『数の子』の、お話しをさせてもらったので、 今日は、その続編と致しましょう。
いきなりですが皆さん、 オンボロロ〜 オンボロロ〜♪♫ と、切なく歌い上げる演歌、 『石狩晩歌』って、ご存じですか?
自分くらいの年代の方でも、 ギリ知ってるくらいでしょうが、 北原ミレイさんが歌って大ヒットした曲です。
この曲、かつて大繁栄した石狩湾でのニシン漁が、 いつしかニシンがいなくなって漁が終わり、 繁栄の象徴として建てられた、 豪華な『ニシン御殿』も、 今じゃオンボロになってしまった・・・
と、娘盛りの一時を、番屋でやん衆(漁師)の、 世話に明け暮れるニシン漁に捧げた女性の、 悲哀が歌われています。 大正末期から昭和初期にかけての漁獲は、 本当に凄かった様です。 それくらい、ニシン漁はかつて北の漁場に、 富をもたらす一大魚種だったのです。
ニシンは、おおよそ二月くらいから、 北海道の何カ所の湾に産卵のために接岸し、 一斉に産卵行動をするため、 湾の海面が雄の出す精子で白く濁る―。 と、云われています。
こう書かざるを得ないのは、 自分が見たことがないからな訳ですが、 それでは現在、 ニシンは全く居なくなってしまったのでしょうか?
と、云うと決してそうではなく、 漁として成立するほどは獲れない―。 と、云う事であって、 居なくなってしまった訳ではありません。
だからと云って、資源量が回復した訳でもなく、 希少な魚であることは云うまでもありません。
が、ニシンは今も日本食には欠かせない食材であり、 中でも、やはり数の子の利用は、 日本では欠かせないものとなっています。
なので、魚卵の投稿にも書いた様に、 今はカナダ産、ロシア産などのニシンを、 一度凍らせてから解凍して、数の子に加工されるので、 味は若干落ちると言われています。 特にあの独特の食感は及ばないと・・・
なので、本当に新鮮な数の子を食したければ、 北海道まで行って、 釣りで生のニシンを確保するしかないでしょう。
仕掛けは群れの中に、 サビキの仕掛けを入れてあげれば、 結構釣れる―。 そんな風に、あるサイトで紹介されていました。
さて、子持ちのニシンを確保したなら、 腹を割いて数の子を取り出すわけですが、 写真の様に、結構お腹にびっしり詰まっていますから、 形良く取り出すには、深く包丁を入れない事や、 卵を慎重に扱うことが求められますね。
で、ここからが大事ですが、 産卵前であれば抱卵中であっても、 魚本体の味も美味しいですから、 煮たり、焼いたりで、 是非とも召し上がって下さいね。
そして、ニシンが単に数の子の親―。 って、認識では無く、貴重な魚種として、 有り難く戴いて欲しいと思って居ます。 |