引き続いての投稿です。
この東日本大震災が起きた2011年の夏にも、 当然のように、この事業を実施致しました。
毎年の夏、 東京都の八丈島で繰り広げられる、 『やまなし少年海洋道中』です。
この年の海洋道中に向かうに当たり、 自分が、或いは「我々」が、したこと。 そして、できたこと。
14年目となった今日、 改めて思い返してみることにしました。
震災があった年―
確かにその年であったのだけれど、 八丈島で、我々が行った「でっかい体験」は、 他の年と、変える事はしませんでした。
いつもと同じ様に、 多感な中学生達と共に、山梨には存在しない、 「海」の自然を、身体と心いっぱいに、 体験すること―
に、敢えて努めていたと記憶しています。 海に潜って、色とりどりの魚や海洋生物達に出会う、 『スノーケリング』も、
漁船に乗って、海を直接体感する『クルージング』も、 地域の伝統漁法である『ムロアジ棒受網漁の見学』と、 名産である『クサヤ作り』も、予定通りに行いました。
1泊2日で、島を歩いて1周する『サバイバル踏破』も、 希望者のみでしたが、『釣り体験』も、 そのまま実施したのでした。
この年の指導者が申し合わせていた事は、
子ども達を、「海」から、遠ざけてはいけない・・・
と、云う事でした。 あの日、『津波』となって、牙をむいた「海」でしたが、
かと云って、リスクを恐れて中止にする事よりも、 リスクがあるからこそ、
「海の自然を体感すること」
それこそが重要であろう・・・
それは、我々を向かい入れて下さった、 八丈島の教育委員会の皆様も、 同じ思いだった様に感じました。
そのうえで、 当時、「環境係」の、指導者として同行した自分は、
この特別な年となった事業の実施に、 幾つか、震災について考えてもらう「ワーク」を、 準備して、現地研修に臨みました。
その一つのワークで、 被災地の仲間に向けて、メッセージを送ろう―
と、我々が体験したうえで感じた、 『海』の、素晴らしさや、 『海の恵(めぐみ)』の、豊かさや、
海を体験させて戴いた素直な感想と、 同学年の被災地の「仲間」に、手紙を書こう―
そう呼びかけて、実際に集めたメッセージを、 「福島県」の、知人に送りました。
そのメッセージが、実際に福島の仲間に、 届いたかどうかは未確認ですが、
中学生達は、自分が予想した以上に真剣に取り組んで、 50人全員のメッセージが揃ったのでした。
この年、 県内にも被災地から越県で避難されて来た、 ご家族も多くいらっしゃって、 新年度早々に、 募集要項が全県の中学校に配られました。
当時の事務局に、 もし、そんな子が応募してくれる事があったら、 無料で連れて行ってあげたい―
そんな要望もしていたのを思い出します。
あれから14年が経って、 あの年の夏に参加した中学生達は、 立派な社会人となって活躍しています。
あの年の夏 海から大きな贈り物をもらった山梨の子が、 今も変わらず、被災地に思いを寄せている事を、 我々は、強く信じています。
もしかしたら、 東北の地で働いている者も、いるかもしれません。
写真は、八丈の景勝地、 大坂上からの、海の風景です。
見えている島は、「八丈小島」です。
|