今朝、新聞に載っていた訃報のニュースを知り、 目を疑い、そして、寂しさが込み上げて来ました。
自分が釣りを始めたのは、 家族の影響が大きかったのだけれど、 でも実際に、釣りを教わったのは、 あの漫画から全てを教えてもらった―。 そう言っても、決して過言ではありません。
そう。あの『釣りキチ三平』の作者、 漫画家の矢口高雄先生が、 11月20日、午後5時46分に、 膵臓がんのため、 入院先の病院でお亡くなりになりました。 謹んでご冥福をお祈り致します。
自分がまだ小学生の時に、 週間の漫画雑誌で、 『釣りキチ三平』が、連載されていました。
毎号、ストーリーの後に、 釣りの仕掛けの絵と解説が載っていて、 自分は、それをスクラップして、 仕掛け作りは、ここから覚えました。
当時はまだ祖父も存命で、 一平じいちゃんよろしく、糸の結び方や、 ハリの結び方を教えてもらって、 釣りに行くのが楽しみでした。
先生の自然に対する畏敬の念や、 故郷の自然への愛が絵からあふれ出ていて、 自分と三平くんを重ね合わせて、 釣りが上手くなりたい―。って、憧れていました。
そして、自分は「釣り具屋」さんにまでなり、 子どもの頃、先生と三平くんから教えてもらった釣りを、 今もずっと続けています。
そして、先生が描く釣り場にはゴミ一つなく、 こういう綺麗な環境の中でこそ、 釣りをしたい―。と、願うようになり、 釣り具屋と云う仕事に、いつしか違和感を覚え、 今の仕事が始まったのでした。
思えば、自分の心の中には、 常に三平くんと、取り巻くキャラクター達が居て、 希望と勇気を与え続けてくれた気がします。
自分にとってかけがえのない存在が、 ご逝去されてしまった事は、 たまらなく寂しいです。
だからこそ、先生がいつも描き続けていた、 美しい風景の中で、釣りができる喜びを、 ずっと伝えていきたいな。と、 改めて、決意を新たにしました。
先生の故郷にある記念館には、 現在、祭壇が設けられたそうです。 また、公式ホームページにメッセージも寄せられる―。 との、事でした。
在りし日の先生に、 釣りのイベントで一度だけお会いしたことがあります。 あの優しい笑顔は、忘れられません。
矢口先生、そして、三平ファミリーに、 心から感謝を申上げます。
本当に、本当にありがとうございました。
写真は、三平くんと一平じいちゃんが、 故郷の山、鳥海山を見上げている晩秋の一コマです。
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