先日、車のラジオから流れたあるニュースが、
どんっと、自分の胸に刺さりました。
別に、驚いたとか―。とか、そう言うのではなく、
なんとも感慨深いと云うか、
とっても不思議な感覚になりました。
どうして10年もの月日が流れた今になって、
どうしてあの場所に・・・。
って云う、感動と云うか、
もしかしたら、あの場所が選ばれたのかもしれない―。
そんな、「待ち人来たり」
みたいな、気持ちなのです。
あの場所と云うのは・・・。
それは、このブログでも度々お話ししている、
自分の大好きな場所であり、
第二のふるさととも感じている、「あの島」。
そうです。伊豆諸島の八丈島です。
その八丈島の中でも、
毎年、凄くお世話になっていて、
優しい方ばかりの、特に好きな場所である、
八重根漁港です。
その八重根漁港に、
東日本大震災で被災し、大津波で流された船が、
震災から10年が経とうとしているこの時期に、
流れ着いたと云うのです。
自分が八丈に行き始めたのは、
2005年からでした。なので、
当然、2011年にも行っている訳です。
それ以来、
今年コロナで行けなかった外は、
毎年行っているのに、
東日本大震災が絡んだような事は、
一度もなかったと記憶しています。
そこで、改めてこのニュースを取り上げた、
WEBニュースの記事をじっくり読み返してみました。
某王手新聞会社のWEB版の記事です。
その船が見つかったのは、今月10日の夕方です。
ですから、あの日から丁度9年と9ヶ月―。
となる、僅か一日前と云う事になります。
偶然にしても、凄いタイミングですよね。
以下が、その記事を原文のまま引用したものです。
一度、お読み下さい。
↓
東日本大震災の津波で漂流した小型漁船が、
9年9カ月の歳月を経て、東京・八丈島で見つかった。
地元漁協が船の登録番号を確認し、
宮城県気仙沼市の漁協支所所属の船と判明した。
船内には大量のサンゴが付着しており、
どのようなルートを漂流したのか関心を呼んでいる。
船は10日夕、
同島の八重根漁港付近を漂っているのが見つかり、
漁協がロープでえい航して港に陸揚げした。
FRP(繊維強化プラスチック)製で、
全長約5・5メートル。
船の内側は鮮やかな彩りのサンゴで覆われ、
船内にたまった海水には
八丈島付近でも見られる海水魚
オヤビッチャがたくさん泳いでいたほか、
カニも出てきた。
登録番号から、
宮城県漁協唐桑支所(気仙沼市唐桑町)所属の船とわかった。
船の所有者と連絡がついたが、
八丈島での処分を依頼されたという。
海流に詳しい島の人は、
「潮の流れからすると、震災後に米西海岸付近に流された後、
北赤道海流で東南アジア付近に移動し、
黒潮に乗ってここに漂着したのではないか。
サンゴの付着具合から見て、
長い間、熱帯の海を漂っていたことも推測できる。
北太平洋を2周したのかもしれない」と話している。
近年では、東日本大震災で流された
岩手県釜石市の漁船が昨年8月、
沖縄県金武(きん)町の海岸で
約8年半ぶりに見つかった例がある。
↑
以上 引用終わり
この記事を書いた方はお名前からして女性で、
しかも、八丈島にとても多いご苗字でした。
なので、きっと故郷で起きたこのニュースを、
記事にする事を、指名されたのかな・・・。
そんな想像もできました。
他の記事では、船の下にムロアジの群れが居た―。
って、書いてあるのが多かったのですが、
この記事には、敢えてでしょうが、
『オヤビッチャ』が、書かれています。
島では本当に馴染みの深い魚ですが、
割と本州の方は、
ご存じ無い方が多いんじゃないでしょうか?
そんな事からも、この記事を書かれたのは、
きっと八丈の方だろう・・・。
そう感じました。
ところで、上の写真をご覧下さい。
実は、どちらも八重根漁港で撮った写真です。
このブログでも、
もう一つの、「HOOK〜」の、ブログでも、
何度も書いていますが、
毎年の八丈キャンプの中で、最も大きなプログラムで、
野宿をしながら、1泊2日をかけて島を歩く、
『サバイバル踏破』と、云うプログラムがあります。
そして、ご覧の通り八重根漁港には、
屋根も、水道も、トイレもあるので、
格好の食事・給水・休憩のポイントになっていて、
敷地の一角をお借りする事を、
いつも快く協力して戴いて居ります。
そればかりか、港にどなたかスタッフの方がいらっしゃれば、
気さくに声を掛けて励まして下さいます。
しかも、運が良ければその日に水揚げされた新鮮なお魚を、
慣れた手でささっと捌いて下さり、
お刺身にして振る舞って下さる事もあるんです。
お魚がない時にも、ジュースやスイカなど、
子ども達が喉から手が出そうな程に、
その時欲しているものを、差し入れて下さったりもします。
本当に素敵な漁師さん達にお会いできる場所で、
指導者の自分達も、たまたまパトロールでそこに行くと、
子ども達と一緒にご相伴にあずかったりもします。
この時は、あいにくの雨模様でした。
赤い帽子は3班です。
雨宿りがてら休憩したこの時のメンバー達は、
港内の一角に、普段は見たこと無いような魚が、
集まっているのを見つけました(写真左)。
座布団くらいはありそうなトビエイに、
それにくっつこうとしているコバンザメもいました。
特に他の魚にくっついていないコバンザメの姿は、
どことなくマヌケで、ユーモラスな姿。
悠々と泳ぐトビエイ。
自分も一緒に、声をあげながら見ていました。
それを、後方からパチリとやった写真です。
壁画が見えますでしょ!?
あの先に船揚場があるんですよね。
暫く騒いでいると、やがて漁師さんが出て来て、
「カツオ食うか!?」と、声を掛けて下さって、
とれとれのカツオの刺身をドーン!!
いかにも漁師料理らしく、発泡スチロールのふたに、
ドーンとカツオを豪快に盛って出して下さいました。
うまそうでしょ(笑)いやあ、うまかったですよ!!(写真右)
こんな素敵な漁師さん達がいる漁港だからこそ、
きっとこの船が、ここを選んで漂着したんだ―。
って、何故か確信めいたものがあるんです。
インタビューを受けた漁師さんも、
どうやって、ここに来てくれたのかな?
そんな風に話されていたそうですよ。
なので、できれば震災の貴重な資料として、
この船、八丈で保存してくれればいいなあ・・・。
って、密かに思っています。
また来年、無事に島に行けたなら、
この船の前で、子どもたちに色んな話しができそうです。
きっと大きな学びにも繋がる筈です。
クリスマスイヴの今日、
この船はもしかしたら、サンタさんの海上ソリかも!?
きっとサンタさんに導かれて、
癒やしの島、八丈島に辿り着いたんだと思います(^_^)v