今日で6月が終わります。
泣いても、笑っても、東京オリンピックまで、
残り3週間余りとなりました。
地元での聖火リレーを見て、
やっぱり、オリンピックが見たい―。
今は、そんな気持ちです。
なぜなら、聖火を繋いで来たランナーの皆さんは、
心をひとつにして繋いでいるからです。
純粋に選手達を応援したい―
そんなピュアな思いは、
やっぱり五輪なればこそ!!
だと、信じています。
ところで今、世界を席巻している、
この新型コロナウィルスですが、
ウィルスに感染するのは、人だけではありません。
今年も多くの地域で、
『鳥インフルエンザウィルス』が、見つかり、
多くのニワトリが、殺処分されてしまいました。
『ブタ熱(CSF)』への、感染もありましたね。
この時も、飼育されている豚が、
殺処分されてしまいました。
この病気も、
フラビウイルス科ペスチウイルス属への、
ブタの感染により起こります。
殺処分は、家畜の感染拡大を防ぎ、
損失を最小限に留めるための処置ですが、
健康な鳥も、豚までも、殺されてしまう訳です。
必要な処置とは云え、やりきれないですよね
家畜伝染病の被害は甚大です。
ところで、魚たちも生きものですから、
ウィルス感染のリスクに晒されています。
養殖場で、ひと度こうした感染症が起きれば、
たちまち広がってしまう恐れもあるのです。
近年、最も被害が大きかった、
魚の感染症が2つあります。
今日は、魚たちの感染症被害と題して、
過去にあった感染事例を紹介しますね。
先ず最初は、
『コイヘルペスウイルス病』です。
今から17年前の10月、
霞ヶ浦(茨城県)で起こったコイの大量死事件が、
このウィルスが原因だと云う事が判明しました。
当時、湖にウィルスが広がってしまうことを恐れ、
霞ヶ浦で養殖されているコイの全てが、
やはり、殺処分されています。
人が感染することはありませんが、
一端、湖沼や、河川に流出してしまうと、
その被害は計り知れないでしょう。
さて、その特徴として、
第一に、致死率が非常に高い事が知られています。
感染により発症したコイには、
以下の様な症状が現れます。
1 鰓(えら)がただれる。
2 目がくぼむ
3 頭部に凹凸が出る。
一度感染してしまうと、
ウイルスを根絶することができない―。
と、分かっているので、
全尾、殺処分されます。
続いては、今なお発症例が報告されていますが、
アユの冷水病への感染です。
冷水病は低水温期に、
サケ・マス類が主に感染する病気―
と、して知られていますが、
冷水病はウィルスではなく、冷水病菌と云う
細菌に感染する事で発症します。
このアユの冷水病は、
1987年に徳島県の養殖場で、
琵琶湖産の稚魚から病原菌が確認されました。
その後、全国的に急拡大してしまったのです。
実は、この感染拡大に、
釣り人も関与したと云われています。
保菌したアユを掬ったタモ網とか、
菌の付いたウェーダーやアユタイツを、
他の河川でも使って感染が広がった―。
とも、云われているのです。
面白いのは、感染してしまったのはアユだけで、
同水域に棲息している他の魚からも、
菌が検出されているのに、
発症はしない事が多いのだそうです。
アユは、系統的にはサケ・マス類と同じで、
川と海とを行き来し、アブラビレなども見られるので、
感染が広まったのかもしれません。
現在でも度々、感染例の発表がありますが、
やはりアユは個体の単価も高いので、
養殖業者にとって被害は甚大なものになります。
冷水病を発症したアユに見られる症状としては、
1 体表の白濁、鰓蓋下部からの出血、
2 体表の潰瘍と思われる穴あきがあり、
その後で貧血の症状を発症して死に至る。
3 稚アユでは、輸送から数日後に、
急激に大量死して、他の稚魚にも及ぶ。
等が知られています。
この様に、感染症は全ての生きもの達にとって、
驚異の存在だと云う事です。
上の写真は、いずれも感染してしまった、
コイ(左)、アユ(右)ですが、怖いですよね。
どうか、このコロナウィルスとの闘いが、
一日も早く収束する様に祈りましょう。