直前2回の投稿で、 これから本番を迎えるワカサギ釣りの、 釣るだけではない楽しみ方や、 人気のドーム船での感染防止対策についても話しました。
3回目の今日は、 ターゲットとなる『ワカサギ』に、ついても、 正しい知識を持って戴こうと云う投稿です。
さて皆さん、ワカサギは漢字で表記すると、 『公魚』と、表記します。 公は正に「おおやけの―」と、云う意味ですが、 この公の字をどうして充てたのでしょう。 先ずはそこから、触れていきたいと思います。
実はこの公は、昔の偉人の事を、「○○公」って、 言ったりしますよね。武田信玄公とか、 織田信長公とか、徳川家康公とか・・・。 また時の将軍のことも、『公方様』と、呼びます。
もうお分かりですね。ワカサギの『公』の字は、 この『公』の字です。 江戸幕府11代将軍、徳川家斉公に対し、 常陸国(現在の茨城県)の麻生藩が霞ヶ浦のワカサギを、 年貢として献上したことに由来しています。 『公儀御用魚』(幕府に献上するための魚)と、云う事で、 その上と下を取って、「公魚」と、されました。
現在では、神奈川県の芦ノ湖で、 その年の最初に捕れたワカサギを皇居に献上しています。 あんなに小さな魚ですが、 献上するほど美味であると云う証でしょうね。
ワカサギの漢字表記の由来に続いては、 魚種としての知識をお話しします。
ワカサギは、キュウリウオ科の魚です。 新鮮なワカサギは、瑞々しいキューリの様な、 爽やかな香りがします。
食性は、ワムシやミジンコなどの、 プランクトンが主食で、以前、サヨリでも触れた通り、 プランクトンを捕食し易いように、 サヨリほどではないにせよ、やや下顎の方が長いです。
寿命はおよそ1年。 この様に、一年で一生を終える魚種を、「年魚」と呼び、 アユや、ハゼなども年魚の一員です。
体長は、最大で15aほどになる場合もありますが、 おおよそ10aくらいが成魚の大きさです。
大きな個体は、降海型のDNAを持っている場合が多く、 逆に一生を淡水域で終える陸封型の個体は、 10aくらいの個体が多い様です。
今やワカサギは、全国各地の湖沼に放流され、 冬期の貴重な観光資源にもなっていて、 前の投稿で書いたドーム船などは、 釣り船と云うより、 観光船と捉えた方が正しいかもしれません。
在来種でありながらも、 この様に本来の生息地とは、 大きく異なる場所に移植されれば、 『国内移入種』』と云う、言わば外来種と云う事です。
が、ワカサギのように、観光資源・食資源としての、 付加価値が認められれば、どこに居ても、 外来種として存外な扱いをされない。しない。 と、云うのは、いかがなものかと、個人的は思います。
コロナ禍のワカサギ釣りシーズンは、 様々な事を考えながら、楽しんでみると良いと思います。
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