今年の秋は、新型コロナウィルスの影響で、 地域の方々の、心の拠り所にもなっている、 『秋祭り』が、あちこちで中止の憂き目に遭っています。
と、云うか、お祭りに限らず、 人が集まるイベントそのものが、ことごとく中止で、 淋しい思いをされている方も、きっと多い事でしょう。
ところで、お祭りの照明の定番である、 ちょうちん(提灯)に、ついては、皆さんご存じですよね。
お祭りによっては、ちょうちんを手に持って、 鎮守様までとか、地域の方やお客さんも混ざって練り歩く、 『ちょうちん行列』なんて、お祭りならではの風情ですよね。
そんな『ちょうちん行列』が、最大のイベントになる、 お魚釣りがあるのをご存じでしょうか!?
海の上に、ちょうちんがズラッと並ぶんです。 しかも赤々と・・・。 って、ちょっと気になりません!?
そこで今日の投稿は、 釣りの『ちょうちん行列』に、ついてお話ししますね。
上の写真を見て戴くと、 なんとなくハハ〜ンと、察しがつくと思いますが、 まっ赤な魚が、行列を成して浮いていますよね。 これが、釣りで云う『ちょうちん行列』です。
では、この浮いているちょうちんの正体はなんでしょう。 皆さん、これほど赤い魚体をしている魚って、 どんなお魚を思い浮かべますか?
そう。そのお魚は、おおよそ『キンメダイ』です。 が、良く見てもらえば分かるでしょうが、 赤いけれど、キンメダイとは明らかにフォルムが違う魚が、 紛れ込んでいます。でも、このお魚も赤いでしょ!?
このお魚は、「アコウ」と、云うお魚で、 漢字では『赤魚』と、書きます。 が、スーパーなどで、漬け漁や干物になっている、 「赤魚」とは、別の種です。
そしてアコウは、『メヌケ』とも呼ばれています。 目が抜けてしまうから『メヌケ』です。
キンメダイも、アコウも、割と深海に住むお魚で、 浅くても、水深400b。 深い場所だと、600bも沈めないと出会えないお魚です。
釣りそのものは、とても静かで、 幹イトに20本〜最大100本くらいの枝バリを付けて、 その全てに、イカの短冊だとか、 サバの切り身だとかを付けて、海に投入します。
そして、船長が指示した水深まで達したら、 上げろの合図があるまで、ひたすら待つ―。 そんな地味な釣りです。加えて、糸の出し入れは、 今ではほぼ、大きい電動リールを使うため、 合図があったら、リールのスイッチをポンと押すだけ。 ねっ、字で書くだけだとなんか退屈そうな釣りですよね。
けれど、20本以上ものハリに、 エサを付けるだけでも大変ですし、 ましてや、それを全く絡ませたりせずに全部さばくのは、 年季がが居るのです。玄人肌の釣りなのです。
船長の合図で巻き上げると、 次第に魚の内臓や、目などは水圧の変化についていけず、 目が飛び出たり、大口を開けたまま、ぽっカーンと、 浮いてしまうので、この様な行列になるのです。
それが赤い灯りのちょうちん行列となるって事です。 キンメダイも、アコウも、これからが脂が乗って、 美味しい季節になりますので、
我こそは!!と、思う方は、 海に赤いちょうちんの花を咲かせに、 チャレンジしてみて下さいね。
ああ、キンメの煮付けが食べたーい(^o^)/ |