自分はかつて、とんでもない『船酔いスト』でした。 まあ、山国育ちなので、当然ちゃあ当然なのですが、 どんなに大きな船であろうと、岸壁から船が離れた頃には、 顔面蒼白、胸はムカムカ、そのままトイレへ直行―。 って、くらい船が苦手でした。
が、前職が釣り具屋だった訳ですから、 必要に迫られて、半ば強制的に船釣り研修と云うか修行に、 行かされる羽目になり、最初の船釣りの獲物が、 なんと、『ヤリイカ』ですよ(涙)
確か焼津の小川港からの出船だったと記憶していますが、 丁度、今頃の季節だった事を覚えています。 御前崎・石廊崎を結んだ線上付近にある、 イカの好釣り場、 『石花海(せのうみ)』に、向かいました。
ヤリイカと云えば、仕掛けのオマツリは茶飯事で、 釣る前にきっと潰れてしまうだろう・・・。 と、テンションはどん底でした。が、お天気は秋晴れでした。
その当時、イカ釣りがちょっとしたブームになっていて、 色んなメーカーから、次々と新しい『イカ角』が、 売り出され、まだ当時は珍しかった『イカ角投入器』も出て、 そのモニター釣行って感じだったのです。
酸っぱいものを噛みしめながらも、 ポイントでは、フラフラと投入―。 すると、一発で乗りました。 でも、まだタナまで行ってない? 『スルメだあ!!巻け〜』船長の檄が飛びます。
1パイでしたが、割と大きいスルメイカで、 スルメは食腕が長く、ヤリイカより上に居るから、 途中でなんか違和感あったら、スルメだぞ。って、 教えてくれました。
そして、ヤリを釣りたかったら、無視して落とせ―。と、 指示されました。海の男の指導は、こんな感じです。
後、要領を得た自分は、スルメも、本命のヤリイカも、 全部併せると、ビギナーズラックでしょうが、 50パイ近く釣ったのです。
そう云う時って、楽しくて船酔いなどすっかり忘れて、 イカ釣りにどっぷりハマってしまったのでした。 それ以来、船釣りがイカに限らず、大丈夫になりました。 只、寝不足だと、未だにダメですけどね・・・
さて、随分と前置きが長くなってしまいましたが、 その時に、船長から教えて戴いたのが、 スルメの肝を使って、 ヤリイカを入れる『塩辛』です。
良くありがちですが、 子どもの頃に食した「塩辛」は、衝撃的で、 食べようなんて気には全くならなかったのですが、
とりあえずやってみようと云う事で、 教えてもらった通りに作ってみたのです。
スルメの肝には塩を振ってしばらく寝かせます。 すると、余計な水分が抜けて、 肝はねとっとした感じになります。墨袋を外して、 肝をボウルに絞り出し、 お酒を加えながら肝を伸ばしていきます。
そこに、別に捌いておいたヤリイカの身を投入します。 げそも吸盤が気にならないので、小さく切って投入―。 和辛子を少し加えて更に混ぜ合わせます。
それをタッパーに移して均等にかき回し、冷蔵庫です。 そして、毎日、かき回して発酵を促進させると、 もう、3日目くらいからいい味になってくるんですよ。 チョロっとお醤油を垂らしても美味しいです。
まあ、それが白飯オンザライスに最高!! いくらでも食べられちゃいました。 写真は木の芽なんかが乗っていますが、 これからの時季は、柚の皮です。 最高に合います。
スルメの方は、そのままお刺身にしても美味しいし、 焼いてもいいし、サトイモと一緒に煮てもウマイ!!
なので、自分は塩辛とお刺身もヤリイカにして、 スルメは煮物か揚げ物にして食べるのが、 好きだったなあ・・・(^^)
寒さが少し増してくる晩秋には、 スルメもヤリも両方釣れるので、 是非チャレンジしてみては、イ・カ・ガ!?
でも、地元に戻って来て、今の仕事を始めてからは、 イカんとも、お金がかかってしまうので、 イカ釣りに一度も行けてないんですよね〜(泣)
イカんなあ(^_^;) |