漁業を営む権利や漁場の利用などを定めた漁業法では、 漁場を海で営む海面漁業と、 湖沼を含めた河川で営む内水面漁業とに、 大きく分けています。
そのうえで、水産資源の採捕の方法や、 管理の状況を踏まえて、各漁業協同組合に「共同漁業権」を、 当該エリアの都道府県知事が付与しています。
なので、一般的に河川・湖沼における漁業については、 内水面漁業とされ、付与される漁業権は、 「第五種共同漁業権」と、なる筈なのですが、
実は例外があって、日本の中で現在、 ある二つの湖での漁業については、 湖でありながら、海面とみなされて居り、 特殊海区として、漁場が管理されています。
その「ある湖」って、云うのが、 茨城県にある『霞ヶ浦(北浦を含む)』と、 滋賀県の実に6分の1を占める、日本一大きな湖―。 そう。琵琶湖です。
その理由として、やはり日本を代表する大きな湖である事。 また、その大きさに対して漁業者の数が少ないため、 便宜上、「海」としているのです。
そのような理由で、霞ヶ浦と琵琶湖は、 湖なのに、なぜか海―。と、云う区分になっているんです。 ちょっと不思議な感覚ですよね。
ところで、この日本を代表する2つの湖では、 どんな漁業が生業として確立しているでしょうか。
左の写真は、霞ヶ浦でワカサギや、 シラウオの漁を行う「帆引船」です。 この2種は、水産資源としての価値も高く、 霞ヶ浦の代表的な漁業となって居ます。
また、琵琶湖では、 ワカサギは採れないものの、水産物として価値の高い、 コアユ(鮎の子ではない)や、 珍味の発酵食品として有名な、 「フナ寿司」の原料となる、二ゴロブナ。
高級食材としても知られる、 ホンモロコやビワヒガイなどの漁も行われています。
また固有種が多く、 右の写真は、琵琶湖にしか棲息しないビワコオオナマズです。 |