今日は、二十四節気の一つである
処暑―だそうです。
暦の上では、暑さがおさまる頃―
と、云う事で、
この日を境に、次第に秋めいていく・・・
こう云う日であります。
ところで、昨年の8月20日の投稿で、
『レッツスタディー』の、カテゴリーで、
皆様に、こんな問題を出したのです。
鯛損の「でっかい夢釣りあげよう!!」 (easymyweb.jpサンマ釣りって、どうしてないの?
って、云う問題でした。
あの日から、一年を経た処暑となった今日の投稿は、
この問題の
アンサー編としたいと思います。
と、云っても、
『レッツスタディー』は、
明確な回答を求める意図は全く無くて、
色々と、なんでだろう・・・
って、考えてもらう事が目的のカテゴリーです。
なので、別に正解も不正解もございませんから、
気にせずお読み戴けたら有り難いです。
この
サンマ、云わずと知れた
秋の味覚の代表格ですが、
漁が解禁になり、初の水揚げがされるのが、
丁度この処暑の頃にあたります。
今年も8月19日の未明
小型の棒受網漁で捕れたさんまが、
北海道の
厚岸(あっけし)漁港に水揚げされました。
が、今年も漁はサッパリで、
1200`も沖合の公海で必死に魚影を追いかけても、
漁獲はたった150`しかなかったそうです。
おそらく、大赤字です。
で、付いた値段が、1尾3780円
高い、高すぎます。
庶民の魚でありながら、この値段じゃ食えん
これは、もろ温暖化が原因だと思います。
と、云う所で、
なぜサンマ釣りがないか―
と、云う解説をしていこうと思います。
これだけ釣りが盛んな日本なら、
サンマ釣りもあって当たり前だよね〜
って、思うのは至極当然のことです。
が、昨年の11月だったか、
山口県長門市の堤防で、
季節外れのサンマが釣れた―
そんなニュースがありました。
この様に、本来の漁期と異なる時期に、
沿岸に群れが迷い込めば、釣る事は、たいして難しくありません。
サビキ仕掛けなどで簡単に釣れます。
ですが、沿岸に迷い込む事は、
極めて稀なケースです。
それでは、基本を先ずは抑えましょう。
サンマは回遊魚です。
大きな群れを形成して移動する魚です。
一方、サンマは低水温を好む魚で、
海水温が高ければ、
本能的にその海域を避けて通ります。
目安となる水温は、およそ18℃これ以下にならないと、
サンマは獲れないどころか、いません。
ですから、この水温で安定しているエリアまで、
遠出しないと、サンマが獲れない―
と、云う事になります。
ですから、今回も1200`も沖合にまで、
行かなければならなかった訳です。
しかも、移動のスピードが極めて速い―
だから、例え船釣りであっても、
群れを留まらせる事が難しいので、
基本、釣りでは釣れない―
と、云う根本的な理由があります。
一方、サンマ好きの方は、
おそらくですが、食べる際に内臓取りませんよね。
釣りでは、コマセを使ったり、
バケバリに巻いてあるプラスティックや、魚皮、
釣りバリなんかが胃の中に入る事も、
少なくないと思います。
サンマを食べて、そんなものが出て来たら、
嫌ですよね。釣った人だけが、
分かってて食べるのであれば問題ないでしょうが・・・
はらわたを出したサンマって、
どうなの?
って、思っちゃいますもん
食べる事を前提としていれば、
例えばリスクを負って釣り船を仕立てる、
そもそも需要がないのです。
従って、サンマ釣りはない―
と、云う結論になって来ます。
でも、ここで考えなければいけない、
大きな問題がありますよね。
サンマが獲れない = 海水温が高いと、云う事です。
以前は、東北から北海道沿岸では、
丁度この処暑の頃には海水温が下がり、
サンマが沿岸までやって来ていた―
と、そういう事です。
ここ近年の台風の迷走や、
大雨被害も、こうしたところに起因します。
が、現状では、沿岸エリアの海水温が高いので、
極論を言えば、獲れないのは当然―なのです。
それを云っちゃあおしまいよ〜!!と、云われてしまいそうですが、
自分の見解では、
それを云わなきゃなんめ〜よ〜!!って、それくらいの覚悟です。
サンマの不漁を嘆くのでは、絶対に解決しません。
年を追うに連れ、この問題は深刻化します。
漁師さんのせいなんかではなく、
温暖化を助長させる、現代の我々の生活様式こそ、
変えていかないと、秋にサンマは食べられません。
プラゴミの問題もありますよね。
これもどうにかせんといかんです。
このように、一種の魚を考えただけでも、
様々な環境問題が絡んでいると云う事です。
みんなで、もう一度サンマリターンを願って、
気候変動に取り組みましょ
きっと、日本人にしかできない事だと思いますよ
もう既に・・・
でしょうが、
サンマは高級魚になっていて、
庶民の口には入らない、高嶺の花になるでしょう。
でも、それは我々の責任でもある訳です。
それでも必死に、
旬を追いかけてサンマ漁をして下さって居る、
漁業者の方に感謝こそすれ、
漁獲圧(需要)を掛けるのは慎まないといけません。
最後に、処暑のサンマで一句詠んで終わりにします。
もう食えぬ
高嶺の花よ 処暑さんま 鯛孫お粗末さまでした