近年、サケが遡上して来る全国の河川で、 一般の釣り人が、釣りが出来る様になって来ました。
が、再三に渡り、お話しさせて戴いている通り、 「水産資源保護法」では、 川でのサケ釣りは、厳格に禁止されています。
ではなぜ、釣りが可能になったのか、 それには当然ですが、理由があるのです。 そして、一般の方が釣りができる様になった事で、 河川を管理している漁協さんの双方にとって、 メリットが生じる結果となっています。
そのカラクリについて、今日は解説しますね。 皆さんに、覚えて欲しい言葉があります。 それは、『サケ有効利用調査―』 と、云う言葉です。
では、この言葉を詳しく解説しましょう。 前記した通り、無断で川でサケを釣る行為は違法です。 ですから、当然、処罰される事態となります。 ですから、絶対にやってはいけません。
一方で、当該地域の漁協さんの構成員で、 『特別採捕許可』を、受けた者は、採捕が許されます。
そこで、この許可を与える対象を、 拡大解釈する事により、 釣り人に許可を与えるのが許されたのです。
このシステムを日本で初めて採用したのが、 北海道にある「忠類川」です。 以降、この動きは全国に拡大し、 各地の河川で、サケ釣りが可能となった―。 と、云うのが経緯です。
が、いきなり現地に行って、 その「特別債補許可」が、認められる訳ではありません。 当然ですが、厳格な審査が必要となるのです。
釣り人は、この『サケ有効利用調査』における、 特別採捕者となるために、釣りを行いたい河川の漁協に、 事前に申し込み、審査を受けます。
河川により、採用できる枠があるので、 希望者が殺到すれば、 当然ですが抽選により選ぶことになります。 何より釣り人本人に問題があれば、却下されます。
こうして厳格な審査を通った釣り人が、 各地の河川で、釣りが可能となった訳です。
そして、特別採捕者である事の証として、 各漁協で、腕章などを受け取って、 初めて釣りができるのです。 ですが、卵を抱えている雌のサケは採捕の対象外で、 仮に釣れた場合は、漁協に預けます。 勝手に再放流してはなりません。
釣って持ち帰る事が可能なのは、雄のサケのみです。 また、上限が決まっていて、 数に達すればその時点で、 どんなに時間が残っていても終了しないとなりません。
この様に厳格なルールがあるサケ釣りですが、 サケが釣りたい釣り人と、 サケを釣るために登録料を徴収し、 漁協の運営を円滑にしたい管理者のメリットが、 合致した事で、この釣りが成り立っているのです。
この登録料は、決してお得な料金ではなく、 結構な出費となる訳ですが、釣り人は喜んでそれを受け入れ、 サケの有効利用を、 共に担うパートナーになったのです。
ですから、興味本位の方は、 自分の釣りに向き合う姿勢を、先ず自身で見つめ直してから、 正しく釣りを楽しんで戴きたいと思っています。 |