各地で紅葉が盛りだと思います。 水面に映える紅葉っていうのも、贅沢ですよね。
そんな贅沢な紅葉も拝める魚釣りだったら、 やってみたいな・・・。 なんて、思いません!?
実は、無い事はないんです。 その釣りはと云うと、山上湖でのへらぶなの野釣りです。 この時季の山上湖の朝は、既に寒くって、 肌がキーンとしますが、 鏡のような湖面に映える紅葉や、 風で波立つ湖面で揺れる紅葉が見られるのは、 釣り人の特権かもしれませんね(^o^)
ところで、このへらぶな釣りですが、 日本の四季の中で釣りを愛で、 釣りを楽しむ風流を味わう釣り――。 と、云う気がします。
日本生まれ、日本育ちの、唯一、 釣果を食べることはない釣りだと思います。 断言しないのは、中には食べる方もいらっしゃるかもなので、 ちょっとファジーに書いてみました(^_^;)
そして、へらぶな釣りでは、 ちょっと変わった道具を使います。
それが上の写真の釣り具で、 左の写真が『弓万力(ゆみまんりき)』と云い、 右の写真を『フラシ』と、云います。
特に、弓万力なんかは、かなり変わった形をしていますよね。 どうやって使うかと云うと、 右の写真にチラっと写っていますが、 弓万力の先に、このようにフラシを差し込んで使ったり、 竿掛けを差し込んで使います。
へらぶな釣りでは、 常にエサの状態を確かめて手直ししたり、 また全く別のエサに変えてみたりと、 エサに触れている時間が多いので、 竿は、竿掛けに掛けて、アタリを注視しています。
この時、弓万力の弓状になっている部分を、 スライドさせる事で、微妙な深さの調整ができたり、 手元からの距離を変える事もできます。
またフラシは、魚をストックしておく網なのですが、 この形、他の釣りでは、 魚籠(びく)と、呼びますよね。
へらぶな釣りのハリには、カエシが付いて居らず、 このフラシのリング状になっている上に、 タモ網を置き、ハリを外してから、 タモ網をひっくり返すと、そのままフラシに入ります。
そして最後に何尾釣れたかを仲間内で競ったり、 目方で競ったりもします。
また、どちらの道具も釣り人の趣向が現れるので、 細工や、彫刻が施した弓万力があったり、 高級なリリアン糸で丁寧に編まれたフラシがあったりで、 道具に凝る人は、こんな所にも着目しています。
へらぶな釣りは自然と一体となって、 粋を楽しむ、そんな釣りだからこそ、 ちょっと変わった釣り具が進化したんだと思います。 |