鯛損の「でっかい夢釣りあげよう!!」

魚釣りをもっと楽しく、 魚釣りでもっと綺麗な海を!! フィッシングメッセンジャー野澤鯛損は、 釣りの世界のインタープリターです。 HOOKかんきょう『協育』事務所のページと、 併せてご覧下さい!! 釣り人も、そうでない人も、大人も、子供も、 でっかい夢、釣りに来て下さい。
 
2020/09/12 9:06:01|トピック
奇跡の魚『クニマス』1 辰子伝説
上の写真は、秋田県仙北市にある、
田沢湖のほとりに立つ、「辰子像」と、云います。

田沢湖と云えば、
かつてこの湖の固有種であった「クニマス」の事、
あなたは、ご存じでしょうか?

このクニマスが、田沢湖にもたらされた伝説として、
写真の『辰子伝説』が、伝えられて来たのです。
クニマスには、別名と云うか俗称があります。

その名は『キノシリマス』です。
キノシリは東北地方の方言で、
薪の燃え残り(木の尻)の、事だそうです。
魚体が黒くくすんだ魚影は、
昔の人の目には燃え残った黒い木の尻にしか、
見えなかったのでしょう。

このキノシリマス誕生の逸話が、
辰子伝説に込められているのです。

辰子は絶世の美女で、その美しさを永遠に保ちたいと、
神に願掛けします。そして、北へ行けば、
美しさを保てる水が湧く泉があるとのお告げを受けます。

お告げを受けた辰子は、その泉を探す旅に出るのですが、
途中の川で黒い魚影を見つけ、それを焼いて食べました。
その魚はこれまで食べたことの無いくらい美味しく、
何本も食べました。やがて、喉の渇きを覚えた辰子は、
綺麗な湧き水を見つけ、その水を口にします。
しかし、飲んでも飲んでも渇きは潤う事がなく、
そして辰子は、いつしか「龍」に変わってしまうのです。

その泉が田沢湖であり、
辰子が食べた魚がクニマスでした。
龍になった辰子に投げた松明が、
黒い魚体になって泳いだと、伝えられているのです。

以降、辰子は田沢湖の龍神様として祀られます。

その伝説を語り継いでいくために立てられたのが、
写真の辰子像であり、辰子観音と云う観音像もあるそうです。

さて、かつての田沢湖は、
電源開発開発と農地開拓開と云う、
表向きには、国策―。と、された開発により、
上流にある玉川温泉から湧き出る、
強酸性の毒水が引かれる事となり、
棲息していた生きもの殆どが、死滅してしまいました。
1940年、昭和15年の事です。

現在であれば、当然反対運動やデモが起こり、
政策を阻止する事も可能だったかもしれません。
しかし当時は、太平洋戦争に向かう中で、
電源を確保する事業を阻止するなどは非国民とされ、
下手をすれば逮捕される恐れもある中で、
地域地域住民は、受け入れるしか術がなかったのでしょう。

そして、住民が最も守りたかったのは、
田沢湖にしか棲まず、地域の宝であった、
キノシリマス(クニマス)だったとされています。
そのキノシリマスも、国策の結果、
『絶滅』の、運命を迎えてしまった訳です。

クニマスは滋味に溢れ、妊産婦や病後の滋養には、
うってつけの食材で、高価であったそうです。
その貴重な魚を何としても守り抜くため、
当時の方が、ある秘策を思いつきます。

それは、クニマスが生き残れる可能性がある、
国内の候補地に、受精卵・発眼卵を移植し、
子孫を残すと云う試みでした。

明日は、クニマスの避難先として、
絶滅から脱するまでのお話しを書いてみたいと思います。

上手く書けるか心配ですが、
知り得る知識を総動員して、お伝えしたいと思っています。







2020/09/11 9:06:01|お魚紹介
カツオはやっぱし戻りが良い!!
昨日の投稿で一本釣りを紹介したので、
今日は、その主役の『カツオ(鰹)』を、紹介します。

カツオと言えば、
目に青葉 山ホトトギス 初鰹―。
の、句にある様に、
初夏が旬と云うか、最も美味しい時季だと、
思われている方も、きっと多いかと思います。

が、カツオはやっぱり、
『戻りカツオ』を、食さなければ、
本当の旨さは分からないと思います。

確かに、若いプリプリした初鰹は、
活きを食す―。には、うってつけの味。
けれど戻りカツオには、
脂が乗りきった、深い味わいがあるのです。
個人的には、カツオはやっぱし戻りが良い―です。

初鰹と戻り鰹って、何がどう違うの?って、聴かれれば、
どっちも同じカツオなのですが、
黒潮をお供の長い旅の道のりの違いなのであります。

カツオは、黒潮に乗って北上するのですが、
春から始まった旅が、
丁度、新緑が一斉に芽吹いて、
高知の沖辺りに到達すると、
『往きの初鰹』と、して採捕されます。

一方、宮城沖の金華山辺りから、
今度は、南下を始めます。
この頃には、うんと脂が乗って、
『戻りカツオ』として、採捕されるのです。

ところで、今シーズンはサンマと同様、
カツオの漁獲高も不漁なんだそうです。
初鰹の漁も、今ひとつだった様ですが、
やはり、上った魚が少ないからか、
下ってきた戻りカツオも不漁なんだとか!?
なので、今年は戻りカツオも食べられないかも・・・(涙)

もうかれこれ、20年以上も前の事ですが、
以前の釣り具店勤務していた、
静岡県時代に職場の近くに回転寿司店がオープンしました。

海の近くのお店ですから、
当然、ネタも豊富で、
回転寿司だからリーズナブルだろうと、
お店が終わってスタッフで行った訳ですよ。

で、10月頃だったから、当然あるだろうって、
「カツオ握ってくれる?」って、注文したら、
何て言われたと思います?
「今、時季じゃないんで捕れないから無いですよ」って、
いけしゃーしゃーと言い放たれてしまいました(>_<)

それ以来、回るお寿司屋さん不信が続きました。
が、その店、オープンして半年も経たないうちに閉店―。
相当、クレームあったんでしょうね〜。

あれから20年―。
今や、回転寿司店もそんな無知なお店はなくなりました。
戻りカツオにはプレミアも付いちゃって、
美味しいお店が増えましたとさ(^^)








2020/09/10 9:06:01|ニッポンの釣り
男なら一度はやってみたい釣りはコレだ!!
数ある魚釣りの中でも、
男たる者、やっぱり一度はやってみたい釣り―。

それは、なんと言っても、
「カツオの一本釣り」です!!

なぶらを見つけたら、イワシが跳ねる様を演出する、
「水しぶき」を、海面に放水することで、
カツオが一気に集まって来ます。

それを、竿一本と自分の腕っぷしの力だけで、
2`余りもある、カツオを豪快に釣り上げる。
しかも、板子一枚下は、黒潮洗う太平洋(^o^)/

後ろに放り出されて、
空中高く舞い上がったカツオが、
上で針が外れて、甲板の上で踊り狂う様は、
正に男の漁場に相応しい!!
コレ、やっぱり憧れてしまいますよね〜。

竿は棒高跳びのバーとほぼ同じ素材(グラスファイバー)の、
5bほどもある長い竿。
針は、「カブラ」と呼ばれる、
魚皮などをあしらって、
ルアー効果で食わせる擬餌針で、カエシは付いていないので、
放物線のてっぺんで針が外れて、
そのまま甲板に放り込まれるのです。

ところで、この一本釣りですが、
遊漁船で、僅かにやらせてもらえる所はあるのだけれど、
やっぱり、絶えず危険と隣り合わせなので、
もしやるとしたら、カツオ船に乗るしかないのかなあ!?

そのカツオ船も、今では外国の方が多く、
一本釣りも、だいぶグローバル化しています。
けれど、男だったら、自分の体で勝負したいっしょ!!

でも、きっと船酔いしちゃうだろうなあ(>_<)







2020/09/08 9:06:01|お魚のふ・し・ぎ?
美しいのに腹黒い魚です!!
「あの人、腹黒いよね〜!!」
のっけから、穏やかでは無い書き出しですが、
欲深く、意地の悪い人を例えて、
こんな言い方で揶揄する事がありますよね。

特に見た目は、とてもそんな人には見えない、
優しそうな人、穏やかな人の、
予想だにしなかった黒い一面を、
知ってしまった時に使われます。


では、「あの魚、腹黒いんだよね〜」
って、言われたら、一体どんな魚だろう・・・。
きっと、そう思いますよね。

毒があるんじゃないか!?とか、
きっと臭いが酷いんだよ!?とか、
そんな魚は決して食べたくない―。
そんな風に考えてしまうのではないでしょうか?

が、しかし、その腹黒い魚が、
メッチャ美味しいお魚だとしたら、
食べてみたいって思います?

それとも、
やっぱり、食べるのはやめておこう。
って、思うでしょうか?

いずれにしても、腹黒いとは、
どう云う意味だと思われるでしょうね。

さて、写真のお魚は、サヨリと云う魚ですが、
何を隠そう、このサンマにも似た、
ピカピカで美しい魚体のこの魚こそ、
お腹の中が真っ黒な魚なんです。
いやあ、見てみると一目瞭然なのですが、
相当、黒いです。いやあ、黒い!!

でも、美味しい、ホントおいしいお魚なのです。
回らないお寿司屋さんのひかりものとして出て来たり、
上品なお出しのなかにクルンと結ばれた
片身が入ったお吸い物とか、

サンマとは逆で、
庶民って云うより、セレブが好むようなお店で、
食べられているイメージです。

ちょっと前の投稿では、
このサヨリにパラサイトする、
『サヨリヤドリムシ』を、紹介しましたが、
このパラサイトのせいで腹黒くされた訳ではありません。
不思議な事に、始めから黒いんです。

では、何故サヨリの腹が黒いのか、
少しお話しさせて戴きたいと思います。

写真をクリックして、魚体を良く見てみて下さい。
ピカピカしていますが、
それ以上に青っぽく透き通って見えませんか?
実は、この透き通る様な魚体にこそ、
腹黒い原因が隠されているのです。

サヨリは、見ての通りくちばしの様に、
長い口をしているのは、見ての通りなのですが、
どっちが長いかと云うと、
下顎の方が、極端に長いのです。
いわゆる、超受け口をしています。

なんでこんなお口かと云うと、
サヨリは主に海面近くにいる、
プランクトンを食べています。

プランクトンが主食のお魚の事を、一般的に、
「プランクトンフィーダー」と、云いますが、
魚体に合わせて、効果的に食べられる様に、
進化をする訳です。

その際、下顎が長い方が、
海面近くの餌を、掬い取り易いからなのです。
分かり易く例えると、
下顎に、柄杓がくっ付いた形なのです。
面白いでしょ!?

そんな魚なので、日光の影響を受け易い訳です。
そのため、日光の透過により、
魚体が熱に晒されないようにするために、
腹の黒い部分で、遮光してるらしいのです。

腹黒い魚にも、ちゃんと訳があるんです。
「いやあ、お魚って本当に不思議ですよね。」







2020/09/07 9:06:01|トピック
あなたは鯨食についてどう考えますか?
台風10号は、依然危険な状況です。
どうか引き続き、命を守る行動を最優先にして下さい。

先日、和歌山県の太地町で、
今年もイルカの追い込み漁が始まった―。
と、云うニュースが流れました。

太地町のイルカ漁については、
アカデミー賞まで獲った、
米国のドキュメンタリー映画に於いて、
非道だと、国際的な批判に晒されている事は、
きっと多くの皆さんも、ご存じだと思います。

イルカに限らず、鯨類を食すこと―。
に、ついて、皆さんはどの様な考えをお持ちでしょうか?

周囲を海に囲まれた日本は、
古の時代より、鯨のことを「いさな」と、呼び、
神が与えてくれた魚として、
その身は食料として、脂は、燃料として、
内臓は薬として、
ひげなどの部位は、バネなどの部品や、
工芸品などに加工して、余すことなく使い切っていました。

鯨は、本当に貴重であり、
日本人の生活には欠かすことの出来ない水産資源でした。
前記した「いさな」は、「勇魚」と、書き、
和歌の枕詞にもされる、
正に生活に密着した「大きな魚」だったのです。

が、鯨類は哺乳類である―。
と云う事実と、多くの国で捕鯨が行われた結果、
鯨類の絶滅が危惧されるようになると、
各国で捕鯨できる期間や頭数を厳しく規制して、
いわゆる「商用捕鯨」の、禁止が制度化されました。
このルールを取り決めたのが、
国際捕鯨委員会(IWC)です。

日本もIWCに加盟し、このルールを遵守して来ましたが、
度重なる調査捕鯨の妨害行為に端を発し、
漁師の方々の生活や、
名誉まで傷つけられる様な事態まで生じ、
ついに、昨年の6月に日本はIWCを脱退し、
商用捕鯨を復活させたのでした。

ところで、写真は、ある水族館のレストランで、
来園したゲストに供されるランチなのですが、
右上の煮魚は「メカジキ」で、
手前の味噌汁の中に、
少し黒っぽく見えているのが、鯨の肉です。
数年前に訪れた時に戴きましたが、
懐かしさも相まって、とても美味しかったです。

この水族館では、来場したゲストにも、
敢えて鯨を食べてもらう事で、
捕鯨や、鯨食について考えてもらうきっかけとしています。

50代の自分は、かつて学校給食にも、
鯨肉のベーコンや、
鯨肉の竜田揚げなどのメニューがありました。
鶏肉よりも歯ごたえもあって、
自分は、この竜田揚げが大好物でした。

また、肝油ドロップスという、
今で云うサプリメントが、食後に2粒ほど配られて、
お湯で飲む―。なんて、習慣もありました。
この肝油も、実は鯨の肝臓の脂から生成されたものです。

戦後から高度経済成長を成し遂げた我が国にとって、
鯨は国民を支えた食文化―。で、あることは、
紛れもない事実だと思います。

が、一方で、食文化だけで通してしてしまうのは、
国際的にも、些か説得力に欠けてしまうでしょう。

では、どの様にすれば、説得力を持って、
国際的な認知を得られるのでしょうか?

これこそ、科学的根拠であるエビデンスに基づき、
丁寧に、誠実に伝えていく必要があるでしょう。

人に限らず生きもの全てが、
他の命を食べる事で命を繋いでいます。
「かわいそう」とか、「惨い・・・」とか、
感情論で語るべきものではないと思うし、
そんな単純なことではないでしょう。

イルカも鯨も、釣りの対象にはなりませんが、
釣りも「漁」の、一端であることを思えば、
この問題に目を背ける訳にはいきません。

若い皆さんは、鯨やイルカを食べる文化さえ、
知らない方も多いでしょうが、
日本は現在も、捕鯨国であり、
鯨食国家である事は間違いありません。

この事実を、あなたはどのように受け止めますか?
一人一人が考えてみて下さい。