今日は文化の日です。 なので、文化の香り高く、 魚類のお話しを致しますね。 俗っぽい言葉や、方言などは使わずに解説します。
さて、先日の山口県での 川遊びのプログラムの中で採取できた魚類は、 『タカハヤ』と、『ヨシノボリ』でした。 ヨシノボリの写真は、以前に載せていますので、 ここでは割愛しますね。
しかしながら、全く同じ事を関東でやったとすると、 おそらく、タカハヤは採れず、 『アブラハヤ』が、採れた事でしょう。
ところで上の写真、 どちらも良く似ていますよね。 この写真の左が『タカハヤ』で、 右が『アブラハヤ』です。 どちらも、コイ科の淡水魚です。
先日の「甲イカ」の時と同じように、 同じ魚―。と、言えない事もありません。 それくらい、そっくりです。
では、この両ハヤの何処が違っているのか―。 きっと、それを見極める方が、 面倒だと思いますし、 同種だと言っている地域も、あるのが現状です。
写真では、分かりにくい部分でもあるのですが、 両者の違いを説明していきますね。
では先ず、右のアブラハヤに注目して下さい。 因みにお腹が少しぷっくりして見えるのは、 抱卵しているからです。
アブラハヤの背ビレ側の体側を、良く見て下さい。 黒い縦縞と云うか、側線のある辺りが、 黒っぽく帯になって見えます。
一方のタカハヤの方は、 この黒い帯はぼんやりしていて不明瞭です。 また、アブラハヤの方が、 何となく目がパッチリで、 タカハヤの方が、「つぶらな目」を、しています。
また、分かりにくいのですが、 尾びれの切れ込みが、タカハヤの方が、 なだらかな曲線で、アブラハヤの方がシャープです。
また、大阪辺りを境に、 西は、タカハヤが優占種であり、 東は、アブラハヤが優占種だと言われています。
が、現在では、 移入や他魚種の放流の際に混入するなどで、 分布は、ほぼ全国に両方が拡散して居ます。
が、自分が小さい頃から、 『タカハヤ』と、云う名は、聞いた事がありませんから、 おそらく、関西以西では、 『アブラハヤ』の名前も、 聞いた事がないのではないでしょうか。
ハヤは、こうした小さな魚の総称であり、 語源は「蠅(はえ)」だ、そうです。 まるで、蠅の様にたくさん居る―。 と、云う例えの様です。
また、これは分布しているエリアで、 共通しているらしいのですが、 アブラハヤの方が中流から下流域に棲息し、 タカハヤの方が、上流部に棲息する傾向がある様です。
こんなに小さな魚にさえも、 場所によって異なる魚種が存在し、混在しています。 が、微妙に棲息域を変えながら、 共存する姿も見られるのです。
見た通り、どちらもサンオイルを塗った様な、 『ぬらっと観』が、ありますが、 日本の河川には馴染みの深い魚種でもあります。 |