終了し、外に出ると雨もすっかりあがってて。
そのまま、これまた社会人落語界の巨匠『竜宮亭無眠』さんが出演なさってる、岡崎の
『第33回萬徳寺寄席』へ。
仲入り後の二席、聴かせていただきました。
トリはもちろん無眠さん!
ハメモノも入る豪華な『狐芝居』。見事な熱演と最後の素敵なサゲ(オチ)に大満足!
その後、打ち上げにも参加させていただき、たいへん楽しい時間を過ごさせていただくことができました。
無眠さんやさん太さんと、こんなにたくさんお喋りさせてもらったのは初めて。
めっちゃ楽しかった。
とくにさん太さんには、朝から晩までまる一日お世話になって。
ほんとうに、ほんとうにありがとうございましたっ!!

こぉして初めての蒲郡〜岡崎の夜は、幸せに更けていったのでした。



写真は左から、雨のJR蒲郡駅到着、福寿いなり寄席会場、萬徳寺寄席会場