発見できて幸いでしたが、
数日前、少々危ない食品事故が発生しました。
愛知県内のスーパーで購入したと云う、
マアジ(豆アジ)の中に、
フグが混入していた―
と、云うものです。
スーパーや、
ひいては漁業者への風評を避けたいので、
詳細は書きませんが、
混入していたのは、
クロサバフグの稚魚―
だった様です。
クロサバフグと知って、
若干ほっとしたのですが、
通常、サバフグ類は無毒だとされています。
只、捕獲エリアによっては有毒化したり、
ドクサバフグと云う、毒性の割と強い個体も、
居ますので、未然に報告があったのは、
不幸中の幸いだったと思います。
販売したスーパーでも、
まだ未回収分があり、
食べずに持ってきてください―
と、既に告知されているそうです。
パック詰めする際に分からなかったのか―
きっと、その様に憤られる方もいらっしゃるでしょう。
が、相当に魚の種類に詳しくないと、
魚種まで判断するのは、
仮に専門家でも、
見落としてしまうかもしれません。
特に稚魚の頃の姿は、
成魚と大きく違っていたりする魚種も多いので、
スーパーを責めたところで、
事の解決には至らない可能性が大きいです。
おそらく、このフグを見つけて
スーパーに届け出た方は、とても魚にも詳しく、
かつ、このスーパーを大事にされて居る方―
だと、推察します。
そうでなければ、わざわざ届け出ないと思います。
むしろ消費者の側も、
稀にこの様な事が起る可能性を、
予め予測し、特に毒性のある魚種の、
姿・形・色の特徴くらいは、
覚えて置く事が、誤食事故を防ぐ為にも、
有効な事だろうと考えます。
ですが、なかなか稚魚を選んで、
採ったり、釣り上げたりなどは、
難しい事です。
ましてや成魚と見比べるなんて、
ほぼ不可能と云ってもいいでしょう。
一方、日本では昔から稚魚を選んで、
食べる―。そう云う食文化も根付いています。
その最たるものが、
しらすを食べる文化です。
そもそも
「しらす」は、稚魚全般を指す言葉で、
イワシの稚魚― と、云う意味ではありません。
生しらす・釜揚げしらす・しらす干し・ちりめんじゃこ
と、生食から、茹で上げたもの
更にそれを天日に干したものと、
食べ方にや加工法にも幾つかありますが、
これらは、殆どがイワシの稚魚の事ですよね。
ですが、採捕される際、
割と他魚が混入するケースは珍しくありません。
採捕した段階で、他魚はおおよそ除去されるのです。
皆さんも、釜揚げしらすとか、
しらす干しの中に、
イカとか、
タコとか、
何か分からないけど違う魚・・・
が、混じっているのを見たことがあると思います。
特に最近は、
温暖化による海水温の上昇に伴って、
割とフグが混入するケースは増えていて、
流通の前段階で報告されているそうです。
細心の注意を払いながら、事前にチェックされ、
疑わしい場合は廃棄され、
売り場に出ないように注意喚起がなされますが、
それでも稀にこの様な事故は起こりえます。
従って、消費者側も、
何か違う魚種を見つけたら、食べずに、
買った所へ持っていかれる事をお勧めします。
が、クレームと云う事では無く、
知らない魚が入っていたが、確かめて欲しい・・・
と云う事で持ち込めば、丁寧に対応下さる筈です。
大抵は、食べても問題の無い魚です。
さて、たくさんの魚の中から、
他魚を見つけるなんて気が遠くなりそうですが、
これを楽しみながら、
魚の種類を見分ける能力や、
魚についての学びも得られる活動が、
タイトルの
「チリモン」の活動です。
正式には、
「チリメンモンスター」の略で、
ちりめんじゃこや、しらす干しの中から、
ヘンテコな姿形をしたモンスター
を、見つけ出そう!!
と、そういう活動で、
近年、
環境学習の手段として、
教育の現場でも実践される例が増えて来ました。
元々、大坂府の岸和田市にある
きしわだ自然資料館で、
最初のワークショップが開催され、
以降、全国に拡大していきました。
また、
チリモンは商標登録されているので、
むやみに名称を使用できませんが、
チリモンとは : チリモン図鑑 (chirimon.jp)内輪でこうした活動を行う事については、
特に問題ないかとは思います。
が、一応、確認した方が良いかもしれませんね。
こうした活動で、
とにかく多種・多様な生きものたちの姿や形に注目し、
特に魚の種類を覚えていくことは、
非常に学びが多いので、
機会があったら、是非チャレンジしてみて下さい。
ともあれ、まだ被害には至っていないようで、
ほっとしています。今後も、
この様な食品事故が発生しないことを祈るばかりです。