鯛損の「でっかい夢釣りあげよう!!」

魚釣りをもっと楽しく、 魚釣りでもっと綺麗な海を!! フィッシングメッセンジャー野澤鯛損は、 釣りの世界のインタープリターです。 HOOKかんきょう『協育』事務所のページと、 併せてご覧下さい!! 釣り人も、そうでない人も、大人も、子供も、 でっかい夢、釣りに来て下さい。
 
2020/09/07 9:06:01|トピック
あなたは鯨食についてどう考えますか?
台風10号は、依然危険な状況です。
どうか引き続き、命を守る行動を最優先にして下さい。

先日、和歌山県の太地町で、
今年もイルカの追い込み漁が始まった―。
と、云うニュースが流れました。

太地町のイルカ漁については、
アカデミー賞まで獲った、
米国のドキュメンタリー映画に於いて、
非道だと、国際的な批判に晒されている事は、
きっと多くの皆さんも、ご存じだと思います。

イルカに限らず、鯨類を食すこと―。
に、ついて、皆さんはどの様な考えをお持ちでしょうか?

周囲を海に囲まれた日本は、
古の時代より、鯨のことを「いさな」と、呼び、
神が与えてくれた魚として、
その身は食料として、脂は、燃料として、
内臓は薬として、
ひげなどの部位は、バネなどの部品や、
工芸品などに加工して、余すことなく使い切っていました。

鯨は、本当に貴重であり、
日本人の生活には欠かすことの出来ない水産資源でした。
前記した「いさな」は、「勇魚」と、書き、
和歌の枕詞にもされる、
正に生活に密着した「大きな魚」だったのです。

が、鯨類は哺乳類である―。
と云う事実と、多くの国で捕鯨が行われた結果、
鯨類の絶滅が危惧されるようになると、
各国で捕鯨できる期間や頭数を厳しく規制して、
いわゆる「商用捕鯨」の、禁止が制度化されました。
このルールを取り決めたのが、
国際捕鯨委員会(IWC)です。

日本もIWCに加盟し、このルールを遵守して来ましたが、
度重なる調査捕鯨の妨害行為に端を発し、
漁師の方々の生活や、
名誉まで傷つけられる様な事態まで生じ、
ついに、昨年の6月に日本はIWCを脱退し、
商用捕鯨を復活させたのでした。

ところで、写真は、ある水族館のレストランで、
来園したゲストに供されるランチなのですが、
右上の煮魚は「メカジキ」で、
手前の味噌汁の中に、
少し黒っぽく見えているのが、鯨の肉です。
数年前に訪れた時に戴きましたが、
懐かしさも相まって、とても美味しかったです。

この水族館では、来場したゲストにも、
敢えて鯨を食べてもらう事で、
捕鯨や、鯨食について考えてもらうきっかけとしています。

50代の自分は、かつて学校給食にも、
鯨肉のベーコンや、
鯨肉の竜田揚げなどのメニューがありました。
鶏肉よりも歯ごたえもあって、
自分は、この竜田揚げが大好物でした。

また、肝油ドロップスという、
今で云うサプリメントが、食後に2粒ほど配られて、
お湯で飲む―。なんて、習慣もありました。
この肝油も、実は鯨の肝臓の脂から生成されたものです。

戦後から高度経済成長を成し遂げた我が国にとって、
鯨は国民を支えた食文化―。で、あることは、
紛れもない事実だと思います。

が、一方で、食文化だけで通してしてしまうのは、
国際的にも、些か説得力に欠けてしまうでしょう。

では、どの様にすれば、説得力を持って、
国際的な認知を得られるのでしょうか?

これこそ、科学的根拠であるエビデンスに基づき、
丁寧に、誠実に伝えていく必要があるでしょう。

人に限らず生きもの全てが、
他の命を食べる事で命を繋いでいます。
「かわいそう」とか、「惨い・・・」とか、
感情論で語るべきものではないと思うし、
そんな単純なことではないでしょう。

イルカも鯨も、釣りの対象にはなりませんが、
釣りも「漁」の、一端であることを思えば、
この問題に目を背ける訳にはいきません。

若い皆さんは、鯨やイルカを食べる文化さえ、
知らない方も多いでしょうが、
日本は現在も、捕鯨国であり、
鯨食国家である事は間違いありません。

この事実を、あなたはどのように受け止めますか?
一人一人が考えてみて下さい。







2020/09/06 9:06:01|お魚紹介
カマス釣り色いろ
以前、自分が釣り具店の勤務をしていた時代、
静岡県の清水のお店にいた事は、
ワカナゴや、ナマズの投稿の際にお話ししました。

特に清水に居たときには、
本当に様々な釣りを見て、体験して覚えて来ました。
お店のオーナーが釣り好きだった事もあり、
地元ならではの釣りも、たくさん教えて戴きました。

鮎のドブ釣り、ザリガニ餌の甲イカ釣り、
ぶっ込みのキビレ釣り、そして、
カマスの手持(てじ)釣りもその一つです。

最近では、小型のジグやミノーを使ってのルアー釣りや、
専用のカマスサビキを使った、
胴突き仕掛けの投げ釣りが主流となっていますが、
清水港には以前から、
手持(てじ)のカマス釣り―。
と、云う独特の釣りがありました。

竿は使わず、手で仕掛けの操作をするので、
「手持」と、書いて「てじ」と呼びます。
仕掛けは丸い仕掛け巻きに巻いてあるのですが、
ハリは1本バリで、餌はキビナゴの身餌を使います。

糸巻きに巻いてある糸の先端に、
全長30センチ弱ほどのアーム型の天秤で、
中通しオモリ(6号くらい)が、
天秤の腕に直接通して固定されています。

ハリスは、当時は細いワイヤーが使い出されて居ましたが、
おそらくそれ以前は、
硬めのハリス糸を15センチほど付け、
カマス針か早掛け針を付けていたと思います。

釣り人は、細長く短冊に切ったキビナゴの身餌を、
皮目を表にして付けて、
堤防に陣取って、先ず天秤から海に落とすと、
オモリの重さで、スルスルと仕掛けが出ていきます。

着底したら底を切って、一定のリズムで引いたり、
止めたりしながら、指先でアタリを待ちます。

群れが来ると、素早いアワセと手慣れた糸さばきで、
糸を回収してくると、美味しそうなカマスが、
一尾、また一尾と釣れて来るのです。

自分と云ったら、糸さばきが上手くできなくて、
その度に、道糸が絡まってしまって、
全く釣りになりませんでした。が、ベテラン衆は、
いとも間単に、良型カマスを釣り上げていくのです。

そんな中でひとり、
名人と呼ばれる女性がいらっしゃいました。
当時70代くらいだったと記憶しているのですが、
夕方になるとほぼ定時に堤防にやって来て、
このカマスの手持釣りを始めるのです。

あっという間に数尾釣り上げると、
それ以上は釣らずに、颯爽と帰って行かれるのです。
おそらく、食べる以上は釣らないんですね。

それでも、ほぼ確実に釣って行かれるので、
その方は、いつからか「岸壁の母」って、
清水の釣り人の間では有名な方でした。

自分も数回、釣っている姿を拝見したことがありますが、
実に楽しそうな表情で、
見事に糸を操って釣っていらっしゃいます。

なかなかあんな風に釣りはできないですね。
秋になると、あの手持のカマス釣りを思い出すのです。

自分はもっと簡単に釣りたい派なので、
専用のサビキ仕掛けを買ってしまうのですが、
それでも、釣果は敵わないかもしれません。

おそらくあの清水のカマス釣りも、
今では殆どやられていないと思います。

また見てみたくって、投稿してみました。

カマスって片袖に開いた干物がポピュラーですが、
釣りたては、やっぱりお刺身が美味しかったです。

秋は、カマス釣りの好シーズンです!!

写真は、左がアカカマス。右がミズカマスです。








2020/09/05 9:06:01|トピック
釣りで捕まってしまう事もあります(漁業調整規則を知ろう)
超ド級の台風10号が、
今日から月曜日に掛けて、
沖縄・奄美・九州南部に、
甚大な被害を及ぼしてしまいそうな、
大きな不安が募ります。
どうか、少しでも被害が小さく済んでくれるよう、
心から祈っています。
そして、どうかどうか、命を守る行動を最優先して戴いて、
ご無事で居て下さるよう願います。

さて、秋ザケ漁が始まった―。
そんなニュースが
TV・ラジオで流れる様になって来ました。

秋ザケ漁は、産卵を控えて故郷の川に戻る前の鮭を、
最も脂が乗って美味しくなるなるこの時季に、
海域で刺し網や、小型の定置網で採捕する漁の事です。
因みに秋ザケという鮭がいる訳ではなく、
あくまでも、産卵前の海にいる鮭の事で、
おおよそ「白鮭」の、商品名のようなものです。

このブログでも何度か、
漁業法や漁業権については解説していますが、
実は、この秋ザケ漁も、
海で採捕できるのは、ほんの短い時季で、
川に戻った鮭は、水産資源保護法の元で、
採捕してはならない魚種とされています。

ここでもう一つ、
「水産資源保護法」と、云う法律を出しました。
水産資源保護法は、漁業法と並び、
限りのある水産資源の枯渇を防止するために、
採捕できる起源や、
漁法、魚種などについて定めた法律です。

この、漁業法と水産資源保護法を基準に、
漁業権を付与する当該地域の都道県知事は、
各県の水産資源を守る為に、
独自に『漁業調整規則』を定めて、
密漁や違法な手段による採捕を禁じているのです。

なので、初めて釣りに行った土地で、
軽い気持ちで釣りを楽しんでいたら、
『漁業調整規則違反―』で、
突然に逮捕されてしまう場合だってあるのです。

知らなかった―
では済まない事態に陥ってしまう事もあり、
高額の罰金刑や、
最悪の場合は禁固刑まであり得る厳しいルールです。

釣りって気軽なレジャーの様にも思えますが、
「魚」と、云う水産資源を捕まえる訳なので、
ルールを破れば、当然「密漁者」に、されてしまいます。

ですから、特に海域に釣りに行く際には、
その場所の都道府県が定めている『漁業調整規則』を、
事前に確認してから行くようにしましょう。

漁業調整規則には、
例えば堤防釣りでは定番である「コマセ(撒きエサ)」を、
禁じている行政区も多くあります。

少し前に紹介したエギングも、
釣り禁止にされている場所もあったり、

銛で魚を突いたり、投網で魚を捕ったり、
ガサガサなんて云うのも、規制の対象になります。

殊に、体験事業だとして知らずに子ども達に体験させたら、
主催者が捕まった―。では、本末転倒ですよね。

各都道府県の漁業調整規則は、
今では簡単にネットでも見ることができます。

遊びの釣りで、捕まってしまうことが決してないように、
命を扱う者として、ルールを厳守したいですね。

写真は、秋ザケ漁の風景です。









2020/09/04 9:06:01|トピック
秋はハチに気をつけて・・・
世界でイチバン怖い昆虫は、日本にいます。
それが、コレ。そうです。スズメバチです。
至近距離で撮影できたのは、
実は、このハチが死んでいたからなのですが、
いやあ、見るからに怖いでしょ!?

しかも、このハチは『オオスズメバチ』なので、
最強・最悪のキラービーなのであります。
このオオスズメバチがいたのは、
新潟県の糸魚川市内にある、
海の間近のキャンプ場です。
だから、海辺にも結構いるんですよね。

ところで、なんで釣りにまつわる投稿をしている、
このブログに、敢えてこやつを紹介したかと云うと、
まさしく9月から10月にかけてのこの季節が、
最もハチに刺された被害が深刻になる時季だからです。

釣りの最中に刺されて、
亡くなってしまった例も少なくないので、
とにかく気をつけて欲しい―。
と、云うお願いの意味を込めて投稿させて戴きました。

こやつの他にも、スズメバチ系は攻撃力が増す時季で、
自分もかつて、小学5年生の野外教室のサポートをした際の、
苦い思い出があるのです。

トレッキングの最中、しとしと雨が降って来ました。
なので、近くにあった神社のお堂に入って、
カッパを着せたりで、雨宿りで入ったんです。

この時、子ども達が何気にお堂の壁を、
どん、どんと叩いていたんです。
「そしたら、なんか中で音がするよ」
なんて、誰かが言って、更に壁を叩く子が増えて・・・
もう、想像できちゃいますよね。

そのうち、キイロスズメバチが一匹、
お堂の中に入って来ました。
「やべっ」って、思って、恐る恐る外へ出ると、
既に集団でブンブンいってます。
血の気がひきました。
でも、慌てる訳にはいきません。

そこで、子ども達の被っていた赤白帽を、
全部、白い方に変えさせて云いました。
多分、この壁の向こうの音は、
ハチのハネの音だから、逃げるよ。

でも、絶対に走らないで、
両手で首と耳を隠して、ゆっくり後ずさりしよう。
怖くても、手で払ったり、逃げ出したら刺されるよ。
目は、下を向いて足下を見て歩くこと、
ハチを見てはダメだよ!!

と、伝え、ハチからの避難を始めました。
もうブンブン凄い羽音で、
カチカチのラップ音も半端なくって、
泣きそうでしたが、一人、また一人と、
後ずさりさせました。

残り僅かまで来て、怖さに絶えきれず、
男の子が背中を向けて走って逃げてしまったのですが、
案の定、腰を刺されてしまいました。

幸い、初めて刺されたとのことで、
アナフェラキシーショックは免れたのですが、
全員を無事に逃がす事が出来ず、
使ってくれた仲間に迷惑をかけてしまったのです。
保険で治療ができたのですが、
本当に怖い体験でした。
そして、それも9月の出来事でした。

改めて、思わぬ所に巣はありますから、
偵察のハチを見かけたら、その場から離れましょう。
8の字ダンスを始めた時には、もう危険が迫っています。

そして、天敵である熊の体毛の色と同じ、
黒い色に反応しますから、必ず帽子を被ること、
目も閉じて黒い色の露出を極力避けて下さい。

また、汗とか香水の匂いにも反応するので、
この時季、山に入る時は匂いのある化粧品は、
使わないようにして下さい。

アナフェラキシーショックは、
命にも関わる危険な状態です。
一度刺された人は、お医者さんに相談して下さい。
エピペンなどの自己注射を処方してもらえる筈です。

秋はハチの季節―。
我々の方が、彼らのテリトリーを避けてあげれば、
むやみに刺すような事はしないので、
ハチには、とにかく気をつけて下さいね。







2020/09/03 9:06:01|お魚のふ・し・ぎ?
グーグーと鳴く魚(イシモチの石)
鳴くと云うか、
釣り上げたときに音を出すお魚は結構います。
が、特に大きな音で鳴く(音を出す)魚の代表格は、
間違いなくイシモチでしょう。

釣って、暫くは、ぐ〜ぐ〜ぐ〜と鳴いています。
これは、浮き袋(鰾)に、空気を出し入れして、
震わせている音です。
殊にイシモチは、頭の中にある耳石が、
他のお魚より大きいので、
良く共鳴するんですよね。

なので、大きな「耳石を持つ魚」を、縮めて、
イシモチと云うようになったそうです。

写真のイシモチは、10年ほど前に東京湾で、
一緒に釣りに行った仲間が釣ったものですが、
水族館に勤めていらっしゃった経験がある方で、

「鯛損さん、石を見たいなあ!!」
なんて、コアなお願いをされたもんですから、
ならば、船上でお刺身にしちゃいましょ―。
って、事で捌いてお刺身にした後で、
頭を割って、耳石を取り出して見てみました。

「わあ、初めて見た!!」
と、痛く感動してくれました(^o^)
自分も敢えて取り出したのは初めてでしたが、
予想した以上に大きかったなあ!!
写真は、その時の耳石ではないんですけどね(^_^;)

身が柔らかいので、皮を引くのがちょっと大変でしたが、
ふわふわの食感で、新鮮なうちは刺身も美味しいです。
一般的には、このふわふわの食感を生かして、
さつま揚げだとか、フライなんかにすると、
とっても美味しいですよ。
かまぼこや、はんぺんの素材にも使われてたりしますから、
知らずに結構、食べているかもしれませんね。


ところで、よく似た魚に『ニベ』と、云うお魚もいますが、
ニベの方が、写真のイシモチより、
大きな個体になる場合が多いです。

ちなみに、この『ニベ』にも、石があるので、
イシモチは、ニベも含んだ総称だと云う事です。
そして、写真の魚は正式和名では、
『シログチ』と、言います。
まあ、どっちでもいいんですけどね。
ぐ〜ぐ〜鳴く姿が、愚痴を言ってるようだ―。
と、例える人もいますよ。
そりゃ、釣られたら、
愚痴の一つも言いたくなりますよね(爆)

またこのイシモチは、
江戸時代の河岸に良く並んだ大衆魚なのですが、
良く似たニベも並ぶんですが、
大きい割に・・・。って事で、少しお安かった様です。

が、海が荒れると、どっちも並ばないので、
「なんだよ、ニベもないのかよ!!」と、
江戸っ子からクレームが来たりしたんだそうで、
似たような話で、どうでも良い様な事を、
「にべもなし―」と、言われる様になったそうな。

って、この投稿も、にべもなしでしょかm(_ _)m