新聞、雑誌等に書いたもの、どっかでしゃべったこと、書き下ろし……の置き場です。 主に文学・歴史関係が多くなるはずですが、何にでも好奇心旺盛なので、どこまで脱線するか?!。 モノによっては長いのもありますが、興味のあるところから御覧下さい。
 
2010/11/28 13:58:08|甲府
甲府文芸講座(グローマー教授)
甲府文芸講座でグローマー教授(山梨大学)の話を聴いてきた。
講演内容はもちろん質疑応答でも、いくつか興味深かかった。

まず、甲府の瞽女(ごぜ)集団が、一人の女元締め(師匠でもある)紅革おかんの元に束ねられていた「集中型」であったこと。
彼らを搾取しようとする、上部機関、たとえば諸芸の元締めだった浅草弾左衛門のような存在はいなかったこと。

また、彼らの「意識としては」、自分たちは賤業の芸人とは別物だとする明確なプライドを持っていたという点。
けれども、意識は意識として、「現実」の彼女らの社会的処遇はどうだったのか、もうすこし突っ込んで伺いたいところではあった。
そのために私は猿挽きなどの例を出して質問してみたのだ。
猿挽きは、自らの意識(あるいはタテマエ)と社会的地位がかなり食い違っていた例だと思うし、瞽女もそのようなことが言えないだろうかと考えたからだ。

また、兵藤裕己氏が「〈声〉の国民国家ー浪花節が創る日本近代」(講談社学術文庫)の中で、瞽女の「ことば」が「共通語」であったと指摘していたことを確かめたところ、フィールドワークの経験から、氏がはっきりと否定されたことも印象的だった。

それにしても、明治6年に藤村権令によって解散させられた後の甲府の瞽女集団、また、紅革おかん女親分は、その後、どのような末路をたどったのだろうか、様々に想像力が広がる。

写真は公演するグローマーさん

次回は自分が話さねばならない。
宿題・発表を負わされた生徒みたいでプレッシャーである。

第3回講座
12月18日(土)13:30〜16:00
甲府市立図書館視聴覚ホール
<町場>の芸能 ―若松座・桜座ほか
講師 福岡哲司(都留文科大学講師 出版猫町文庫主宰)

 神事芸能から舞台・寄席芸能へ
  太神楽師 鏡味仙三







2010/11/27 9:29:00|甲斐の夜ばなし
黒平の栃の木
 金峰山の麓の黒平(くろべら)の村外れに一本の古い栃(とち)の木がございました。
なにしろ大人二人の腕では抱えきれそうにない巨木です。
栃の木は人の胸の高さで二股に分かれておりました。

 山への行くさ帰るさこの栃の木に眼を留めていたひとりの樵(きこり)がございました。
樵は腕のいい臼(うす)職人でした。

 秩父の山々のてっぺんにうっすら白いものが見え始めた頃、樵は栃の木を刈ろうと思い決めて山に入ってゆきました。
斧(おの)と鋸(のこぎり)とくさびを背負って、切った栃を括りつける修羅(しゅら)を引いておりました。
翌年の旧正月までに新しい臼を一つこしらえようと思っていたのです。
樵は修羅に積んだ毛皮にくるまって二晩もここに泊まれば臼の木は取れるだろうと考えていました。

 樵は栃の木に斧を振り下ろしました。
とたんに股間に激痛が走り、樵はその場に臥してしまいました。
うめきながら見上げると、斧の食い込んだ栃の木の幹からは赤い血が滴っているではありませんか。
「これは神さんの木に相違ねえ。とんだもねえこんをしちまった」
と恐ろしくなった樵は、ちぎれるほど痛い股間をおさえおさえ、転げるように家へ戻って一晩中うんうん唸っていたと。

 村の者には、
「あん時ゃ、急に疝気(せんき)が起こりやしたよ」
と言っておりましたが、二度と木を伐ろうとはしませんでした。
村人は、
「夫婦の栃の木の男神さんを伐るようなこんをした罰(ばち)さ」
と言ったそうです。

栃の木は雄の木から二股になって雌の木が伸びていると言い習わしていたそうです。
栃の木に女の児がよじ登って木の股で遊んでもなんともないのです。
一方、男の子が遊ぶと必ずけがをしたり、落っこちたりしたそうでございます。
根元に立ち小便なんかしたもんなら大変で、あそこが腫れ上がると言ったそうです。(甲府市)

写真は御岳の夫婦木神社。







2010/11/27 9:19:00|樋口一葉
一葉を考えるためのフレーズ(5) 浮世の人のあさましさ
一葉を読んでみて、彼女の短い生涯、その心の有り様を見るとき、どうあっても見過ごしてはいけない、
と私が考えるフレーズを抜き出してみました。

 只(ただ)利欲にはしれる浮よの人あさましく厭(いと)はしく、これ故にかく狂へるかと見れぱ、金銀はほとんど塵芥(ちりあくた)の様にぞ覚えし「塵之中」

写真はお茶の水橋、聖橋の重なって見える風景。江戸期からの渓谷で景勝地だった。日記によれば、一葉と邦子の姉妹は、新造の鉄橋の御茶ノ水橋から月を眺めたりしている。







2010/11/26 17:41:51|出版「猫町文庫」
猫町界隈
「猫町文庫」の「社屋」の周りはまさに猫町。
車のタイヤは爪とぎ用。
ちっぽけな花壇はトイレ。
深夜の庭は恋猫たちのデート場所。
もちっと静かにできんもんかい。







2010/11/26 17:28:24|グルメ
博多・長浜ラーメン
知る人は知っている、韮崎の町はずれ(祖母石)の店。
それにしても、なぜ「祖母石」と言うのだろうか?

ドクターやクリニックのナースには叱られそうだが、
時々、ここのトンコツラーメンが無性に食べたくなる。
前は、チャーハンとセットだったのだから、乱暴である。
今は、替え玉1個で我慢している。

こちたい人々は、最初から紅ショーガとかすりごまなんか入れるな、何通りも味を楽しめ……なんてウンチク垂れるかもしれない。
でも、私は最初から、入れるものは入れて始める。
でも、辛子高菜は入れない。
最初から、我慢などせずに、自分の好みの味がいいのである。
淡いピンク色に染まったスープも、多少は飲んでしまって、思わず、「しまった」と辺りを見回す。