おはようございます。
釣り人専門官―
と、云う役職について、
おおよそお分かり戴けたでしょうか。
狩猟と釣りは、趣味とは云え、
それを生業にされている方もいますから、
命と関わると云う観点からしても、
秩序と敬意を以て、行うべきであろう・・・
そんな気がします。
ところで、ひと口に
「漁業」と云っても、
様々な形態がある訳ですが、
養殖漁業も、今ではそれ抜きでは考えられないほど、
重要な漁業となっています。
日本の淡水での養殖漁業では、
「養鱒業」が、昔から盛んです。
これも、立派な漁業になります。
養鱒で飼育される
「鱒」は、
大半が
「ニジマス」です。
ニジマスは北アメリカが原産の外来魚ですが、
移入されたのは、1877年(明治10年)まで遡ります。
養鱒が開始されたのも、1926年だと云いますから、
多くの人が、
ニジマスは日本の魚である―
そう云う認識の方が多いのも仕方ありません。
ところで、
本県でも養鱒魚は非常に盛んです。
少し前のデータによると、
その生産量は、静岡県・長野県に続く、
全国3位にランクされています
一方、その出荷先や利用法は様々であり、
食用として出回る、いわゆる
「ニジマス」やら、
そして、他のトラウト類と交雑させたり、
遺伝子操作を施したりして、
より大きな魚―より美味しい魚―より高価で取引できる魚―と、云うように、多様化しています。
本県の新名物として開発された
「富士ノ介(フジノスケ)」や、
長野県の
「信州サーモン」愛知県の
「絹姫サーモン」など、
いわゆる、
ご当地サーモンなどと呼ばれる、
交雑種を作り上げました。
そんな流れの中で、
「釣り」でのニジマス需要も多様化しています。
そして色んなニジマスが、
全国の管理釣り場(以下エリア)に、
「遊漁用」として、出荷される様になりました。
そこで、今日の投稿では、
ほぼ、釣りを目的に養殖されたニジマスを、
紹介させて戴きます。
ですが、予め申し添えておきますが、
決して好意的にお伝えする訳ではありません。
むしろ、懐疑的な紹介になるだろうと思います。
人間の趣味・趣向のために命を弄られて、
魚がサイボーグ化している状況を思うと、
これは果たして良い事なのかどうなのか・・・
皆さん、お一人お一人に、
問いかけたくての投稿です。
それでは、左の3枚の写真をご覧下さい。
どれも、
エリアで人気の高いニジマスであり、
ニジマスのような魚― でもあります。
一番上の写真は、
「スチールヘッド」です。
これはいわゆる海に降る遺伝子を持つ、
「海降型」のニジマスを、
養殖で大型化した魚です。
海降型なので、いわゆる
銀化(スモルツ)し、
海洋の自然に適応できるように、
魚体も大型化する訳です。
一方で、エリアに泳いで居るニジマスの多くは、
陸封型の個体であり、
「レインボートラウト」と、して扱われます。
二番目の写真は、
「ドナルドソン」です。
これは、最初に開発した
米国のドナルドソン博士の、
名を冠したニジマスで、
大型に育つ事で知られています。
大きな個体は、時にメーターオーバーにもなります。
前記の
スチールヘッドと、
大型に育った
選ばれしレインボーを交雑し、
品種改良されて今に至ります。
三番目の写真は、お分かりでしょうか・・・
この魚は、日本で敢えて「釣り用」として、
開発されたニジマスで、
「ハコスチ」です。
ハコスチの
「スチ」は、
大型化する系統である
スチールヘッドの
「スチ」そして
「ハコ」は、正式には
「箱」の字が当たります。
これは群馬県の養鱒施設の一字であり、
その名前は、
「箱島(はこしま)」です。
箱島養鱒センターにおいて、
スチールヘッドの雄と、
箱島系ニジマスの雌を、
群馬県の水産試験場(水試)が選抜して作り上げた、
釣り用ニジマスで、その特徴は強い引きだそうです。
11月19日を、
いいひきの語呂で、
なんと、
『ハコスチの日』と云う記念日まで、
制定してしまったそうです。凄いですよね。
要は
ニジマスですから、
それなりに美味しい魚ですが、
彼らに
「野生」が、あるかと問えば、
極めて懐疑的です
エリアはあくまでも作り上げた自然であり、
ネイチャーでも、
ネイティブでもなく、
やっぱり
エリアなのです。
自分も大きい魚や、引きが強い魚が釣れれば、
普通に嬉しい普通の釣り人なので、
綺麗事を云うつもりはありませんが、
普通のニジマスが釣れても普通に嬉しいので、
余り好ましい姿だとは思えません
あなただったら、どう考えますか・・・