5日夕の自主強化稽古会には一般・指導者を含め14人が参加しました。特にこの日の山梨県中学校新人大会で見事準優勝した竜王中のメンバーの匠君、健介君、一麻君の3人も全員が参加し、お祝い稽古となりました。
通常の素振りの後、太鼓の音に合わせて送り足、踏み込み足を重点に足捌きを行いました。左足の引きつけ、踏み込む方向に瞬時に左膝を向けるのがテーマです。三方向の踏み込みは小5の朝紀君に見本を示してもらいました。小2の朱理さんも一生懸命すり足に取り組みました。
面着けからは残り30分です。50本切り返しを数回、背中まで竹刀をつけて振りかぶっての切り返し20本を少々行いました。面を着けて竹刀を背中までつけることはたいへん難しいのですが、個人的には大学1年の夏合宿で大きな体育館の端から端まで何度もこの大きな切り返しをしながら何度も何度も往復して、肩甲骨の動かし方や上体に無理のない振りかぶりを体で学んだ覚えがあります。振りかぶりが小さくなりがちな切り返しを一本一本大きく強く振りかぶって行うように心掛けてほしいものです。館生は一生懸命大きく振っていました。
続いて大きく振りかぶっての面打ちを行いました。太鼓の音に合わせて攻め足、踏み込みを何度も行っていましたので、その実践です。遠間から小さく攻めて大きく踏み込むことを心掛けました。
面体当たり引き胴を交互に繰り返しました。面体当たり引き胴−元立ちが追って面−それに対して出小手または返し胴も行いました。相面も行いました。
面に対する連続応じ技と小手に対する連続応じ技は技を限定して行いました。出小手では相手の起こりをうまく捉えられる、押さえられる館生もいれば、反対に振りが上に向かってしまって強度が足りない小手になってしまう館生も見受けられました。
面返し胴では最近、胴打ちの研究に余念がない朝紀君の面を竹刀で受けてから胴に返す速さが際立ってきました。後はもう少し右に開く足捌きを身につければ相手と正面衝突しなくて済みます。相手の左肩と自分の左肩がすれ違うくらいの方向性を覚えましょう。好きこそものの上手なれで得意技ができるとほかの技にも冴えができてくるから不思議です。
面すりあげ面では小4の匠君がしっかり決まらないまでも大事にすりあげを行っており、そう遠くない将来に試合でもすりあげ面で一本を取れるようになると思います。成君はさすが応じ技の打ち損じが少なく、感心します。切り返しを見ていても館生の中で最も体の軸がぶれない選手だと思います。
十数秒の短時間の地稽古ではどの館生も思い切った技が繰り出せていました。
中3の匠君と中2の直幸君は日本剣道形を集中して学びました。ほかの館生は基本技稽古法なども学びました。稽古時間は1時間10分でした。このあと、小4の匠君は国語の勉強をきっちり30分しました。中学生は本部審査の学科問題について研究しました。
この日は私の46歳の誕生日です。一般には八段審査受審の年齢制限が解除されるので、ちょっとした感慨があります。まだ1年半ほど受審資格はありませんが。中2の匠君が笑顔で「誕生日おめでとうございます」と祝福してくれましたので、「君たちの県大会準優勝が最高のプレゼントになったよ」と答えました。直心館の館生では、遥香たちの代の竜王北中女子の県大会優勝は何度かありましたが、その時以上に喜びも一入(ひとしお)のうれしい準優勝であり、心の底からうれしい贈り物でした。
この日の決勝で竜王中で唯一2本勝ちした一麻君は2日前の錬成会で同じ相手と対戦し、その時は負けていたそうです。決勝では臆することなく果敢に攻めて勝利し、他の中学校から出場した館生曰わく「いつもの一麻と違って驚いた」との頑張りようでした。
私が「目立つ決勝だけ勝ったんだねぇ」とからかったところ、お母さんと一麻君から「失礼な、3勝しています」ときっぱり反論されました。3勝3敗。剣道を始めて間もない1年前のスポーツテストで誰もが目を疑う得点を出し、基礎体力づくりを含め、「この子には特別な指導をするべきなのか」思案しましたが、ほかの誰にも負けない素直さを持ち、兄弟そろって自主強化稽古にもほとんど休まず参加する努力家だけにその心配もどこへやら、期待以上に急成長しています。
おかげさまで部活動の顧問の雨宮先生、野球部顧問の水下先生をはじめ、竜王中が剣道部を復活に向けて強力にバックアップしてくださっていることが今回の結果につながっています。雨宮先生は私と小中の同級生ですが、赴任先の剣道部をいつも山梨県上位に育て上げていく不思議な才能を持っています。「雨宮マジック」の言葉も一部ではささやかれているほどです。ご自身はまだ剣道をされていませんが、周囲の力を結集させる気配りを忘れないところが素晴らしいと感じています。
今回の新人戦で竜王中は3回戦で代表戦勝ちという苦しい場面もありました。どのチームも戦力は拮抗し、ましてや来年度はどう勢力図が変わるか予想もつきません。他人の1.5倍、または2倍以上努力と工夫をした人が県大会でも活躍していくのではないでしょうか。
来年度は中学も高校も山梨で関東大会が開かれます。地元開催の地の利を生かして、山梨剣士の活躍を期待しています。
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