堤防などに釣りに行った時に、
「あ〜,ルアーロッド持ってくりゃあ良かったぁ・・・」
と、思わず漏らしてしまった事ありませんか?
思わぬ回遊魚が目の前にたくさんいるのに、
その魚用に仕掛けを作り直している間に、
移動してしまって地団駄を踏む―
こんな時に、ライトアクションくらいのバスロッドや、
トラウト用のロッドが1本、ロッドケースにあれば、
ちゃちゃっと継いで、小形のミノーなんかを引けば、
カマスやら、ショゴやら、美味しい魚を、
労せずゲットできたりするもんです
で、この位の季節から、10月いっぱい位までは、
盛夏よりも海水温が高かったりして、
堤防周りに、ピカピカ光る魚が現れます。
もう、お分かりですよね(^o^)
その正体は、
メッキです
が、そもそも
メッキと云うお魚は居りません。
正確には、
ギンガメアジ・
カスミアジ・
ロウニンアジなどの、
回遊性の高いアジ科の幼魚の総称です
魚体がピカピカで、
メッキが掛かっているみたいだから・・・
と、云うのがその呼び名の由来なんです。
ところで、皆さんは沖縄とかにいる、
GT(ジャイアントトレバリー)は、ご存じですよね。
このGTは、
メッキと同様の成魚の総称で、
メッキが大人になれば、GTになる―って、単純にそう云う訳では実はないんですよ。
本州近海で釣れるメッキの大半は、
成魚に至らないうちに、
実はメッキのまま死んでしまうのです
海水温は、おおよそ季節と2ヶ月遅れで、
10月位までは海水温が高いのです。
が、11月には一気に下がってしまうので、
メッキ達にとっては、致命的です。
なので、
成魚になる事無く死滅する―こうした魚達の事を
『死滅回遊魚』と、呼んだりします。
只、最近では
「死滅」と、云う言葉が宜しくない―
と、云う事で、
「季節回遊魚」と、呼ぶ事が増えて来ている気がします。
海水温の低下が死滅の原因―
だったら、本州なんかに近付かなきゃいいのに・・・
って、思いますよね。
メッキにしてみれば、
「オイラだって、好きで来たんじゃないやい!!」
と、きっと怒り出すでしょう。
「だって、流されちゃったんだもん
」
このメッキを本州に流してしまった犯人こそ、
「黒潮」なのです。
さて、ここで地理の復習です。
黒潮は、
暖流ですよね。
文字通り、暖かい潮流です。
メッキが生まれて右も左も分からなかった、
仔魚の時に、いきなりグワーっと黒潮に流された―
気付いてみたら、アレ、ここは何処?
って、なっちゃうお魚達が、季節回遊魚です。
それでも自分でエサを獲れる様になり、
若いメッキ達が、心地良い海水温の中で、
いっぱい食べて青春を謳歌する時季が、
丁度今頃・・・。
だから、釣れる!!
でもメッキ達は、
もうすぐ命が尽きてしまう事は知りません。
なんか刹那でしょ
なら、人の手で釣ってあげて、
我々の命を支える命として人が食べる―。
メッキは、和風でも洋風でも、
どんな食べ方をしても、美味しいんです
メッキゲームを楽しみながら、
こんな命の循環も考えて釣ってみると、
彼らの命を、より愛おしく感じるのです
だから、秋はメッキが面白い!!
近場のポイントでお勧めは、
西伊豆一帯と、南伊豆の各所。
できれば、河川が流れ込んでる所がいいです。
松崎港とか、手石港とか、戸田港や土肥港も釣れます。
是非、10月になったら出掛けてみて下さい。
9月中は、できたら我慢ですよ!!