皆さん、おはようございます。
朝晩は、めっきり涼しくなって来ましたね。
庭でコスモスが、静かに風に揺れています。
ところで先日、
興津川のアユ釣りの話しをしました。
まだまだ友釣りができるから行ってみましょう―
そんな話しでした。
が、おおよその河川では、
アユが産卵行動のため、下流に向かって行く―
これが
「落ち鮎」と、云われる、
アユの最後の勇姿となります。
ご存じの通り、アユの寿命は1年―
実に太く短く、その命を輝かせます。
身体の皮膚がこわばって、
次第に
赤銅色に変って来る頃、
再び川に、アユ釣り人が戻って来ます。
いわゆる、
錆びたアユです。
これが、落ち鮎を掛ける
『コロガシ釣り』です。
山梨では、
『サクリ釣り』と、呼ぶ人もいますね。
コロガシではなく、
『コロバシ』って呼ぶ、
そんなベテランさんも多いのではないでしょうか

ですが、
『コロガシ釣り』と、
『サクリ釣り』―
厳密に言うと、釣り方が異なります。
そこで、混同しないように、
違いを解説しましょうね。
アユは雌(♀)が圧倒的に少なく、
一尾の雌に対して、圧倒的多数の雄が群がって、
産卵行動をするんです。
拠って、友釣りより圧倒的に個体数が多いです。
しかも雌が居る、同じ場所に集まっているので、
「密度」が、濃い訳です。
アユにコロナは関係ないので、
そりゃあ凄い「密」です

なので、その場所でハリを引張れば、引っ掛かって来る―
これが、基本的な
『コロガシ釣り』、
『サクリ釣り』の、考え方です。
コロガシ釣りは、上流に仕掛けを振り込んで、
扇の形を描くように
下流側に引っ張って釣ります。が、
サクリ釣りは、その逆―
下流側から
上流側に引っ張るのがサクリ釣りです。
山梨では、おそらく
サクリ釣りをやってる人の方が、
多い様に思います。
『シャクリ』って云う人も多いかな?
なぜなら、割と速くて深い流れの川が多いので、
底付近に居る
落ち鮎を掛けるには、
重たいオモリを下流川にぶち込んで、
一気に沈めて、強く上流側に引っ張る方が、
確率が高いからです。
しかも、流れと逆行して引くので、
直線的に引くことになります。
なので、お腹とかにも掛かってしまうケースも、
割と多い様です。
と、この様に文字にしてしまうと、
どちらも随分と荒っぽい釣りだし、野蛮じゃん!!
って、感じる方も多いでしょう。
正直、自分も釣具屋さんになる前までは、
そんな風に思っていました。
ですが、釣りである程度、
雄を間引いてあげることであげることで、
強いDNAが維持できる―
その様な側面もあるようです。
梁を仕掛けてアユを捕る地域もありますよね。
梁も盛夏には仕掛けず、落ち鮎の頃に仕掛けます。
やはり、同じ様な理由があるようです。
それに、落ち鮎の方が大きいので、
食べ応えがあるのも魅力ですよね。
こうやって、人と自然が関わり合っている事で、
釣りの文化も息づいています。
さて、
コロガシ釣り・
サクリ釣り、
引き方が逆なだけで考え方は一緒ですから、
当然、仕掛けも同じで大丈夫なんです。
左の写真の一番上が、
コロガシの仕掛けです。
おおよそフトコロが深く、
刺さり易いハリを使います。
一般的には、
「矢島」と、云うハリが多く使われます。
軸も太く、しっかりとアユが掛かります。
また、
「キツネ」と、云うハリも使います。
非常に刺さりが良い一方、
矢島に比べて、流線的な形なので、
落ち鮎だと弾かれる可能性もあります。
これは、釣り人の好みで使い分けています。
続いてオモリです。
底を引きますから、確実に着底して、
尚且つ、石などに挟まりにくいと云う事で、
真ん中の写真の様な、
丸形で中心に結び紐が通っているオモリが、
良く使われます。
流れの速さや、深さによって使い分けたり、
コロガシか
サクリかでも重さを変えたりします。
そして、竿が肝心です。
仕掛けが割と頑固なので、柔らかい竿は不向きです。
できれば、コロガシ専用竿(写真下)が安心です。
長いうえに、友釣り竿より重たいので、
体力も要りますよ〜

仕掛けをセットする順番は、
道イト・オモリ・
仕掛けの順になります。
オモリが下にあると、確実に根ががりします。
おとり鮎を使わないので、
釣りが単調になってしまいそうですが、
ポイントの見極めが特に重要なので、
見た目以上に、奥深い釣りだと思います。
只、
コロガシ釣り自体が、
禁止になっている河川もあるので、
管轄する漁協さんに、確認のうえ行って下さい。
因みに峡北漁協さんは、
10月1日に、サクリ・コロガシ釣りが解禁します。
鮎友釣解禁日 (kyohoku-gyokyo.com)落ち鮎は、塩焼きも美味しいですが、
大型が釣れたら、是非とも甘露煮を作ってみて下さい。
頭から骨まで食べられます。
美味しいですよ〜!!
特に子持ちの雌アユは美味です
