渓流釣りは、 ある意味、山の奥深くに身を置く活動です。 言い換えれば、人間にとっては「非日常」であり、 日常、山の獣たちが暮すエリアへ分け入って、 釣りをさせて戴く行為です。
昨年の秋、 多くの地域で「熊」の、発見が相次ぎました。 コロナ禍によって、夏に多くの人が入っていた山に、 「人の臭い」が、付かなかった事で、 逆に安心した熊たちが、今度は人が暮す「日常」へ、 ひょっこり出て来てしまった―。 と、自分はそんな風に考えています。
で、多くの熊が人に危害を与えかねない―。 と、して、射殺されたケースも、 とっても残念ですが、多かったのも事実です。
が、コロナ禍は改めて、 人と、獣たちとの、『お互いの日常』の、 正しい距離感に、 気付いた一年だったのかもしれません。
渓流釣りをする方であれば、 多かれ少なかれ、何度かは野生の動物たちと、 バッタリ遭遇してしまった体験が、 あるかと思います。
自分も、まだ怖い思いはした事はないけれど、 熊にも、イノシシにも、お猿さんにも、 出会った事があります。
そこで、上の写真をご覧下さい。 これ、何だか分かります? ころころした茶色い玉が散らばっていますよね。 実はこれ、「鹿の糞」なんです。 平たく云えば「う○こ」です。
今、山で鹿が増えすぎている―。 そんな話題は、良く耳にしているかと思いますが、 こうした「野生の獣たちが残した様々な痕跡―」 の、事を『フィールドサイン』と、云います。
これは、食べた後の排泄物ですが、 何処にあったかと云うと、 過日ご紹介させて戴いた山菜を見つけた場所で、 落ちていたもので、脇には沢が流れています。
と、云う事は、 ここに鹿が水を飲みに来た―。 って、予想ができるし、まだ湿っていますから、 近くにいるかも・・・ って、予想もつきます。
鹿であればそんなに怖くない・・・。 って、思う方も多いかもしれませんが、 角のある雄の鹿に、もし角で攻撃されたら、 きっと深い傷を負ってしまうでしょう。
人とバッタリ遭遇してしまうと、 鹿もパニックになるので、 怖いから攻撃して来るかもしれません。
こうした『フィールドサイン』を見落とさず、 よくよく注意を払って、 極力、獣たちと遭遇してしまわないように、 配慮してあげたいものです。
強いて言えば、 山にとって人は招かざる客なので、 こうしたフィールドサインを見落とさずに、 お互いに快適な「距離」を、保って下さい。
これも、山に分け入る際の、 「ソーシャルディスタンス」です。
雪が残っている季節であれば、 その上に「足跡」も、残ります。 蹄(ひづめ)で、あれば鹿かイノシシ。 肉球であれば、キツネやタヌキ、 もしかしたら「野犬」かもしれません。
青葉の伸びる頃になれば、 熊の足跡も残ります。でっかい肉球です。 山に県内の川でも、割と何度も見ています。
時には風下にいると、明らかに獣の臭いが、 して来る時もあります。 そしたら、人間の方から一歩引きましょう。 そこから先は、獣たちの日常です。
|